宗教法人の破産・民事再生の方法とは?ポイントを解説

2025.4.30

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神社や寺院、教会などの宗教法人が経営的に行き詰まることは珍しいと思われがちですが、近年では収益事業への進出により多額の負債を抱え、倒産手続を余儀なくされるケースも増えています。
この記事では、宗教法人の破産や民事再生の可否、注意点、手続を進める上での具体的なポイントについてわかりやすく解説します。

この記事の監修者

弁護士法人 梅田パートナーズ法律事務所
代表弁護士 西村 雄大

資格・登録機関
所属団体

宗教法人とは

宗教法人とは、信仰の普及や信者の育成など宗教活動を目的とした法人で、宗教法人法に基づき設立されます。

法人格を取得することで、礼拝施設や墓地、納骨堂などの不動産を所有・管理し、活動の安定化と継続性を確保できます。宗教活動以外にも、墓地の運営など一定の収益事業が認められている点が特徴です。

宗教法人でも破産・民事再生は可能?

宗教法人にも民間企業と同様に、財務状況が悪化すれば法的倒産手続を行うことができます。以下で破産と民事再生のそれぞれについて見ていきましょう。

破産手続きは可能であり、義務化されるケースも

宗教法人法第48条では、債務超過に陥った場合、代表役員は破産申立てをしなければならないと明記されています。これは単なる権利ではなく、義務として規定されています。

また、破産が認められると宗教法人は法律上、自動的に解散となります(宗教法人法第43条2項3号)。したがって、破産手続は法人の終焉を意味します。

民事再生手続も可能

宗教法人が民事再生手続を行うことを妨げる法律上の制限はありません。実際に、解散を避けつつ経営を立て直す手段として、民事再生は重要な選択肢となります。信者や檀家の支援を受けながら再建を目指すケースも存在します。

民事再生の方が現実的なケースも多い

宗教法人は、一度解散すると再設立が非常に困難であるため、存続を望むのであれば、破産ではなく民事再生を優先すべきです。法人格の継続性と宗教活動の継承を考慮するなら、民事再生手続が現実的です。

宗教法人が倒産手続を進める際の注意点

宗教法人が法的倒産手続を行う際には、企業の倒産とは異なる点が多数あります。以下に、特に注意すべきポイントを小見出しに分けて具体的に解説します。

代表役員単独では手続できない

宗教法人は、企業とは異なり「責任役員会」という合議制の意思決定機関を持っています。そのため、破産や民事再生といった重大な法的手続きを行う際には、代表役員だけの判断で進めることはできません。

法人規則に従って、責任役員会の決議を経る必要があり、場合によっては包括宗教団体の承認も求められます。これを怠ると、手続きが無効になる可能性があるばかりか、法人内部や信徒とのトラブルに発展するリスクもあります。

したがって、倒産手続きを検討する際は、まずは内部の意思決定フローや定款の確認から始めましょう。

墓地・納骨堂の管理継承に注意

宗教法人の多くは、墓地や納骨堂などの永続的な管理を伴う施設を保有しています。破産手続によって宗教法人が解散する場合、こうした施設の管理者が不在となり、利用者の墓地使用権が宙に浮く危険性があります。

このような事態を回避するには、破産申立前の段階から次の運営主体を検討しておくことが重要です。例えば、別の宗教法人への承継や、公益法人への譲渡などが選択肢となります。 また、破産管財人や裁判所との調整を経て、利用者の権利が引き継がれるよう手続きを進める必要があるため、法律の専門家と連携した慎重な対応が求められます。

信徒・檀家への説明と合意形成が重要

宗教法人は、その性質上、信徒や檀家と深いつながりを持っています。倒産手続きにおいても、信頼関係の維持が大きな課題です。

民事再生を選択する場合は、再建に向けて信徒の理解と支援を得ることが不可欠であり、単に法的手続きを踏めばよいという話ではありません。

定期的な説明会の開催、情報の透明化、誠実な姿勢を貫くことで、信徒や檀家の協力を得やすくなり、スムーズな再生計画の実行につながります。特に寄付や維持費の支払い継続が再建の生命線となるケースもあるため、早期の合意形成に努めましょう。

資産の整理と債権者への配慮

宗教法人が所有する資産は、不動産や預貯金に加えて、寄進された仏具や美術品、宗教施設など多岐にわたります。これらの資産は、宗教活動に用いられてきた経緯があり、単なる「金銭的価値」だけで判断されるものではありません。

そのため、破産・再生にあたっては、寄進者の意図や宗教的価値を尊重しながらも、公平性のある資産処分が求められます。債権者の間でトラブルになりやすいため、どの資産を処分し、どの資産を保全するのかは、慎重に専門家と相談しながら進めていく必要があります。

まとめ

宗教法人でも、破産や民事再生の法的手続をとることは可能であり、財政が悪化した場合には早めの対応が重要です。特に破産の場合は法人の解散を伴うため、慎重な判断が必要です。

再建の可能性がある場合は、民事再生を優先的に検討し、関係者との合意形成や墓地管理の引き継ぎについても、丁寧に進めることが求められます。
宗教法人特有の事情に配慮した法的対応が不可欠なため、倒産手続を検討する際には、早めに宗教法人の法務に詳しい弁護士に相談することをおすすめします。

梅田パートナーズ法律事務所では、宗教法人に関する法律問題に精通した弁護士が、法人の事情や地域性をふまえた最適な対応をご提案いたします。

「倒産の手続きにどこまで関係者の同意が必要か?」「墓地や納骨堂の管理をどう引き継げばよいのか?」といったご相談にも丁寧に対応しております。

ご不安を感じたら、早めのご相談が円滑な対応への第一歩です。まずはお気軽に、梅田パートナーズ法律事務所の無料相談をご利用ください。

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弁護士ご紹介

代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

テレビ出演

・2025年 日本テレビ様のnews zeroにて脱毛サロン“ミュゼ”「解散を決定」」についてリモート出演しました。

・2025年 日本テレビ様のnews zeroにて脱毛サロン“ミュゼ”休業「給料未払い」」についてリモート出演しました。

提供元:日テレNEWS NNN

・2025年 関西テレビ様の「newsランナー」にて、ミュゼプラチナム従業員が破産申し立て」についてコメント出演しました。

・2024年 関西テレビ様の「ドっとコネクト」にて、「アリシアクリニックの破産」についてリモート出演しました。

・2024年 日本テレビ様の「news zero」にて、「アリシアクリニックの破産 利用者への返金」についてコメント出演しました。

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

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