「原油高」原因の倒産 | コスト高倒産が増加する見込み

2026.4.21

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2026年に入り、中東情勢の緊張を背景とした原油価格の高騰が、企業経営に深刻な影響を与えています。原油価格は一時的な下落を見せながらも再び1バレル100ドル台に回復し、不安定な状況が続いています。

こうした環境下で、多くの企業がコスト増加に直面し、収益の悪化から倒産リスクが高まっていることが明らかになっています。本記事では、原油高による企業倒産の実態と今後の見通しについて、調査データをもとに解説します。

この記事の監修者

弁護士法人 梅田パートナーズ法律事務所
代表弁護士 西村 雄大

資格・登録機関
所属団体

原油価格高騰の背景と企業への影響

2026年2月末、アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃をきっかけに中東情勢が急激に緊迫化しました。4月には一時停戦が成立したものの、その後の協議決裂により原油価格は再び上昇し、企業活動に大きな影響を与えています。

原油価格は100ドル超で推移

WTI原油先物価格は、2026年2月末の約67ドルから3月末には100ドルを突破しました。このような急騰により、企業の燃料コストは短期間で大幅に上昇しています。

企業コストは中央値で20%増加

企業アンケートによると、原油価格が100ドル以上で推移した場合、前年同月比でコストは中央値20%増加すると見込まれています。特に「20%以上25%未満」と回答した企業が18.2%で最多となりました。

原油高による収益悪化と倒産リスク

原油価格の上昇は、単なるコスト増にとどまらず、企業の収益構造そのものを崩す要因となります。

利益率は黒字から赤字へ転落

調査による試算では、コストが20%増加した場合、企業の経常利益率は8.2%から▲10.1%へと18.3ポイント低下します。これは多くの企業が黒字から赤字へ転落することを意味します。

中小企業ほど影響が大きい

コスト上昇率「20%以上」と回答した企業は、中小企業で58.4%、大企業で58.5%とほぼ同水準でした。しかし、価格転嫁力の弱さから、実質的なダメージは中小企業の方が大きいと考えられます。

業種別に見る原油高の影響

原油高の影響は業種ごとに異なり、特にエネルギー依存度の高い業界で深刻化しています。

建設業・運輸業で影響が顕著

コスト上昇率「20%以上」の割合は、建設業が70.7%で最も高く、運輸業(68.0%)、製造業(65.7%)と続きます。これらの業種は燃料や資材価格の影響を直接受けやすい特徴があります。

情報通信業は影響が比較的限定的

一方で、情報通信業や金融・保険業では「コスト上昇なし」と回答する企業も多く、原油価格の影響は限定的です。ただし、間接的なコスト増(電力費・物流費)には注意が必要です。

燃料費だけではないコスト増の広がり

原油高の影響は燃料費にとどまらず、企業活動全体に波及しています。

燃料費の割合は平均5〜6%

総コストに占める燃料費の割合は「5%以上6%未満」が最多でした。しかし、この数値以上に実際の負担は大きくなります。

物流費・原材料費も連鎖的に上昇

原油価格の上昇により、物流費や原材料費、さらには通勤費なども上昇します。つまり、企業コスト全体が連鎖的に膨らむ構造となっているのです。

企業の対応と限界

企業は原油高に対し、さまざまな対策を講じていますが、その効果には限界があります。

6割以上が価格転嫁を実施

「商品やサービスの値上げを行う」と回答した企業は61.8%にのぼり、多くの企業が価格転嫁で対応しています。

雇用削減や事業縮小も検討

その一方で、「人員体制の見直し」(12.7%)や「事業縮小」(9.7%)など、経営の根幹に関わる対策を検討する企業も増えています。これは倒産回避のための苦渋の選択ともいえます。

価格転嫁の遅れが倒産を加速

価格転嫁のスピードは業種によって大きく異なり、これが倒産リスクを左右します。

半数以上が1〜3カ月で価格反映

値上げの反映期間は「1〜3カ月」が51.3%と最も多く、比較的早期に価格転嫁できる企業も存在します。

1割以上は半年以上遅れる

一方で、「7カ月以上」と回答した企業も15.1%あり、コスト増を吸収し続ける期間が長いほど資金繰りは悪化します。特に情報通信業や農林水産業では、この傾向が顕著です。

今後の見通し|コスト高倒産は増加へ

中東情勢の不透明さが続く中、原油価格の高止まりは長期化する可能性があります。

収益環境はさらに厳しくなる

供給不安が一時的に緩和されたとしても、すでに上昇したコストや価格転嫁の遅れは企業に残り続けます。その結果、収益改善が進まず倒産件数の増加が見込まれます

構造改革を迫られる企業が増加

単なるコスト削減では対応しきれず、事業構造の見直しや撤退判断を迫られる企業も増えるでしょう。これは特に中小企業にとって大きな課題です。

まとめ

原油価格の高騰は、企業にとって単なるコスト増ではなく、経営の存続を左右する重大なリスクとなっています。コストの中央値は20%増とされ、多くの企業が黒字から赤字へ転落する可能性が示されています。

さらに、価格転嫁の遅れや間接コストの上昇により、収益環境は一層厳しさを増しています。このような状況が続けば、今後は「コスト高倒産」が増加することは避けられないでしょう。

経営が厳しくなった場合、早めの専門家への相談が重要です。倒産や事業再生に関する手続きについては、梅田パートナーズ法律事務所へご相談ください。

出典:東京商工リサーチ「原油高騰長期化で6割の企業が価格転嫁へ 100ドル超が続くと、経常利益は赤字の試算も」

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弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
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このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

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京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
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2013
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2014
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  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

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・2025年 日本テレビ様のnews zeroにて脱毛サロン“ミュゼ”「解散を決定」」についてリモート出演しました。

・2025年 日本テレビ様のnews zeroにて脱毛サロン“ミュゼ”休業「給料未払い」」についてリモート出演しました。

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