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ウッドショックの住宅業界への影響は？M&A・廃業・合併など選択肢も解説
2022.6.7
日本への木材の輸入が減少し、住宅業界は大きな打撃を受けています。いわゆるウッドショックは住宅業界にどのような影響を及ぼしているのでしょうか。ここでは、ウッドショックの住宅業界への影響について解説するとともに、M&Aや合併といった対応策についても紹介します。
ウッドショックの原因
ウッドショックはいきなり起きたわけではなく、複数の原因が重なることで日本への木材の輸入が大きく減少したのです。ウッドショックの原因について詳しく見ていきましょう。
アメリカにおける木材の高騰
アメリカでは住宅着工件数が堅調に伸びています。ミレニアル世代を中心に郊外で住宅を購入する人が増え、さらにコロナ対策として金利を実質ゼロとする金融政策が開始したため、施工数が大幅に増加しました。
また、コロナ禍におけるリモートワークの増加によって、都心の集合住宅から郊外の一戸建てへ住み替える人が増加したことも関係しています。このような理由でアメリカにおける木材の価格が高騰しており、同時に日本への木材の輸入の減少が重なることでウッドショックが起こりました。
コンテナ不足
コロナ禍でネットショッピングが増加したことでコンテナ不足に陥っており、ヨーロッパの集成材メーカーは陸路で各国へ建材の輸出を開始しました。日本においても木材を輸入したくてもコンテナが不足しているために輸入できないという事態に陥っています。
中国の木材需要の増加
中国は産業用丸太の輸入国としては世界最大規模です。比較的早くコロナ禍から脱した中国がコンテナを買い占めていることがウッドショックの一因になっているといわれています。
木材の購入数の減少
ウッドショックによって国内の木材が高騰しています。しかし、いずれ価格は正常化すると見越した商社は木材の購入を控えるようになりました。その結果、国内で購入者が現れなかった木材が海外へ輸出されたのです。予想は大きく外れ、その後も木材の価格は上昇し続けています。そうなればすぐにでも木材を輸入する必要がありますが、コンテナ不足やアメリカや中国での木材の需要増などが重なり、慢性的な木材不足に陥りました。
ウッドショックが住宅業界に与える影響
ウッドショックの影響は、木材が調達できないことで受注できない、予定していた木材が届かないために工期が遅れる、それによって収益が低下するなど、多岐にわたります。このような事態が長く続くと経営難に陥る恐れがあるため、早期に対処する必要があります。
住宅業界が取るべきウッドショックの対策
ウッドショックの影響で経営難に陥っている、この状況が長く続くと経営に影響が出るなど、深刻な状況にある企業は多いでしょう。そこで、住宅業界が取るべきウッドショックの対策についてご紹介します。
値上げ
工事費や諸経費を値上げして、少しでも多くの売上を取ることが1つの方法です。住宅購入費が高くなっても、住宅ローンを組めるのは30～35年ローンを組める30～35歳程度までに購入せざるを得ません。そのため、多少値上げしたところで受注量が大きく減少することはないでしょう。
ただし、ウッドショックがいずれ終わると考えている人は住宅の購入を控える可能性があります。そのため、住宅購入の相談を受けた段階で、ウッドショックの現状といつ終わるのかは予想できないことを伝え、購入を促すことがポイントです。
ビジネスモデルの転換
新たなビジネスモデルを構築し、売上回復を目指す方法があります。別の事業を立ち上げる、独自の方法で住宅の価格を抑える、セット割を作るなど、さまざまな方法を検討しましょう。ビジネスモデルを転換した後は軌道に乗るまで続けることが大切ですが、新たなビジネスモデルを作り成功へ導くことは簡単ではありません。ウッドショックが終われば元に戻すことも考えてください。
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