返済が難しいときの対策方法3選!特徴やメリットから具体的な方法まで解説
企業の債務を返済が難しくなった場合は、できるだけ早く対処が必要です。滞納は信用問題にかかわるため、状況が改善しても新たに借り入れられなくなる可能性があります。できるだけ早く対策を講じて、状況の改善に努めましょう。ここでは、債務返済が難しいときの対策方法を3つご紹介します。
リスケジューリング
リスケジューリングとは、返済期間を延長することで、1回の返済額を抑える対策方法です。それでは、リスケジューリングのメリットとデメリットを詳しくみていきましょう。
リスケジューリングのメリット
リスケジューリングによって1回の返済額を減額できれば、企業に残せるお金が多くなることで、借金を返済しながら別の事業を立ち上げたり、新たな施策を立てやすくなります。
例えば、3,000万円を5年で完済するには、1年につき600万円もの返済が必要です。もし、返済期間を10年に延長できれば、1年の返済額は300万円まで減額できます。
また、借り入れからの数年間のみ返済額を据え置きにすることも1つの方法です。新規事業を立ち上げてから数年は資金繰りが厳しくなりやすい傾向があります。資金繰りが厳しいときの返済額を減額できれば、より多くの利益をストックできます。
リスケジューリングのデメリット
返済期間が長くなると、それだけ利息が高くなるため、総支払額の面で損をします。しかしながら、企業に残せるお金が多くなれば、デメリット以上の利益を得られたり安定性が高まったりするため、リスケジューリングを選ぶ価値は十分にあります。
リスケジューリングは、金融機関が承諾しなければ実現できません。現在の資金繰りの状況をすべて伝えることが大切です。金融機関としては、貸し倒れになるよりは返済期間を延長した方がよいのですが、リスケジューリングになった債務は貸倒引当金を70%で形状する必要があるため、結果的に得られる利益が減少します。
そのため、資金繰りの状況を正直に伝えたうえで、根気よく交渉することが大切です。
DDS(デッド・デッド・スワップ)
DDS(デッド・デッド・スワップ)とは、返済の優先順位を低い債権に借り換えることで返済が猶予される方法です。メリットとデメリットを詳しくみていきましょう。
DDSのメリット
DDSによって債務の優先順位が低くなれば、他の債務を優先的に返済できます。そして、DDSの対象となった債務を返済できるだけの余裕ができてから本格的に返済を開始できるのです。
例えば、3,000万円を10年で完済するところ、DDSによって15年に延長し、10年で毎年50万円ずつ元本を返済した場合、残り2,500万円になります。「残りの5年で毎年500万円ずつ返済する」、「最初から15年かけて毎年200万円ずつ返済する」、「14年目まで50万円、最終年に2,300万円を一括返済する」のいずれになるかは、金融機関と話し合って決めます。
DDSのデメリット
リスケジュールよりも完済の可能性が低くなるため、利息が高くなる傾向があります。また、返済期間の後半に多額の返済が必要な場合、思うように計画が進まず、結果的に返済できなくなるケースが少なくありません。
このように、銀行にとってリスクが大きい方法のため、リスケジューリング以上に金融機関に納得してもらうことが困難です。
債権放棄
リスケとDDSを選択できない場合は、債務の一部を減らす債権放棄を検討しましょう。債権放棄のメリットとデメリットについて、詳しくご紹介します。
債務放棄のメリット
債権放棄は、債務の一部が免除されることで、返済額を減額できます。毎月の返済額が減ることで、資金繰りが改善する可能性があります。
債務放棄のデメリット
債権放棄は、貸した側が損をして、借りた側が得をする方法です。そのため、金融機関に債権放棄を相談しても、なかなか同意を得られないでしょう。債務超過が3~5年以上続いていなければ、基本的に債権放棄はできません。また、金融機関が債権回収が可能と考えた場合は、他の方法を選ぶことになるでしょう。
まとめ
企業の借入金を返済できない場合は、リスケジューリングやDDSを検討しましょう。それでも完済が難しい場合は、債権放棄を相談することが大切です。しかし、いずれの方法も正当な事由があるうえで適切に交渉しなければ成功しません。弁護士のサポートを依頼して、スムーズに対処しましょう。「梅田パートナーズ法律事務所」では、状況を踏まえてベストな方法をご提案しております。お客様のお気持ちに寄り添ったきめ細かなサポートを提供しておりますので、お気軽にご相談ください。
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