破産手続開始の原因となる支払不能とは?認められるための3つの要件

2020.10.16

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破産手続きは、どのような状況の法人・会社でも実行できるわけではありません。破産手続きを開始するには、要件を満たす必要があります。その要件の1つが「支払不能」です。ここでは、破産手続きの原因となる支払不能とは何か、破産手続き開始が認められるための3つの要件について詳しくご紹介します。

破産手続開始の原因となる支払不能とは

「破産手続開始の原因となる支払不能」について知る前に、まずは破産手続き開始の要件について確認が必要です。

破産手続きは、裁判所の「破産手続開始決定」をもって開始します。

破産手続開始には、「形式的要件」と「実体的要件」の両方を満たす必要があります。このうち、「実体的要件」には、「破産手続開始の原因が債務者にある」ことが該当します。

そして、「破産手続開始の原因が債務者にある」と言うための条件は、債務者が「支払不能」あるいは「債務超過」であることです。

「支払不能」とは、客観的に見て「債権者に十分な支払能力がないために、債務のうち弁済期にある債務を一般的かつ継続的に弁済できない状態」です。

支払不能と認められる要件

法人・会社が破産手続開始原因となる「支払い不能」と認められるための要件について、詳しくみていきましょう。

支払能力がない

債務者が支払能力に欠けていることが必要です。支払能力とは、返済するための経済的力量のことです。つまり、支払能力に欠けている状態とは、債務を返済するだけの経済力がないことを示します。

支払能力の評価には、債務者の財産、信用、技能、労力など、さまざまな項目の考慮が必要です。例えば、十分な財産がなくても、債務者の信用力や労力が優れており、大きな困難なく弁済できると客観的に見える場合は、支払能力があると言えます。

反対に、十分な財産があっても、現金に換えられない財産だと弁済に充てられないため、支払能力を欠くと評価される可能性があります。

一般的かつ継続的に債務を弁済できない

「一般的かつ継続的に債務を弁済できない」のうち、「一般的に弁済できない」というのは、債務を全額弁済するための財力がない状態です。例えば、一部の債務のみ弁済できても、全部を弁済できる状態にない場合が該当します。

また、一部の債権の弁済ができなくても、それが視力不足とは関係がない場合には、「一般的に弁済できない状態」とは言えません。

そして、「継続的に弁済できない」というのは、収入が不安定で支払えない時期が多いようなケースが該当します。

例えば、一時的に収入が落ち込んでいるだけで、翌月からは弁済できるのであれば、「継続的に弁済できない」とは言えません。そのほか、突発的な事情で一時的に弁済ができなくなり、また翌月から通常通り弁済できるケースも「経済的に弁済できない」とは言えないでしょう。

客観的状態であること

「支払不能」の定義は、客観的に見て「債権者に十分な支払能力がないために、債務のうち弁済期にある債務を一般的かつ継続的に弁済できない状態」です。つまり、主観的に「支払不能」と思っていても、客観的に見て支払能力があると判断されると、支払不能とはみなされません。

しかし、「客観的に見て」というのには具体的なルールがないため、正しく評価することが難しいケースがあります。そこで、支払不能の証明を容易にするために、「支払停止があった時点で支払不能だと推定できる」とされています。

支払停止とは、債務者が経済力に欠くことで債務を支払えなくなったと考え、その旨を明示的または黙示的に外部に表示する行為です。例えば、「手形の不渡りが2回目のため、銀行取引処分を受けた」、「弁護士が各債権者に受任通知をしたことで支払いが停止された」といった状況が挙げられます。

まずは弁護士に相談して要件を満たしているか確認しましょう

破産手続き開始の要件を満たしているか、ご自身で確認することは難しいかもしれません。今後の計画を適切に立てるためにも、まずは弁護士に相談して、破産手続き開始の要件を満たしているか確認しましょう。

現在の状況を詳しく伝えることで、破産手続き開始の要件を満たしているか確認できます。破産手続きに詳しく、実績が豊富な弁護士に相談しましょう。

まとめ

破産手続き開始の原因となる支払い不能には、難しい定義があります。基本的に、支払停止をもって支払不能と判断されるため、そのような状況にあるかどうか確認してみましょう。破産手続きについては、梅田パートナーズ法律事務所までご相談ください。的確かつ速やかなアドバイスや手続きの代行など、きめ細かにサポートいたします。破産手続きの検討段階でもアドバイスが可能ですので、お気軽にお問い合わせください。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

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