小規模企業共済が元本割れする可能性はある?廃業のタイミングによっては損をする?
小規模企業共済は、経営者や従業員が安心して働ける環境を提供する一方で、その仕組みには潜在的なリスクも存在します。特に、元本割れというリスクは避けて通れない問題の一つです。この記事では、小規模企業共済が元本割れする可能性やその原因、さらには廃業のタイミングが損失を招く可能性について考察します。
小規模企業共済が元本割れするケース
小規模企業共済は、将来の不測の事態に備えて築く安心の制度ですが、その中には元本割れというリスクも存在します。以下では、加入期間が短い場合、掛金を減額した場合、20年未満で途中解約した場合の3つのパターンについて解説します。
加入期間が短い場合
加入期間が短い場合は、小規模企業共済が元本割れする可能性があります。共済金の種類によって、共済金を受け取れる条件が異なります。「共済金A」と「共済金B」は加入から6か月まで、「準共済金」「解約手当金」は加入後12か月までは、掛け捨てです。
掛金の減額
掛金の減額があった場合は、小規模企業共済が元本割れする可能性があります。途中で掛金を減額すると、減額した分については運用されず、解約手当金の金額も減額分を含めて算出されます。また、解約するまでの加入期間が20年未満の場合は、解約手当金が元本を上回らないことがあります。
20年未満で途中解約
20年未満での途中解約の場合は、小規模企業共済が元本割れする可能性があります。掛金の納付月によって解約手当金が変わりますが、20年以上加入し続けなければ元本割れを起こすことがあります。ただし、このパターンは任意解約した場合に限ります。他の理由で20年未満で共済金を受け取る場合は必ずしも元本割れするわけではありませんので、注意が必要です。
廃業の場合は元本割れしない
廃業によって共済金を受け取る場合、共済金Aのパターンであれば、掛金の納付年数が5年であっても、付加共済金が加算されて掛金の総額が戻ってきます。
小規模企業共済を検討されている方々は、自身がどの程度の共済金を受け取れるのかをシミュレーションしてみることをおすすめします。
元本割れを気にすることで廃業のタイミングを誤り、次のステップに支障をきたす可能性もあるため、元本割れについては十分に確認しておくことが大切です。不明点がある場合は、制度の問い合わせ窓口または信頼できる弁護士に相談しましょう。
小規模企業共済はメリットが大きい
小規模企業共済はメリットが大きい制度です。小規模企業共済のメリットについて詳しく見ていきましょう。
掛金が全額所得控除になる
小規模企業共済における掛金は、全額が小規模企業共済等掛金控除の対象となります。このため、課税対象の所得から控除されるため、税制上のメリットが大きいです。また、掛金は前払いも可能であり、1年以内の前払いも所得控除の対象となります。掛金額が高ければ高いほど税制上のメリットも大きくなるため、退職金の積み立てと節税の両方を実現できます。
無理なく積み立てできる
小規模企業共済では、月額1,000円から7万円までの掛金を500円単位で選択できます。掛金額が増えれば増えるほど節税効果も高まりますが、毎月の負担を考慮して掛金額を決定できます。最低掛金が1,000円と低額であるため、無理なく継続して積み立てることが可能です。また、掛金の変更も可能であり、状況に応じて柔軟に対応できるのも利点です。
共済金受取時は退職金扱いになる
小規模企業共済の共済金を受け取る際には、退職金と同様の扱いを受けます。このため、税制上の優遇措置が適用され、共済金の受け取りに伴う税金負担が軽減されます。共済金の受け取り方法や請求事由によって異なる税制上の扱いもあるため、事前に確認しておくことが重要です。
掛金を6か月以上納付すれば共済金が出る
小規模企業共済に加入後、掛金を6か月以上納付していれば、事業を終了した場合でも共済金が支給されます。このため、短期間の加入であっても、一定期間の掛金納付が条件となるため、加入後の共済金受給においては安心感があります。
まとめ
小規模企業共済が元本割れするケースでは、加入期間が短い場合、掛金を減額した場合、20年未満で途中解約した場合などが挙げられます。これらの状況下では、共済金の受け取りにおいて元本割れが生じる可能性があります。しかし、廃業によって共済金を受け取る場合は、元本割れせずに掛金の総額が戻ってくるケースもあります。
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