官報とは?掲載理由や目的・閲覧方法などを解説

2023.11.6

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自己破産や会社破産の際には、官報に情報が掲載されます。官報に掲載されることで多くの人に破産の事実を知られることになります。この記事では、官報とは何かをテーマに、掲載理由や目的、閲覧方法などについて解説します。官報への掲載に不安を感じている方は参考にしてください。

官報とは

官報は日本の機関紙であり、国が発行する日刊新聞のようなものです。法律の公布や各省庁の人事情報、裁判所からのお知らせなど、国民の権利や義務に関する情報が掲載されています。

官報は会社の決算公告や賃借対照表の公告に利用されます。経営者や法人・会社を運営する者にとっては、これらの情報は重要であり、官報を通じてアクセスできるため、その存在が広く知られています。賃借対照表の公告は企業の財務状況を公にし、透明性を確保する方法の1つです。

官報の存在意義・目的

破産手続きの際、その破産事実を官報に公告することで、債権者や利害関係者に対して知らせます。この公告の目的は、破産手続きに参加する機会を確保し、債権者に公平な機会を提供することです。

債権者は破産申立の際に提出される「債権者一覧表」に記載され、破産者の資産が換価された後、その金銭から債権者に対して配当が行われます。従業員の未払い給与や租税公課などの優先的な債権は特に重視されます。

官報公告は、裁判所からの通知がない未知の債権者にも情報が届くようにし、透明性を確保します。破産手続きへの参加機会を失うことは、配当の機会をも失うことを意味するため、公告は手続きへの適切な参加を促進する手段なのです。

官報公告は法律で規定されており、拒否や削除はできません。公告の際には官報に掲載料を納める必要があります。

官報の掲載内容

官報は、「公文」と「公告」の2つの内容で構成されています。それぞれ詳しく見ていきましょう。

公文

政府や各府省によって交付される文書を指します。国家として決定された法律、政令、条約などが含まれます。また、国会に関する事項や各省庁の人事異動、叙位や叙勲、褒章に関する事項、官庁からの報告事項も掲載されます。

公告

国や各府省からの告知を指します。入札・落札に関する告知、官庁に関する告知、裁判所からの告知、教育職員の免許執行、会社の決算公告などが含まれます。

官報の閲覧方法

官報の閲覧方法は以下のとおりです。

特徴 無料のインターネット版 有料のインターネット版 有料の紙媒体版
提供先 国立印刷局のホームページ 国立印刷局のホームページ 官報販売所
閲覧範囲 直近30日分 1947年5月3日から直近まで 購入する官報の範囲により異なる
検索機能 なし あり なし
料金 無料 プランにより異なり、定期購読で割引 定期購読:1ヶ月1,641円+送料
利用方法 手動で目的の情報を探す 記事の内容を検索し、関連情報を見つける ページ数やカテゴリから情報を探す
利用の利便性 低い(手動での情報探し) 高い(検索機能あり) 中(紙媒体のため検索機能なし)

上記のように閲覧方法は3つあり、それぞれ特徴や料金などが異なります。

官報はどのような人が見ている?

官報は一般の人が閲覧することは可能ですが、その実際の利用は非常に限定的です。一般の方が官報を購読するケースはまれであり、また、官報には毎日数百人もの情報が掲載されているため、特定の個人を見つけることはほぼ不可能です。官報は法的な手続きや公的な告知が中心であり、その内容も法令や政府機関に関するものが多いため、広く一般の人が閲覧する必要性が低いのが実情です。

一般の方が官報を利用する際には、インターネットのウェブサイトを通じて閲覧が可能ですが、特定の個人や企業に関する情報を探すには有料の検索サービスを利用する必要があります。この有料の検索サービスを通じて、氏名や企業名などのキーワードで検索を行うことができますが、そのためには一定の手続きと料金が必要です。

したがって、官報を通じて自己破産や民事再生の情報を知られることは通常ありません。官報は法的手続きの透明性を確保するための公的な情報提供手段であり、通常の生活やビジネスに直接関わる情報収集手段としては利用されていないのが現状です。

まとめ

官報は政府発行の機関誌で、自己破産や会社破産をした際に名前や住所などの情報が掲載されます。破産手続における配当などにおいて未知の債権者に知らせる手段のため、非常に重要なものです。また、金融機関をはじめとした関係者以外は閲覧しないことが一般的のため、近所の人に知られるような心配はほとんどありません。

梅田パートナーズ法律事務所では、自己破産や会社破産についてトータル的なサポートを行っております。官報に関する質問はもちろん、手続や必要書類の準備などもサポートしておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

事務所概要

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