短期継続融資とは?メリットやデメリットについて解説
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短期継続融資を利用することで、実質的に返済期限を延長できます。しかし、一切のリスクなく延長できるわけではなく、さまざまな注意点・デメリットがあります。また、金融機関側から提案されることは少なく、こちらから提案しなければならないことが通常です。
本記事では、短期継続融資の内容やメリット・デメリット、利用方法などについて詳しく解説します。
(出典:金融庁 | 『短期継続融資』を通じた運転資金融資の円滑化)
- 契約期間が1年以内一括返済が条件の融資で返済期限を延長する方法
- 季節性のある事業においても短期継続融資は有用
- 短期継続融資のデメリットは期日の延長を拒否した場合に資金繰りが急速に悪化
- 経営に行き詰まった場合は任意整理や民事再生、会社更生手続きなども検討
短期継続融資とは
短期継続融資は、契約期間が1年以内で、期日に一括返済が条件とされる融資において、手形貸付などの書換手続きを通じて融資を継続することで返済期限を延長する方法です。
正常な運転資金不足を補うことを目的としており、企業間商取引において支払いと入金の期間にずれが生じた場合に利用できる可能性があります。
買掛金の支払い期限が30日、売掛金の入金期限が60日の場合、売掛金が入る前に買掛金を払うことになり、企業によっては資金が不足します。このような場合に短期継続融資を行うことで、売掛金の入金があるまでの期間を確保できます。
短期継続融資のメリット
運転資金の融資において、証書貸付を活用する場合、元金の返済が毎月必要となり、実際に事業に回せる資金は限られます。これが繰り返されると、借入本数が増え、毎月の資金繰りが圧迫されます。例えば、クリニックでは保険診療の報酬が入金されるまでに1ヶ月半以上かかる場合もあります。
短期継続融資は、この問題を解決します。正常な運転資金に対する融資であり、仕入代金を借り入れて売上金の回収や入金によって返済することができます。事業が継続される限り、返済期日に借り入れを継続することで、実質的に借入金を返済する必要がありません。
また、季節性のある事業においても短期継続融資は有用です。例えば、農業や観光業などでは特定の時期に需要が急増するため、その時期に大量の仕入れや経費がかさむことがあります。このような場合、売掛金の回収が遅れることで運転資金が不足する可能性が高まります。短期継続融資は、需要のピーク時に臨時の資金を提供し、事業を円滑に運営するのに役立ちます。
短期継続融資のデメリット
短期継続融資のデメリットは、貸し手が期日の延長を拒否した場合に資金繰りが急速に悪化するリスクがあることです。通常、短期継続融資では返済に売上の回収金が使われるため、売上が十分に確保されている場合には融資を受けることができます。
しかし、貸し手が延長を拒否した場合、企業は急遽返済の手段を確保しなければなりません。このような状況下では、資金繰りが悪化し、事業の運営に支障をきたす可能性があります。
例えば、ある小売業者が繁忙期に短期継続融資を利用して資金を調達し、売上を伸ばしていたとします。しかし、予期せぬ事態により売上が低迷し、貸し手からの延長要求が拒否された場合、企業は急遽他の資金調達手段を見つけなければなりません。これにより、資金繰りの悪化が生じ、企業の経営に影響を及ぼす可能性があります。
短期継続融資の利用方法
短期継続融資はあまり普及しておらず、債権者から提案を受けることは通常はありません。短期継続融資を活用するためには、経営改善計画の策定を検討しましょう。金融機関との交渉を行う際に経営改善計画を提出すると、債権者としても安心感を得られます。
具体的には、認定支援機関による経営改善計画策定支援事業のスキームを活用するとよいでしょう。資金実績や計画表、ビジネスモデル俯瞰図など、さまざまな情報に基づいて的確な計画を策定することで、金融機関からの承認を得やすくなります。
経営に行き詰まっている場合は他の方法も検討する
経営に行き詰まっている場合、他の方法も検討することが重要です。例えば、事業再生や経営改善のための具体的な戦略を考えることが挙げられます。
財務状況の改善や業績の向上を図るために、効果的なコスト削減策を検討しましょう。無駄な経費の削減や効率化の取り組みなどが含まれます。また、新たな市場や顧客層の開拓、商品やサービスの改良、競合他社との提携なども検討すべきです。
それでも経営に行き詰まっている状況が改善されない場合は、任意整理や民事再生、会社更生手続きなども検討しましょう。弁護士は、債務整理全般の手続きをサポートするとともに、その必要性についてアドバイスできます。
まとめ
短期継続融資を利用することで、返済期日を延長できます。ただし、債権者に拒否された場合は予定の期日どおりに返済が必要になるため、承認を受けるまでは安心できません。このような方法を取らざるを得ない状況の場合は、経営を根本から見直すことも大切です。また、債務整理で債務の負担を少しでも減らすことも検討しましょう。
梅田パートナーズ法律事務所は、短継続融資に関するアドバイス、債務整理などのサポートを行っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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この記事を監修した弁護士
弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所
大阪弁護士会【登録番号 49195】
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弁護士ご紹介
西村 雄大
弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。
弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。
経 歴
- 2010
- 京都大学 卒業
- 2012
- 神戸大学法科大学院 卒業
- 2012
- 司法研修所
- 2013
- 弁護士 登録
- 2014
- 中小企業診断士 登録
- 2014
- 梅田法律事務所 設立
- 2015
- 経営革新等支援機関 認定
- 2017
- 梅田パートナーズ法律事務所 改称
テレビ出演
・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。
・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。
著書および論文名
- ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
- ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
- ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載
事務所概要
- 住所
- 〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満4-6-4 R-Ⅱビル2階
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