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会社を潰すメリットとデメリットは？借金から解放されるのは本当？
2022.1.7
会社を潰すと言えば、ネガティブなイメージを抱く方が多いのではないでしょうか。確かに、会社を潰さなくて済むのであれば、その方がよいかもしれません。しかし、会社を早々に潰した次の人生に向けて動き出すことには、いくつかのメリットもあります。そこで今回は、会社を潰すメリットとデメリットや、会社を潰した後に起きることについて詳しくご紹介します。
「会社を潰す」は「破産する」こと
会社を潰すというのは、破産によって法人格を失うことです。同時に、会社の負債を会社の資産で精算します。会社を潰すことを検討している場合、会社の負債が資産を上回っているケースがほとんどです。この状況を債務超過といい、無理に会社を存続させてもいずれ返済ができなくなり、結果的に会社を潰すことになる恐れがあります。
会社を潰すメリット
会社を潰すことにはネガティブなイメージが定着していますが、次のようなメリットもあります。
借金の返済に追われなくなる
破産した場合、会社の資産で会社の負債を返済しますが、完済できるとは限りません。完済できなかった負債は返済が免除されます。これを「負債の免責」といいます。厳密に言えば、会社の場合は負債は免責されないのですが、破産すると法人格が失われるため、負債を返済する存在がなくなってしまいます。そのため、結果的には負債が免責されることになるのです。
ただし、合名・合資会社の場合は無限責任社員という制度があり、会社が返済しきれなかった負債を社員が返済することになる可能性があります。
会社の負債が免除されると、借金の返済に追われなくなります。毎日のように返済の催促の電話がかかってきたり、督促状が届いたりといった状況では、多大なストレスを受けるでしょう。このような状況が長く続くと精神的に追い詰められてしまう恐れもあります。
会社を潰すことで負債が免責されると、このような借金返済のプレッシャーから解放されます。
経営のプレッシャーから解放される
会社の経営には、ビジネスの知識やノウハウなどが欠かせません。また、時代の流れを読み、生き残るための戦略を随時考案できることが重要です。このような日々を過ごすことに大きなストレスを感じ、経営をやめたくなる人は少なくありません。
会社を潰すと、経営のプレッシャーから解放されます。ただし、会社に多額の資産があり、経営者がそれを受け取れるケースを除き、収入源を確保するために新たに会社を立ち上げたり会社に勤めたりすることになるため、先のことまで見据えて会社を潰すかどうかを決めなければなりません。
会社を潰すデメリット
会社を潰すことには、次のようなデメリットがあります。
会社名義の資産を失う
会社が破産すると、会社名義の資産が失われます。これは、会社のビルや社用車、設備機器といった有形資産だけではなく、ブランドや信頼といった無形資産も同様です。破産せずに会社を畳むのであれば、最終的に残った資産は株主のものになります。
個人の信用が失われる場合がある
会社の経営に失敗したことで会社を潰す場合、経営者の信用が失われる可能性があります。特に、先代から引き継いだ会社を潰すことになれば、「会社を潰した人」などと言われる場合もあるでしょう。経営者個人の能力が高くても、先を見据える能力や従業員に信頼されるための人間力などがなければ、経営が立ちゆかなくなる可能性があります。
そのため、会社を潰すと能力が低いなどと思われ、個人の信用が失われる場合があるのです。
会社を潰した後に起きること
会社を潰した後は、次のようなことが起こります。
個人保証をしている場合は返済に追われる可能性がある
通常、会社が破産しても、経営者個人の資産が失われるようなことはありません。しかし、個人保証をしている場合は、会社の資産で返済しきれなかった負債を経営者個人が返済していくことになります。大抵は、個人では返済できない額の負債を抱えるため、会社の破産と同時に経営者個人の自己破産も行います。
破産手続きが終わるまでは特定の職業に就けない
会社の破産手続きの開始から終了までは、弁護士や公認会計士などの士業や、宅地建物取引士の登録、保険外交員の登録などができなくなります。また、宿泊を伴う出張や旅行も裁判所の許可を得る必要があります。
まとめ
会社を潰すと、会社の借金の返済や経営のプレッシャーから解放されます。その一方で、経営者の信用が失われたり、破産手続き中は特定の職業に就けなくなったりといったデメリットもあります。メリットとデメリットを比較したうえで、会社を潰すかどうかを決めましょう。会社の破産を検討している方は、梅田パートナーズ法律事務所までご相談ください。
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