アパレル会社の会社破産は注意が必要?手続の流れやポイントを解説

2025.1.28

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アパレル業界は、流行の変化が激しく、在庫管理や売掛金の回収が重要な業種です。しかし、経済状況の変化や売上不振により、会社の存続が困難になり破産を検討するケースも少なくありません。

アパレル会社の破産は、他の業種と比べて特有の注意点があります。本記事では、アパレル会社の破産手続の流れと注意すべきポイントを詳しく解説します。

アパレル会社の破産手続の注意点

アパレル会社の破産では、在庫管理・売掛金回収・取引契約の整理が特に重要です。これらを適切に処理しないと、破産手続の進行に支障が出る可能性があります。

在庫商品の整理と管理

アパレル会社の破産では、在庫商品の管理が非常に重要です。在庫の種類や保管場所が多岐にわたるため、破産時の資産管理が難しくなります。

注意すべきポイントは下記のとおりです。

  • 在庫の所有権を確認する(所有権留保や委託販売など、会社が所有していない在庫がある可能性がある)
  • 在庫の劣化を防ぐ(季節商品は時間が経つと価値が下がるため、迅速な対応が必要)。
  • 債権者による持ち出しリスク(破産が公になると、取引先や債権者が在庫を持ち出そうとする可能性がある)

在庫商品の処分方法

破産手続前に在庫を処分する場合、裁判所に廉価処分と見なされると問題となるため、慎重に進める必要があります。

適切な処分方法は下記のとおりです。

  • 買取業者に査定を依頼し、適正価格で売却する
  • 在庫一掃セールを実施する(ただし、取引契約やブランドの販売制限に注意)
  • 同業者や他企業に一括販売する

特に、ブランド品やキャラクター商品はライセンス契約の関係で販売制限がある場合があるため、契約内容を確認した上で処分することが重要です。

売掛金の回収

アパレル業界では、百貨店や小売店に商品を販売し、後日支払いを受ける「売掛金」が多く発生します。会社が経営難になると、取引先が支払いを渋るケースがあるため、売掛金回収の対策を事前に講じる必要があります。

売掛金回収のポイントは下記のとおりです。

  • 取引基本契約を確認し、回収可能な売掛金を特定する
  • 取引先に対して速やかに請求を行う
  • 交渉が難航する場合は返品を受け入れて在庫として換価を進める

取引先によっては、「事業が停止したため、売掛金の支払い義務がない」と主張してくるケースもあります。そのような場合は、契約書の内容を確認し、法的に回収可能な範囲を明確にすることが重要です。

アパレル会社の破産手続の流れ

アパレル会社が破産手続を進める際の基本的な流れを解説します。

弁護士への相談・依頼

破産を決断したら、まず弁護士に相談し、破産手続のスケジュールを決めることが重要です。

この段階で決めることは下記のとおりです。

  • 破産申立のタイミング
  • 従業員の解雇通知の時期
  • 在庫整理・売掛金回収の方針

破産手続開始申立ての準備

弁護士と契約後、破産申立の準備が進められます。

主な準備作業は下記のとおりです。

  • 債権者リストの作成
  • 財産の保全(会社の銀行口座・在庫の管理)
  • 売掛金の回収・在庫換価の計画
  • 従業員への対応・解雇手続

破産手続開始の申立・破産管財人の選任

破産申立が受理されると、裁判所は破産管財人を選任し、破産手続が正式に開始されます。破産管財人は、会社の財産を調査し、債権者への分配を進める役割を担います。

破産管財人による管財業務の遂行

破産管財人は、会社の財産や負債の状況を調査し、適切に処分を進めます。

この段階で行う主な業務は下記のとおりです。

  • 在庫商品の処分(適正な価格で売却)
  • 売掛金の回収
  • 資産の換価と債権者への分配計画の作成

債権者集会・破産手続の終結

破産手続の開始から約3ヶ月後に、債権者集会を開催します。破産管財人が債権者に対して手続の進行状況を報告し、資産の分配方法が決定されます。その後、破産手続が完了すると、会社は正式に解散し、法人としての活動は終了します。

まとめ

アパレル会社の破産手続は、在庫管理・売掛金回収・取引契約の整理など、特有の注意点が多くあります。特に、在庫商品の処分や売掛金の回収を適切に行わないと、破産手続に悪影響を及ぼす可能性があるため、慎重に進める必要があります。

破産を検討しているアパレル会社の経営者の方は、本記事の内容を参考にしながら、適切な対応を進めていきましょう。梅田パートナーズ法律事務所では、破産手続きについて全面的にサポートしておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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弁護士ご紹介

代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 関西テレビ様の「ドっとコネクト」にて、「アリシアクリニックの破産」についてリモート出演しました。

・2024年 日本テレビ様の「news zero」にて、「アリシアクリニックの破産 利用者への返金」についてコメント出演しました。

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

事務所概要

事務所

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住所
〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満4-6-4 R-Ⅱビル2階
最寄駅
・京阪電鉄「北浜駅」「なにわ橋駅」より徒歩5分
・大阪メトロ「淀屋橋駅」より徒歩10分
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0120-074-013
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