債務超過の確認方法&解消方法は?赤字との違いも解説!
売上を増やすことに注力し、会社の状況を適切に把握できていなかった結果、気づいたときには債務超過に陥っているというケースは珍しくありません。債務超過の状態が続くと倒産するため、会社の状況を随時把握しておくことが大切です。ここでは、債務超過の確認方法と解消方法をご紹介します。
そもそも債務超過とは
債務超過とは、会社の債務が資産よりも大きい状況のことです。会社の資産を全て使っても債務を完済できません。債務には、借入残高のように支払期限が訪れていないものも含まれます。債務が多くても、会社の利益が順調に増えているのであれば、いずれ完済できるだけの資産が手に入るでしょう。
しかし、利益が増えておらず、債務超過の状況が好転していない場合には、早急に対処しなければなりません。
債務超過と言えば赤字をイメージされる方が多いかも知れませんが、両者には明確な違いがあります。赤字と債務超過の違いや関係性について、詳しく見ていきましょう。
債務超過と赤字の違い
赤字とは、会社の収益から経費や税金を差し引くとマイナスになる状態のことです。収益よりも経費が多くなり、結果的に利益が出ていない状態を指します。一方、債務超過は会社の資産よりも負債の方が多い状態です。利益が出ているかどうかは関係がないので、利益が大きいから安心なわけではありません。
知っておきたい赤字と債務超過の関係性
赤字が累積すると、いずれ債務超過になります。そのため、赤字が続いている場合は、早急に対処する必要があります。
債務超過かどうかの判断基準
会社が債務超過にあるかどうかは、どのように調べればよいのでしょうか。債務超過の判断基準とあわせて詳しくご紹介します。
債務超過ではない状態
債務超過ではない状態とは、賃借対照表の資産合計から負債合計を差し引いたとき、プラスになっている状態です。プラスが非常に少ない場合、今期にも債務超過に陥る可能性があります。そのため、どの程度のプラスなのかも確認しましょう。
債務超過の状態
債務超過の状態とは、賃借対照表の資産合計から負債合計を差し引いたとき、マイナスになっている状態です。このように、債務超過の判断は非常に簡単ですので、こまめにチェックしておきましょう。
債務超過の解消方法
次のような方法を実践することで債務超過を解消できる可能性があります。
経営改善で利益を積み重ねる
債務超過を解消するには、債務を減らすか利益を増やす必要があります。ただし、利益を増やしても、すぐに債務超過の状況を解消できるわけではありません。利益を着実に増やすと共に、債務を増やさない経営を続けることで、いずれ債務超過を解消できるでしょう。
増資
増資とは、新株発行で投資家から資金を集める行為です。既存の株主に新株を割り当てる権利を与える「株主割当増資」、第三者に対して引き受けを勧誘する「第三者割当増資」、不特定多数の人を勧誘する「公募増資」などがあります。資産が増えて債務を上回れば、債務超過の状態は解消したと言えます。
債務免除
債務免除とは、民事再生手続きや特定調停手続きなどによって債務を免除することです。債務が免除になれば、当然ながら債務超過の状態が解消されます。ただし、債務免除には条件がある上に、手続きの種類によっては一部の債務が残ります。そのため、すぐに債務超過を解消できるとは限りません。
債務の株式への転換
債務の株式への転換とは、債務を株式に変更することで債務を減少させる方法です。債権者の同意がなければ行えません。
債務超過が続くとどうなる?
債務超過が続くと、当然ながら倒産に至ります。債務超過が悪化すればするほどに立て直しが難しくなるので、できる限り早く対処することが大切です。民事再生手続きであれば、債務を大きく減らすことができます。
ただ、立て直しは不可能と判断された場合は、破産手続きなどが必要になります。
早めに弁護士に相談しましょう
債務超過を解消できるかどうかは、企業の状況で異なります。また、民事再生や破産を検討する際は早めに弁護士に装弾することが大切です。現在の状況を踏まえ、どの手続きを行うべきかアドバイスをしてもらえます。実績豊富な弁護士であれば、より的確な判断ができるでしょう。
まとめ
債務超過の状態は、一刻も早く解消しなければなりません。利益を増やす方法を選ぶ場合、債務超過をすぐに解消できないので、可能な限り早く行動を始めましょう。また、民事再生手続きで立て直しを図る際には、弁護士に早めに相談してください。梅田パートナーズ法律事務所では、経営者様へのダメージをできるだけ抑える方法をご提案しております。債務超過があるがどうすればいいのかわからない方もお気軽にご相談ください。
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