借入限度額はいくら?計算方法や確認方法について解説

2023.8.29

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金融機関から融資を受けるときは、いつまで借り入れできるのか気になる方が多いのではないでしょうか。借入限度額については、借入上限額と融資可能額の両方を確認しなければなりません。この記事では、借入限度額の計算方法や確認方法、注意点などについて詳しく解説します。

借入限度額とは

借入限度額とは、金融機関が個人や法人に対して設定する融資の最大限度額のことです。つまり、いくらまでなら貸せるのかを意味します。

借入限度額について確認する際は、借入上限額と融資可能額の両方に注目しましょう。

借入上限額とは

借入上限額とは、債務者の信用や貸し倒れリスク、借入額などに関係なく、金融機関が定めている貸し付け可能な上限の金額のことです。どれだけ信用性が高い債務者でも、借入上限額を超えて借りることはできません。

融資可能額とは

融資可能額とは、借入上限額を超えない範囲で、その債務者にどれだけ貸し付けることができるかを示す金額です。債務者の信用スコアや信用情報、属性などをもとに決定します。例えば、借入上限額が1,000万円で、過去に借金を滞納している人と滞納していない人がいたとします。

この場合、借金を滞納していない人の方が信用スコアが高いため、より多くの貸し付けが可能です。ただし、返済の見込みがないほどに収入が低い場合は、この限りではありません。融資可能額は、債務者のさまざまな情報をもとにスコアリングし、金融機関が独自の方法で算出します。

そのため、全く同じ条件でも、金融機関によって融資可能額が異なります。例えば、低金利の銀行は、審査基準が厳しくすることで貸し倒れリスクを抑えているため、低金利を実現できます。

消費者金融は審査基準が易しい代わりに金利を高く設定し、貸し倒れの際の影響を抑えているのです。

借入限度額の計算方法

借入限度額を金融機関に確認できる場合もありますが、多くのケースでは教えてはもらえません。そのため、あくまでも目安ではありますが、借入限度額の計算式で算出する方法を覚えておきましょう。

現状の借入限度額は、下記で計算できます。

(税引後利益+減価償却費)×返済期間

例えば、税引後利益+減価償却費が700万円で返済期間が5年の場合は、3,500万円まで借りられる可能性があります。すでに融資を受けている場合は、残債を差し引きましょう。例えば、1,000万円の融資を受けている場合は、3,500万円から差し引いた2,500万円が借入限度額です。

知っておきたい総量規制とは

総量規制とは、年収の3分の1を超える金額の貸し付けを原則禁止とする制度のことです。例えば、年収600万円の人が借りられる金額は200万円までです。なお、法人については総量規制の対象外のため、前述した計算式を参考にしてください。

また、個人事業者の場合は、事業や収支、資金計画などの根拠資料を提出し、返済能力があるとみなされれば総量規制の上限を超えて借り入れることができます。

法人が金融機関から融資を受けるときの注意点

法人が金融機関から融資を受ける場合は、次の点に注意しましょう。

決算書の提出が必要

金融機関は、法人の信用評価や返済能力を判断するために、決算書の提出を求めることが一般的です。決算書には、法人の収益、利益、資産、負債などの財務情報が含まれています。金融機関はこれらの情報を基に、融資の可否や融資額を決定します。

また、金融機関から融資を受ける際には、返済計画の提示を求められることがあります。返済計画には、融資額、返済期間、返済方法などが含まれます。返済計画は法人の返済能力を示す重要な要素であり、金融機関はその合理性や実現可能性を評価します。

多額の借金は倒産リスクが高まる

多額の借金を抱えると、月々の返済額が増加します。これにより、法人の運転資金や経営活動に必要な資金を確保できなくなる可能性があります。

また、経済の変動や業績の低下などで収益が減少すると、借金の返済が難しくなる可能性がもあるでしょう。

さらに、多額の借金を抱えることで、法人の資本構造が悪化することも考えられます。資本比率が低下すると、借金比率が高くなり、財務の安定性が低下します。これにより、金融機関や投資家からの信頼を得にくくなるでしょう。

過度な節税は借入限度額の低下につながる

一般的に、法人は節税を行いながら経営します。しかし、過度な節税策を取ると、法人の収益が実際よりも低く見積もられる可能性があります。

金融機関は、法人の収益や経営状況を評価して融資限度額を決定しますが、過度な節税によって収益が実際よりも低く見積もられてしまうと、融資限度額が低下する可能性も否定できません。

まとめ

借入限度額は金融機関によって異なるため、実際に融資を申し込まなければわかりません。経営状況が安定していたとしても、金融機関によっては希望額の借入ができない場合もあるでしょう。借入限度額を事前にある程度予想したうえで、金融機関に申し込むことが大切です。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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弁護士ご紹介

代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

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