脱毛エステサロンの破産申請の方法は?特殊性や費用について解説

2024.1.8

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脱毛エステサロンが経営難に陥り破産が必要になった場合、一般的な事業とは異なる特殊性があることを理解しなければなりません。適切に対応しなければ債権者から訴訟をオコされるリスクがあります。

本記事では、脱毛エステサロンの破産申請の方法やその特殊性、費用などについて詳しく解説します。

脱毛エステサロンの破産手続きにおける特殊性

脱毛エステサロンは、その施術の特性上、継続契約を結ぶことになります。この継続的にサービスを利用する顧客については、特殊な取り扱いが必要です。通常、脱毛エステサロンでは顧客がサービスを受けるための権利を前払いで購入するため、エステ会社の破産に伴い未消化の権利に対する適切な対応が求められます。

破産手続きでは、法的に優先的に取り扱われる債権が存在しますが、エステサロンの顧客がサービスを受ける権利は法的に優先されません。優先的に扱われる税金や従業員の賃金などを弁済した後、残った資産から顧客へ弁済します。

つまり、税金や賃金などを弁済できない状況にある場合は、顧客に一切の返金が不要となります。

脱毛エステサロンで債権者に返金できるケース

脱毛エステサロンが破産手続きに入る場合、未使用の施術チケットを購入した債権者に対する返金の可能性はほぼありません。ただし、事業がスポンサーによって引き継がれる場合、そのスポンサーが引き続き施術を行う可能性があります。そうなれば、施術チケットを消化してもらうことも可能です。

ただし、キャンセルを申し出られた場合は、契約に従う形で対応しなければなりません。

例えば、スポンサーが新たにエステサロンを運営する場合、その事業スタイルや提供サービスが変わる可能性があり、旧事業の未使用チケットを引き続き受け入れるかどうかはスポンサー次第です。また、顧客が脱毛エステサロンの雰囲気や施術の質が変わったことが気になってしまい、キャンセルを申し出られた際には対応しなければなりません。

破産の可能性が高い時点で施術チケットの販売は停止すべき

エステサロンが破産の可能性が高まった時点で施術チケットの販売を停止することは、円滑な破産手続きを進め、顧客とのトラブルを最小限に抑えるために重要な対応です。

例えば、破産申立ての方針が確定した後にチケットを購入した債権者は、お金を支払ったにも関わらずサービスを受けることが難しくなり、被害者感情が強まります。これが破産手続きを妨げるトラブルの原因となります。そのため、破産の可能性が高まった段階で、できるだけ早くチケットの販売を停止し、新たな債権者を増やさないようにすることが求められます。

ただし、現場のエステティシャンがチケット販売を行っている場合、指示を出すことで混乱が生じる可能性があります。

脱毛エステサロンの破産事例

大手の脱毛エステサロンが相次いで破産しており、大きな話題を呼んでいます。破産事例を2つ紹介します。

銀座カラー

1993年に設立されたエム・シーネットワークスジャパンは、銀座カラーを展開し、全国に数十店舗を展開していました。「通い放題プラン」などの施術プランや著名タレントを起用した広告戦略により、特に若い女性客から支持を受け、20年4月期の売上高は125億円と急成長していました。

しかし、新型コロナウイルスの感染拡大により利用者が減少し業績が悪化しました。この影響で次々と店舗を閉鎖し、23年4月期には売上高が45億円にまで急減しています。

事業が厳しさを増す中、破産手続きの開始を東京地裁に申し立てました。

破産申し立て時点の現預金は1億円程度のため、10万人とされる債権者への弁済が極めて厳しい状況とされています。

シースリー

2023年9月25日、女性専用脱毛サロン「シースリー」で知られる「ビューティースリー」が破産申請したことがわかりました。債権者は約4万6000人に上りました。

多額の広告宣伝費と急速な店舗数の拡大、新型コロナウイルスの感染拡大などが複合的に影響し、資金繰りが悪化したことが背景にあります。負債は約80億円に上ります。

業界内で顧客満足度が高く知られていたビューティースリーの破産は、他のサロンや関連事業にも影響を及ぼしました。

まとめ

脱毛エステサロンの破産においては、債権者が多いことからトラブルが複雑化する傾向があります。多くの場合は弁済が難しいため、被害者感情が強まることで非難されることは避けられないでしょう。このような特殊性のある脱毛エステサロンの破産申請については、破産を検討した段階で早めに弁護士に相談することが大切です。

梅田パートナーズ法律事務所では、幅広い業種の破産申請手続きをサポートしてきているため、脱毛エステサロンの破産についても対応可能です。まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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弁護士ご紹介

代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

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