会社や事業の再建方法とは?再建できる可能性が高い会社の特徴

2020.8.1

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会社や事業がうまくいかず廃業を考えている方は、再建も検討してみてください。会社や事業を再建するために、さまざまな制度や手法をうまく活用することが大切です。例えば、債務整理で再建のチャンスを作ったり、M&Aで不採算事業を譲渡したりする方法があります。

ここでは、再建できる可能性が高い会社の特徴についてご紹介します。

この記事をわかりやすく解説
  • 不採算部門への対処で利益を出し競合他社が少なく強いコネがあると再建できる可能性が高い
  • 業績 がそれほど悪化していない場合は借入金の返済条件の緩和を金融機関に求めるてみよう
  • 返済条件の緩和だけでは再建が困難な場合は任意整理や民事再生手続きを検討

再建できる可能性が高い会社の特徴

次のような会社は、再建できる可能性が高いでしょう。

不採算部門への対処で利益を出せる

会社全体では利益が出ているものの、不採算部門が多い場合は、部門の閉鎖を検討してみてください。ここで問題になるのが、部門を閉鎖したことで従業員の異動が必要になることです。人員が過剰になれば、従業員1人あたりの利益が少なくなります。

この場合は、M&Aで事業譲渡することを検討しましょう。事業譲渡であれば、不採算部門だけを譲渡して、会社全体の利益を増やすことが可能です。

競合他社が少ない

競合他社が少ないのに業績が悪化している場合は、経営方針の見直しやターゲットの再選定、マーケティングの工夫を検討してください。経営コンサルタントやマーケティング会社のサポートを受けることで再建できる可能性があります。

地域に根強いコネクションがある

特定の地域に根強いコネクションがある場合は、取引先からの仕入れ値を調整してもらったり、共同出資して新サービスを始めたり、さまざまな方法を選べます。また、その地域で販路を広げることを模索している企業と取引することで、利益拡大を狙えるでしょう。

業績 がそれほど悪化していないときの再建方法

業績がそれほど悪化していない場合は、借入金の返済条件の緩和を金融機関に求めることを検討してください。銀行に返済条件の緩和を求める際には、堅実な経営改善計画の策定が必要です。現時点で経営状況が悪化している場合、返済条件を緩和したところで再び返済できなくなる可能性があります。そのため、銀行としては堅実かつ適正な経営改善計画の作成を求めたいところです。

今後の事業計画のほか、弁済計画や資金繰り表などを作成し、銀行に交渉しましょう。ただし、弁護士や税理士、会計士などの専門家のサポートを受けて資料を作成することが大切です。会社の主観で作成した経営改善計画では、銀行の担当者を納得させられない可能性があります。

専門家の知見や経験を踏まえた経営改善計画を策定して、銀行との交渉を有利に進めましょう。

財政状況が非常に悪い会社の再建方法

経営改善計画を策定するにあたり、返済条件の緩和だけでは再建が困難と判断される場合は、任意整理や民事再生手続きを検討してください。

任意整理

任意整理は、銀行などの金融機関と債務者が交渉をして、借入金や買掛金などを整理することで事業の再建を図ることです。毎月の返済条件を緩和するだけではなく、借入金そのものを減らすことも期待できます。ただし、任意整理は会社や個人だけで進めることは難しいため、弁護士に相談することが大切です。

任意整理は、金融機関1社単位で説明をする必要があります。同じ説明では納得してもらえず、交渉に失敗する恐れがあるでしょう。経験豊富な弁護士であれば、それぞれの金融機関に納得してもらえる資料の作成方法や説明方法を熟知しています。

民事再生手続き

民事再生手続きは、裁判所に民事再生を申し立てたうえで、裁判所の監督下で再建計画を立案し、債権者集会で再生計画の承認を得る方法です。再建計画には、債務の減額や支払い期間の延長などの事項が含まれます。

必ず承認されるわけではありませんが、承認されれば債務の返済の負担を大きく軽減できる可能性があります。また、債権者集会における承認は多数決制で、承認後は不賛成の債務者も再生計画の内容に拘束されます。

会社を再建させたいのであれば、自己破産を選択した方がよいのではと思う方もいるでしょう。民事再生手続きは、債務の一部減額や返済期間の延長によって会社の再建を目指す方法であるのに対し、自己破産は資産と負債を清算して会社を消滅させる方法です。

自己破産では、債務が全額免責になる代わりに会社が消滅するため、再建はできません。

まとめ

会社や事業の再建を検討している方は、まずは経営改善計画を策定してください。債務者との交渉で返済条件が緩和されることで、再建できる可能性が高まります。再建が難しい場合は、任意整理や民事再生手続きを検討しましょう。

「梅田パートナーズ法律事務所」では、会社や事業の再建を目指している方の力になるために、状況を踏まえてベストな選択をするお手伝いをしております。会社や事業の再建を目指している方は、お気軽にご相談ください。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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弁護士ご紹介

代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

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