会社が倒産しても退職金をもらえるケースとは?もらえないケースと一緒に解説

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会社が倒産した場合、退職金をもらえないと思っている方は多いのではないでしょうか。
確かに、退職金をもらえない場合もありますが、会社の状況次第では退職金をもらえる場合もあるのです。
そこで今回は、会社が倒産しても退職金をもらえるケースと、もらえないケースについて詳しくご紹介します。
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この記事の監修者
弁護士法人 梅田パートナーズ法律事務所
代表弁護士 西村 雄大
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今回の記事で書かれている要点 (目次)
会社が倒産しても退職金を受け取る権利は消滅しない
前提として、会社が倒産しても退職金を受け取れる権利は残ります。そのため、実際のところ会社から退職金を受け取れる状況かどうかを見ることが大切です。会社の破産手続きが始まると、破産管財人の弁護士が会社の債務や資産の整理をします。
このとき、未払いの給与や退職金がある場合は、従業員に分配されるのです。
会社に退職金を支払う余力があるかどうかは、従業員が把握することは難しいでしょう。そのため、破産管財人からの連絡を待つ必要があります。
会社の財産が少ない場合は退職金をもらえない可能性が高い
会社が倒産しても退職金は受け取れますが、原資となる資産がなければ退職金は受け取れません。経済的な余力がないために倒産した場合は、退職金を支払いたくても支払えないのです。ただし、債権回収によって資産が増えた場合には、従業員に退職金を支払えるようになる可能性があります。
債権を持っておらず、資産も残っていない場合には、退職金はもらえないでしょう。
中小企業退職金共済制度を利用している場合は退職金が支払われる
会社に退職金を支払う余力がなくても、中小企業退職金共済制度を利用している場合は退職金を受け取れます。
中小企業退職金共済制度とは、事業主が掛け金を納付することで、従業員が退職したときに勤労者退職金共済機構から従業員に退職金が直接支払われる制度です。
会社と勤労者退職共済機構は別の組織のため、倒産しても退職金に一切の影響がありません。
そのため、会社が倒産したときは、中小企業退職金共済制度を利用しているかどうかを確認することが先決です。
倒産時に退職金をもらえないときに利用すべき「未払賃金立替払制度」
未払賃金立替払制度とは、会社の代わりに労働基準監督署及び独立行政法人労働者健康安全機構が退職金を立替払いする制度です。
会社から退職金が支払われなかった場合は、未払賃金立替払制度を利用しましょう。ただし、全ての従業員が制度を利用できるわけではありません。
未払賃金立替払制度の利用条件や立替金額、注意点について詳しくみていきましょう。
利用条件
未払賃金立替払制度は、次の全ての条件を満たした場合にのみ利用できます。
- 倒産した会社の事業活動期間が1年以上
- 倒産に関わる裁判所への申し立て(法律上の倒産日)や、労働基準監督署への認定申請が行われた日(事実上の倒産日)から6ヶ月~2年の間に退職した
法律上の倒産とは、民事再生など裁判所の手続きによる破産のことです。また、事実上の倒産とは、賃金の支払いができないために事業が停止しているなど、経営が立ち行かなくなったことで倒産することを指します。
立替金額
未払賃金立替払制度で立て替えられる退職金額は全額とは限りません。対象となるのは、退職日の6ヶ月前~立替払請求日の前日までの間に支払期日がある退職金です。また、未払いの退職金のうち80%が対象となります。ただし、退職時の年齢に応じて88万~296万円の上限が設けられています。また、総額2万円未満の給料や退職金は立替払いの対象外です。
注意点
未払賃金立替払制度には、次の注意点があります。
資料の提出が必要
未払賃金立替払制度の利用には、倒産した会社で働いていたことを証明するために、タイムカードや賃金台帳などの提出が必要です。これは、不正受給を防ぐための措置のため、必ず資料は提出しなければなりません。
立替金の支払いに時間がかかる
資料を速やかに提出しても、退職金の立替金が支払われるまでに1~3ヶ月ほどかかります。これは、手続きを行う破産管財人が極めて多忙であり、資産や債務の整理に追われているためです。予想以上に立替払いに時間がかかるケースもあるため、退職金が入るからといって貯金を無駄づかいすることは避けましょう。
会社の役員は基本的に対象外
未払賃金立替払制度の対象者は、役員を除く従業員です。役員は退職金を立て替えられないため注意しましょう。ただし、役員と兼任している従業員に関しては、業務内容や立場、待遇などによっては同制度の対象になります。
まとめ
会社が倒産しても、債務の回収によって資産が増えたり、中小企業退職金共済制度を利用していたりする場合は、退職金が支払われる可能性があります。
梅田パートナーズ法律事務所では、退職金や給与の未払いに関するご相談に対応しております。お気持ちに寄り添い、親切丁寧な対応を心がけておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。
会社倒産時の退職金に関するFAQ
- Q会社が破産しました。退職金はもうもらえないと諦めるべきですか?
-
まだ諦めるのは早いです。全額は難しいかもしれませんが、制度を使えば確保できる可能性があります。 退職金がもらえるかどうかは、会社が「どこにお金を積み立てていたか」によって大きく変わります。 外部機関(中退共など)に積み立てていれば全額守られますし、社内積み立てで資金がゼロの場合でも、国の「未払賃金立替払制度」を使えば、上限付きですが受け取ることができます。
- Q「中退共(中小企業退職金共済)」に入っていたと聞いています。これはどうなりますか?
-
これは最も安全なケースです。全額受け取れます。 中退共は、会社とは別の外部機関が管理しているため、会社の倒産の影響を受けません。 会社が破産しても、共済金(退職金)は差し押さえられず、従業員が直接、中退共本部へ請求することで、掛金に応じた退職金が全額支払われます。会社を通さず、自分で請求用紙を取り寄せて手続きしてください。
- Q「未払賃金立替払制度」とは何ですか? 退職金も対象ですか?
-
会社に代わって、国(労働者健康安全機構)が未払い分の一部を支払ってくれる制度です。 給料だけでなく「退職金」も対象になります。 会社に支払い能力が全くない場合でも、この制度を使えば「未払い額の8割」を受け取ることができます(ただし、年齢に応じた上限額があります)。破産管財人や労基署の認定が必要ですので、勝手に手続きを諦めないでください。
- Q退職金が1000万円あるはずなのですが、立替払制度で全額もらえますか?
-
残念ながら、全額はもらえません。上限があります。 立替払制度はあくまでセーフティネットであり、支払われるのは「未払い額の8割」かつ「年齢別の上限額の範囲内」です。 例えば、45歳以上の方の場合、立替払いされる総額の上限は約296万円(未払い総額370万円×80%)です。本来の退職金が高額であっても、この上限を超えた部分は、破産手続きの中で配当を待つしかありません(そして配当はゼロに近いことが多いです)。
- Q破産手続きの中で、退職金は優先的に扱ってもらえますか?
-
はい、一般の借金よりは優先されますが、全額が最優先ではありません。 破産法上、退職金請求権のうち「給料の3ヶ月分に相当する額」は「財団債権」として最優先で支払われます。 しかし、「それを超える部分」は「優先的破産債権」という扱いになり、優先度は下がります。会社に残った資産が少ない場合、最優先部分(3ヶ月分相当)すら払えないことも多々あります。
- Q会社が「生命保険」や「養老保険」で退職金を積み立てていた場合はどうなりますか?
-
契約形態によりますが、会社の資産として没収されるリスクが高いです。 保険の契約者が「会社」、受取人も「会社」となっている場合、その解約返戻金は会社の資産とみなされ、破産管財人によって回収(債権者への配当原資)されてしまいます。 中退共のように「従業員の権利」として保全されていないため、従業員の手元には直接渡らないケースが一般的です。
- Q倒産の噂を聞いて、破産申立ての1年前に辞めました。立替払制度は使えますか?
-
1年前だと使えない可能性が高いです。期間制限があります。 未払賃金立替払制度の対象となるのは、破産申立て等の日の「6ヶ月前の日」から「2年の間」に退職した人です。 倒産するずっと前に退職し、退職金が未払いのまま放置されていた場合、この期間制限に引っかかり、国の救済を受けられないリスクがあります。
- Q取締役(役員)として働いていました。役員退職金も立替払いの対象ですか?
-
原則として対象外です。 この制度は「労働者」を守るためのものです。登記上の取締役であっても、実態が従業員と同じ(兼務役員)であれば認められる余地はありますが、純粋な経営陣であった場合は、労働者ではないため対象外となります。一般の破産債権者として配当を待つしかありません。
- Q会社から「退職金規定はないが、慣例で払っている」と言われていました。請求できますか?
-
請求自体が難航する可能性があります。 退職金請求権が発生するためには、就業規則や退職金規定に「支給要件や計算方法」が明記されていること、あるいは労働契約としての明確な合意が必要です。 「慣例」や「社長の恩情」で払われていた曖昧なものであった場合、破産管財人から「法的な支払い義務はない(債権として認めない)」と判断されるリスクがあります。
- Q何を用意しておけばいいですか? 証拠がないと払われませんか?
-
「退職金規定(就業規則)」と「給与明細」「勤怠記録」の確保が最優先です。 いくら未払いがあると主張しても、計算の根拠となる「退職金規定」のコピーが手元になければ、立替払いの認定を受けることが非常に困難になります。 破産手続きが始まると会社に入れなくなるため、会社が危ないと感じたら、就業規則や退職金規定のコピー(スマホ撮影でも可)を必ず自宅に持ち帰ってください。
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弁護士ご紹介


西村 雄大
弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。
経 歴
- 2010
- 京都大学 卒業
- 2012
- 神戸大学法科大学院 卒業
- 2012
- 司法研修所
- 2013
- 弁護士 登録
- 2014
- 中小企業診断士 登録
- 2014
- 梅田法律事務所 設立
- 2015
- 経営革新等支援機関 認定
- 2017
- 梅田パートナーズ法律事務所 改称
著書および論文名
- ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
- ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
- ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載
テレビ出演
・2025年 日本テレビ様のnews zeroにて「脱毛サロン“ミュゼ”「解散を決定」」についてリモート出演しました。
・2025年 日本テレビ様のnews zeroにて「脱毛サロン“ミュゼ”休業「給料未払い」」についてリモート出演しました。

提供元:日テレNEWS NNN
・2025年 関西テレビ様の「newsランナー」にて、「ミュゼプラチナム従業員が破産申し立て」についてコメント出演しました。
・2024年 関西テレビ様の「ドっとコネクト」にて、「アリシアクリニックの破産」についてリモート出演しました。
・2024年 日本テレビ様の「news zero」にて、「アリシアクリニックの破産 利用者への返金」についてコメント出演しました。
・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。
・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。
事務所概要


- 住所
- 〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満4-6-4 R-Ⅱビル2階
- 最寄駅
-
・京阪電鉄「北浜駅」「なにわ橋駅」より徒歩5分
・大阪メトロ「淀屋橋駅」より徒歩10分 - 電話番号
- 0120-074-013
(電話受付時間:土日祝日問わず 9:00~22:00) - 営業時間
- 平日:9:30~18:30
※土日祝日は事前にお電話いただくことで対応可能 - 備考
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