地方税の分割払いはできる?手続き方法や注意点を解説

2025.1.18

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地方税の納税は、自治体に対する義務ですが、経済的な事情で一括払いが難しい場合もあります。その際、分割払いができるのか、どのような手続きが必要なのか気になる方も多いでしょう。

地方税には住民税や固定資産税、自動車税などさまざまな種類があり、自治体によって分割払いの可否や条件が異なります。本記事では、地方税の分割払いが可能なケースや手続きの流れ、分割払いを利用する際の注意点について詳しく解説します。

地方税の分割払いは可能?

地方税には、住民税、事業税、固定資産税、自動車税などがあります。これらの税金の分割払いができるかどうかは、自治体ごとの対応によりますが、原則として以下のように扱われます。

住民税の分割払い

住民税には「普通徴収」と「特別徴収」があります。

普通徴収(自営業者・無職など)
→ もともと年4回(6月、8月、10月、1月)の分割払いが可能です。支払いが難しい場合は役所に相談すれば、追加の分割払いが認められる場合もあります。

特別徴収(会社員など)
→ 給与から天引きされるため、基本的に分割払いは不可です。

事業税・固定資産税の分割払い

事業税や固定資産税も基本的には納期限までの一括払いが原則です。ただし、自治体に相談すれば、経済的な事情を考慮して分割払いが認められるケースがあります。

自動車税の分割払い

自動車税の分割払いは、原則として認められていません。しかし、以下のような正当な理由があれば、県税事務所に相談することで分割払いの申請が可能です。

  • 失業や収入減少
  • 病気やケガによる療養中
  • 出産や育児で収入が減少した場合

軽自動車税は税額が低いため、分割払いは基本的に難しいとされています。

地方税の分割払いの手続き方法

地方税を分割払いするためには、自治体の窓口で申請手続きを行う必要があります。

手続きの流れ

手続きの流れは下記のとおりです。

  • 自治体へ相談
    • 役所や県税事務所の窓口、または電話で相談し、分割払いが可能か確認。
  • 必要書類の提出
    • 収入状況を証明する書類(給与明細、失業証明書など)
    • 申請書類(自治体ごとに異なる)
  • 分割回数や支払い方法の決定
    • 自治体と相談しながら、支払い回数や金額を決定。
    • 通常、年12回以内の分割払いが可能。
  • 納税計画の実行
    • 指定されたスケジュールに従い、分割納税を進める。

地方税の分割払いを利用する際の注意点

地方税の分割払いには、いくつかの注意点があります。

1.延滞税が発生する

分割払いを利用しても、納期限を過ぎた分には延滞税がかかります。例えば、令和5年度の延滞税は以下のように設定されています。

  • 納期限翌日から1ヵ月以内:年2.4%
  • 1ヵ月を超えた場合:年8.7%

そのため、分割払いを利用する際は、できるだけ早めに支払いを済ませることが重要です。

2.自治体によって対応が異なる

地方税の分割払いは、各自治体の判断によります。自治体ごとにルールが異なるため、必ず役所や県税事務所で詳細を確認しましょう。

3.分割払いの回数には上限がある

分割回数は、自治体と交渉次第ですが、通常は年12回以内が上限となっています。それ以上の分割は認められないケースが多いため、計画的に支払いスケジュールを立てることが大切です。

税金の支払いが困難な場合は専門家に相談を

税金の支払いが困難な場合、税理士や弁護士などの専門家に相談するのも一つの手段です。特に、以下のようなケースでは早めに専門家に相談することをおすすめします。

  • すでに税金を滞納しており、督促状が届いている
  • 分割払いを申請しても認められなかった
  • 事業の継続が困難で、納税猶予や換価の猶予を検討している

専門家に相談することで、分割払い以外の選択肢(減免や猶予申請)についてもアドバイスを受けることができます。

まとめ

地方税の分割払いは、自治体に相談すれば認められる場合がありますが、すべての税目で可能なわけではありません。また、分割払い中も延滞税が発生するため、できるだけ早めに支払いを済ませることが重要です。

納税が困難な場合は、自治体や税理士に相談し、最適な方法で対処しましょう。梅田パートナーズ法律事務所では、税金の分割払いや滞納などのトラブルに対応しております。まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 関西テレビ様の「ドっとコネクト」にて、「アリシアクリニックの破産」についてリモート出演しました。

・2024年 日本テレビ様の「news zero」にて、「アリシアクリニックの破産 利用者への返金」についてコメント出演しました。

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

事務所概要

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