スポンサー型事業再生とは?メリット・留意点・手法を解説

2021.11.29

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スポンサー型事業再生は、何らかの理由で自主再建が難しい状況に陥った際に検討するべき事業再生の手法の1つです。

どのような手法にもメリットとデメリット、留意点があるため、事前に確認が必要です。ここでは、スポンサー型事業再生とは何か、メリットや留意点、手法などについて詳しくご紹介します。

この記事をわかりやすく解説
  • スポンサー型事業再生とスポンサーへ事業を譲渡して事業再生を目指す手法
  • スポンサー型事業再生のメリットは事業再生の成功率が高く後継者問題が解決する
  • スポンサー型事業再生のデメリットはスポンサー企業へ経営権が渡ること
  • 手法には企業再生、事業譲渡、会社分割、第二会社方式などがある

スポンサー型事業再生とは

スポンサー型事業再生とは、収益が低迷しており、自力で立て直すことが困難な際に、スポンサーへ事業を譲渡して事業再生を目指す手法です。

自力で立て直すことが難しい理由には、金融機関や取引先との関係性の悪化や後継者不在などが挙げられます。

スポンサー型事業再生のメリット

スポンサー型事業再生には、次のメリットがあります。

スポンサーの選定次第では事業再生の成功率が高い

スポンサーの経営資源や取引先、信用、経営ノウハウなど、さまざまな恩恵を受けることができます。スポンサーの経営力が優れていればいるほどに、事業再生の成功率が高まるでしょう。

後継者問題が解決する

スポンサーに事業を移転することで、後継者問題が解決します。日本では後継者問題が深刻化しており、後継者不足を理由にやむを得ず廃業する企業が少なくありません。

スポンサー型事業再生のデメリット

スポンサー型事業再生のデメリットは、スポンサー企業へ経営権が渡ることです。会社は存続できても、従来通りの方針や方法で経営ができるとは限りません。意に反した方向性で経営を続けることになる可能性もあります。

スポンサー型事業再生の留意点

スポンサー型事業再生を行う際は、次のポイントに留意しましょう。

スポンサーを選ぶ際は公正性の担保が必要

スポンサーを選ぶ際は、スポンサーの公正性を担保しなければなりません。

スポンサーの資金力や経営力、取引先、信用力などが不十分だと、事業再生に失敗するリスクが高まります。そのため、スポンサーは「これまでお世話になっていた」「人柄が良い」といった理由で選ばないことが重要です。

また、スポンサーが支払う対価で債務を返済する際は、債権者にとって誰がスポンサーになるのかが気になるところでしょう。このような意味でも、公正性を担保してスポンサーを選ぶ必要があります。

合理的な方法でスポンサーを選定する

スポンサーを選定する際は、合理的な手法を選ぶ必要があります。公募でスポンサーを選定する場合、本当に信用できるのかどうかの確認に時間がかかる上に、最後まで不安を払しょくできなくなるかもしれません。

スポンサー型事業再生の手法

それでは、スポンサー型事業再生にはどのような方法があるのか詳しく見ていきましょう。

企業再生

企業再生とは、会社を残しつつ収益性が高い事業部門を中心に事業再生する方法です。その際は、スポンサー企業の子会社となり、再建を目指すことが一般的です。

事業譲渡

事業譲渡とは、自社の事業がスポンサー企業の部門となり、私怨を受けて再生を図る方法です。支援を受ける企業は特別清算することが一般的で、破産手続きが必要になったとしても選択できます。

また、収益性が高い、再建の見込みがある事業を切り離して再生を目指せるため、早期の再建を実現しやすい手法です。ただし、登記手続きを含め、さまざまな手続きに多額のコストがかかります。

会社分割

会社分割とは、スポンサーの支援を受けて新会社を設立し、優良事業のみを新会社に移して事業再生を図る手法です。不採算部門を切り離すことができるため、早期の再建が期待できます。不採算事業が残った騎亜社は清算手続きを行います。

会社分割の際は、債権者の同意は必要ありません。その一方で、緊急性の高い再生には向かないという留意点があります。

第二会社方式

第二会社方式とは、優良事業のみを新会社や別会社に移して再建を図る手法です。不採算部門は特別清算で消滅させます。

従業員も新会社に移動するので、雇用の維持に繋がります。また、債務免除によって、債務免除益を特別利益に計上できる点もメリットです。

債務免除益は法人税の課税対象ですが、事業譲渡に伴う譲渡損を計上することで、債務免除益を相殺できます。

まとめ

スポンサー型事業再生を行う際は、合理的かつ公正性に優れた方法でスポンサーを選定する必要があります。今回、紹介した手法の中から自社にとってベストな方法を選択しましょう。

梅田パートナーズ法律事務所では、スポンサー型事業再生に限らず、再建を目指す企業へのアドバイスや法的サポートを行っております。お困りの際は、梅田パートナーズ法律事務所までお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

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