再生計画案の作成方法は?債権者の認可を得るための作り方のポイント
個人再生を行う際には、債権者の過半数以上の認可を得られる再生計画案を作る必要があります。再生計画案の内容に問題があると、過半数以上の認可を得られず、個人再生を行えません。そこで今回は、債権者から認可を得られる再生計画案の作り方のポイントを詳しくご紹介します。
再生計画案とは
再生計画案とは、個人再生のうち「小規模個人再生」を行うときに裁判所へ提出するものです。債権者の認可を得るために、妥当な再生計画案を作成する必要があります。同じく個人再生の1つの「給与所得者等再生」では、債権者による再生計画案の認可は不要です。
裁判所は、再生計画案を債権者へ郵送し、決議をとります。過半数以上の同意を得られたうえで、同意した債権者からの借入額が債務総額の2分の1以上であれば、再生計画案が可決されます。
再生計画案が否決された場合は、任意整理や自己破産など、他の方法を検討することになります。
再生計画案の必要事項
再生計画案を作成するときは、必要事項をすべて記入する必要があります。再生計画案には、弁済計画表と計算表の添付が必要です。それぞれの必要事項について詳しくみていきましょう。
弁済計画表
弁済計画表には、個人再生を行った後の返済計画を記載します。記入事項は次のとおりです。
- ・個人再生の事件番号
- ・再生債務者の氏名
- ・再生計画における免除の割合
- ・返済期間
- ・返済方法
- ・照会先とその連絡先
- ・再生債権について
- ・債権者番号
- ・届出のあった再生債権者名
- ・確定債権額(利息・損害金込み)
- ・返済総額
- ・各回の返済額
- ・再生債権の詳細
上記の基本事項に漏れがあると、債権者の心象が悪くなることで認可を得られにくくなる可能性があります。信頼できる弁護士と一緒に作成することが大切です。弁護士は、負債総額のうち、どれだけの額を免除にするのか、返済期間、返済方式などを一緒に考えてくれます。再生計画案の作成実績が豊富な弁護士に相談すれば、大多数から認可を得られる再生計画案を作成してくれるでしょう。
計算表
計算表で算出した額を弁済計画表に反映しましょう。確定債権額や総債務額、免除率などの計算が必要です。これらの計算は弁護士と一緒に行いましょう。計算ミスがあると、再生計画案全体の信頼性が損なわれるため、認可を得られなくなる可能性があります。
また、免除を得たい金額が大きすぎる場合も心象が悪くなるでしょう。そもそもの考え方や計算式を間違えていると、ミスに気づけません。必ず弁護士と一緒に作成しましょう。
認可される再生計画案の作り方
認可される可能性を上げるには、再生計画案の内容に工夫が必要です。認可される再生計画案の作り方を詳しくみていきましょう。
最低弁済額よりも高めに設定する
小規模個人再生では、次のように最低弁済額が定められています。
借金総額 | 最低弁済額 |
---|---|
1円~100万円 | 全額弁済 |
100~500万円 | 100万円 |
500~1,500万円 | 借金の総額の5分の1 |
1,500~3,000万円 | 300万円 |
3,000~5,000万円 | 借金の総額の10分の1 |
収入の関係で、上記の最低弁済額以上の弁済ができない場合は仕方がありませんが、収入が十分にあるのであれば、最低弁済額以上の額を設定することが大切です。債権者は、債務者の収入を踏まえて、再生計画案の内容が妥当なものか確認します。
最低弁済額以上の額を返済できるだけの収入があるのに返済する気がないことが伝われば、債権者の心象が悪くなるでしょう。小規模個人再生を行うと、債権者が損をするため、譲歩してもらえるような再生計画案を作成することが大切です。
弁済期間を適切に設定する
小規模個人再生における弁済期間は原則3年以内です。ただし、特別な事情がある場合に限り5年までの延長が認められる可能性があります。特別な事情とは、低収入、住宅ローンの返済の優先、教育費などです。ただし、延長を認めるかどうかは債権者次第のため、返済期間が5年になるつもりで申請はしない方がよいでしょう。
5年への延長が認められない場合の返済計画も考えておくことが大切です。
まとめ
再生計画案が債権者の過半数に認可されなければ、小規模個人再生を利用できません。また、認可されても、認可を得られた債権者からの借入額が債務総額の2分の1を超えている必要があります。認可を得るためにも、再生計画案は弁護士と話し合って作成することが大切です。「梅田パートナーズ法律事務所」では、債務総額や収入、事情などを踏まえて的確に再生計画案を作成しております。きめ細かなヒアリングで親身にサポートいたしますので、お気軽にご相談ください。
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