倒産した会社の株はどうなる?対応方法や倒産リスクの見極め方

2024.9.1

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株を持っている会社が倒産した場合、株は紙くずになると聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。実際に、株の価値はゼロになってしまうのか、どのように対応すればいいのかなど、事前に知っておくことが大切です。この記事では、倒産した会社の株の価値や対応方法、倒産リスクの見極め方などについて詳しく解説します。

倒産した会社の株の価値はゼロになる

結論から言えば、倒産した会社の株の価値はゼロになります。会社が経営危機に陥った場合は、会社更生や民事再生法などで再起を目指すか、清算という方法で廃業します。清算となった場合は、残っている負債をなるべく多く返済し、最終的に残った財産を持ち株数に応じて分配する流れです。

現金で分配することが基本ですが、現物での分配も法的には問題ありません。手続きに時間がかかるうえに、具体的に分配される金額はすぐにはわからないため、株を持っている会社が倒産したときは大きな不安に駆られることでしょう。

再起を目指す場合でも株の価値はほぼゼロになることが多い

会社更生法や民事再生法によって再起を目指す場合でも、株価が急落してほぼ価値がない状態となることが一般的です。株は整理ポストと呼ばれるところに移動し、その後1ヶ月は取引可能ですが株価は一気に急落します。

そのため、株価が大きく下がる前に売却してしまうことは難しいでしょう。

株は倒産しない可能性が高い会社のものを購入する

株は業績や社会からの評判など、さまざまな影響を受けて株価が変動します。倒産しない限り、価値がほぼゼロになることは通常ありません。また、一度株価が下がっても再び上がるケースもあるうえに、幸先が不安な場合は早期に売却してしまうこともできます。

そのため、株で大きく失敗しないためには、少なくとも倒産する可能性が著しく低い企業を選ぶことが大切です。

まずは会社四季報で業績を細かく調べる

株を購入する際や運用中は、会社四季報で業績を詳しく調べましょう。会社四季報には、業績や株価、資本金額、総資産、自己資本比率、配当、概況など、さまざまな情報が掲載されています。これらの情報を組み合わせることで企業の将来性や現状が見えてくるでしょう。

企業が経営危機となる前兆

企業が経営危機となる前兆を捉えることで、株価が急落する前に売却できます。例えば、大きな効果が期待できないような経費削減を積極的に実施していたり、経理のような会社の状況を把握している人材の退職が相次いでいたりする場合は、倒産する可能性が高いでしょう。

そのほか、給料の未払い、希望退職者の募集、大口取引をしている会社の倒産なども倒産の前兆です。

本当に倒産の前兆なのか総合的に判断する

倒産の前兆のように思えて、実際には経営改善につながる施策を行っているケースがあります。

例えば、希望退職者を募集しているからといって、必ずしも倒産リスクが高いとは限りません。先手を打って人件費を削減し、安定経営を目指している可能性もあります。そのような企業は経営の安定性が高く、一定以上の利益を獲得し続けられることで、株価も高くなりやすいと考えられます。

このように、倒産の前兆と思わしきことが起きても、冷静に判断することが大切です。

会社の倒産によって保有株の価値が大幅に減ったときの対応方法

会社の倒産に伴って株の価値が失われた場合、資産にどの程度の影響があるのか確認が必要です。貯蓄よりも株式投資に多くの資金を投入している場合、保有している株の数によっては大きな打撃を受けるでしょう。

もし、生活が困窮するほどに資産が減少し、そのうえで借金がある場合には債務整理を検討することをおすすめします。借金を減らすことで生活を立て直せる可能性があります。例えば任意整理は、業者単位で借金の将来利息や遅延損害金をカットして、原則3~5年で完済を目指す手続きです。

月々の返済負担が軽くなるため、生活を立て直しやすくなります。任意整理でも対応しきれない場合は、全ての借金をまとめて大幅に減額して原則3~5年で完済を目指す個人再生を検討しましょう。

そして、これらの方法でも立て直しが困難な場合は、全ての借金を免除する自己破産を検討することになります。債務整理すべき状況かどうかや、どの手続きを選ぶべきかなどは信頼できる弁護士に相談することが大切です。

まとめ

倒産した会社の株の価値は失われます。民事再生法や会社更生法で再起を図る場合でも株価はほぼゼロになるため、経営危機に陥っていることを早期に把握し、株式の売却を検討することが大切です。もし、株式で大損したことで資産が失われたうえに多額の借金も背負っているのであれば、債務整理も検討することをおすすめします。

梅田パートナーズ法律事務所では、債務整理を行うべき状況かどうかや、債務整理の中でもどの手続きを行えばいいかなどをアドバイスし、手続き完了まできめ細かにサポートいたします。まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

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