証書貸付とは?知っておきたい契約の種類や押さえておくべきポイント
一言で貸付といっても、証書貸付をはじめとした複数の種類に分かれています。証書貸付にはどのような特徴やメリットがあるのでしょうか。ここでは、証書貸付をはじめとする貸付契約の種類や押さえておくべきポイントについて詳しく解説します。
証書貸付とは
証書貸付とは、1回の借り入れごとに契約書を作り、記載した金額だけを借りる融資契約です。主に使われるのは、住宅ローンやカーローン、おまとめローンのように、一度にまとまった金額を借りて長期間かけて返済する金融商品に採用されています。
追加で融資を受けることができず、借入残高が増えないため、借りた時点で完済までのスケジュールが確定します。
なお、証書貸付の証書は、「金銭消費賃借契約書」のことです。金銭消費賃借契約書には、契約日や借入金額、利率、契約日、遅延損害金の条項などが定められています。また、署名や実印による押印、連帯保証人の署名・押印が必要です。
証書貸付の特徴
証書貸付には次のような特徴があります。
資金調達の際に用いる
証書貸付は5年以上の比較的長期の融資に利用されるため、資金調達の際に行われます。事業資金は返済後に再び借り入れることも珍しくありません。
元金均等返済がほとんど
証書貸付では元金均等返済が採用されるケースがほとんどです。元金均等返済とは、元金と利息のうち元金の返済額が一定で、利息部分が返済するにつれて減っていく方式です。
例えば、2,000万円を10年で返済する場合は以下のようになります。
1ヶ月の元金返済額=2,000万円÷120ヶ月(10年)=166,666円
1ヶ月の返済額=166,666円+利息
なお、元金均等返済から別の返済方式への変更も可能です。その際は、金融機関と債務者の双方の合意が必要になります。
審査が厳しい傾向がある
証書貸付は長期の貸付のため、それだけ審査基準が高く設定されています。長期間の貸付は貸し倒れリスクが高いため、借り入れ希望者の資産、収入、事業規模、経営状況など、さまざまな項目を厳しい目で審査します。
証書貸付で融資を受ける際の注意点
証書貸付で融資を受ける際は、金銭消費賃借契約書の内容は隅々まで確認しましょう。契約してからでは内容を変更できないため、十分に確認したうえで契約する必要があります。契約日や借入金額、借入利率、遅延損害金、返済方法、返済期間の確認は必須です。
さらに、その他の細かな条項も確認し、交渉の内容が反映されているか、不利な条件が定められていないかなどをチェックしましょう。不明点は遠慮なく担当者に質問し、全ての疑問を解決することが大切です。
証書貸付の種類
証書貸付は、契約書面で融資を受けることであるため、金融商品ごとに種類があります。例えば、プロパー融資の証書貸付は審査が高い一方で借入金額が多額になりやすいことが特徴です。また、ビジネスローンの証書貸付はプロパー融資と比べて審査の難易度は低いものの、借入金額が低くなる傾向があります。
その他の貸付方法
証書貸付の他にも、いくつかの貸付方法があります。それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。
手形貸付
手形貸付とは、約束手形を振り出しさせて、同等の金額を貸し付ける方法です。手形貸付は担保を設定せず、貸付期間が1年以内に定められるケースがほとんどです。一方、証書貸付は貸付金額が高いため、担保を設定するケースが多いでしょう。
手形貸付は、事業資金が枯渇した際に事業を継続するために受ける融資に用いられます。返済が滞ると不渡り扱いとなり、企業の信用度が低下することで金融機関からの貸付がほぼ不可能になります。
手形割引
手形割引とは、約束手形を支払期日よりも前に換金することです。事業規模や収益などを加味した手数料がかかります。
当座貸越
当座貸越は、口座残高が不足した際に、定期預金を担保に自動で借り入れするサービスです。限度額に達するまでは何度でも借り入れできます。担保を設定せず、口座保有者の返済能力や信用などを根拠に貸付の可否を決めます。また、総合口座にも当座貸越サービスが付帯していますが、定期預金を担保として貸付されるものがほとんどです。借入限度額は定期預金残高を元に決まります。
まとめ
証書貸付は、多額の事業資金を借り入れる場合に採用されることが多い方法です。どの貸付を選ぶのが最適か考えましょう。また、事業資金が枯渇しているような状況では、現在の借り入れを少しでも減らすことが重要です。業者と交渉する任意整理、借金をまとめて減額する個人再生などがあります。梅田パートナーズ法律事務所では、資金調達や債務整理などについて総合的なアドバイス・相談対応が可能です。まずはお気軽にご相談ください。
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