会社が破産したときは?保証人の債務整理の必要性と方法
会社が破産したときは、保証人も債務整理が必要になる可能性があります。会社の経営者が保証人になっている場合は、会社の破産手続きと個人の債務整理を同時進行しましょう。債務整理といっても様々な種類があるため、事前に確認しておくことが大切です。
ここでは、保証人の債務整理の必要性と方法について詳しくご紹介します。
保証人の債務整理の必要性
中小企業の経営者は、会社の借入金やリース債務など、さまざまな債務において連帯保証人になる場合があります。会社の役員や家族、親戚、友人などが一部の債務において連帯保証人になるケースもあるでしょう。
会社が破産手続きや再建手続きなどを行うと、保証人に債務の返済が請求されます。債務を返済できない場合、保証人になるときに担保に提供した自宅などを失う可能性があるのです。必ずしも、担保提供している自宅を失うわけではありません。返済できるだけの十分な収入があるかどうかで選ぶべき方法が異なります。
保証人 が選べる債務整理の種類と方法
保証人が選べる債務整理の種類と方法についてみていきましょう。
任意整理
任意整理は、金融機関などの債権者と直接交渉をして、将来にかかる利息や遅延損害金などを免除したり、毎月の返済額を減額したりする手続きです。和解できれば、返済による負担を軽減できたり、担保の自宅を失わずに済んだりします。
任意整理には、十分な知識や債務の正確な把握などが必要なため、弁護士に依頼することが大切です。
個人再生
個人再生は、債務の一部が免除されたうえで、残りの債務を3年間(5年間まで延ばせる場合あり)かけて返済できるようになる手続きです。任意整理とは違い、裁判所を介して行います。
債務の一部が免除されるうえに余裕をもった返済計画を立てられるため、任意整理よりも負担を軽減できます。
自己破産
自己破産は、全ての債務を免責する手続きです。ただし、免責するかどうかは裁判所が決定します。自己破産した場合、一定の財産的価値があるものを失うため、安易に選択しないことが大切です。
特定調停
特定調停は、調停委員を交えて債権者と債務の減額や利息の免除などを話し合い、和解する手続きです。調停委員を交えることで、直接交渉するよりも和解が成立しやすくなる可能性があります。
保証債務の処理方法
保証債務の処理方法は、返済できるだけの収入があるかどうかで異なります。十分な収入があるケースとないケースに分けて、詳しくみていきましょう。
十分な収入がある
会社の再建手続きを行う場合において、保証人に十分な収入が見込まれるケースでは、任意整理か個人再生を行うことをおすすめします。また、取引先の債権者との関係性を保つために、自己破産ではなく任意整理か個人再生を選ぶケースもあるでしょう。
また、個人再生には、小規模個人再生手続きや給与所得者等再生手続きなど、いくつかの種類があります。保証債務や資産、収入などに応じて、適切な方法を選ぶことが大切です。
また、自宅に抵当権を設定しており、自宅を維持したい場合には、個人再生における住宅資金特別条項の利用を検討しましょう。まずは、弁護士に相談して、選ぶべき手続きを確認してください。
収入の問題で返済できない
会社が再建手続きをする場合、役員報酬が大幅にカットされることが一般的です。そのため、任意整理や個人再生で返済額を減らしたり一部を免除したりして、少しずつ返済することは難しいでしょう。
そのため、会社が破産手続きではなく再建手続きを行う場合でも、保証人になっている役員は破産手続きをするケースがあります。また、会社の清算が必要な状況では、会社と同時進行で保証人も破産手続きを行うことが一般的です。
以前は、会社が再建手続きを行う場合において破産手続きをすると、取締役になれない法律がありましたが、平成18年に施行された新会社法では、破産手続きをしても問題なく取締役になれるようになっています。そのため、役員が保証人になっている場合でも、任意整理や個人再生、自己破産などからベストな方法を選ぶことが大切です。
まとめ
会社が破産手続きや再建手続きを行う場合、保証人も債務整理が必要です。十分な収入がある場合は任意整理や個人再生、返済できる収入がない場合は破産手続きを選ぶことになるでしょう。いずれにしても、まずは信頼できる弁護士に相談することが大切です。直接交渉できる任意整理においても、弁護士のサポートは必須でしょう。
「梅田パートナーズ法律事務所」では、会社が破産手続きや再建手続きを行う場合において、保証人がベストな選択ができるようにサポートしております。会社の債務の保証人になっていて、債務整理が必要になった際にはお気軽にご相談ください。
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