中小企業再生支援協議会を活用するメリット・デメリット・相談の流れを解説

2021.1.8

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中小企業再生支援協議会は、各都道府県に設置されています。中小企業再生支援協議会を活用した事業再生は、裁判所を介さずに行う私的整理の1つです。事業再生を目指すときは、選択肢の1つとして利用を検討してはいかがでしょうか。ここでは、中小企業再生支援協議会を活用するメリットと注意すべきデメリット、相談・利用の流れについて詳しくご紹介します。

中小企業再生支援協議会とは

中小企業再生支援協議会(支援協議会)とは、各都道府県に設置されている事業再生を支援する組織です。事業再生の専門家が事業不振に陥っている中小企業の相談を受け、必要に応じて債権者との調整や事業再生計画の立案などを行います。また、中小企業再生支援協議会は産業活力再生特別措置法42条で規定された組織で、法律に則った相談対応や支援を行うことが原則です。

中小企業再生支援協議会を活用するメリット

中小企業再生支援協議会を活用することには、次のメリットがあります。

信用不安のリスクが低い

私的整理を行っている事実を知られると、信用不安によって取引先との契約解除や顧客離れ、仕入れの停止などが生じる恐れがあります。中小企業再生支援協議会を活用した私的整理は、債権者となる金融機関とのみ交渉を行うため、取引先や仕入れ先、顧客などに窮地に立たされていることを知られる心配はありません。

事業を継続できる

裁判所を介して手続きする法的整理による事業再生では、債権者だけではなく仕入先などの商事債権者も債権放棄の対象のため、仕入れが困難になることで事業を継続できなくなる可能性があります。私的整理に成功しても事業を継続できなくなれば元も子もありません。

中小企業再生支援協議会を活用した事業再生は、仕入先などは債権放棄の対象とならないため、事業継続に支障をきたさないのです。

合理的な事業再生計画を策定しやすい

中小企業再生支援協議会は、弁護士や公認会計士、税理士、中小企業診断士など、さまざまな専門家のチームを結成して支援できるため、合理的な事業再生計画を策定しやすいというメリットがあります。例えば、適切な金融支援の内容と規模を決めるための公認会計士による財務デューデリジェンス、税務上のリスクを調べるための税理士による税務デューデリジェンスなどを行います。

費用を抑えて事業再生ができる

事業再生を検討しているような財政状況では、コストを少しでも抑えたいのが実情ではないでしょうか。中小企業再生支援協議会による事業再生にかかる費用は安いため、比較的利用しやすい方法と言えます。

中小企業再生支援協議会を利用するデメリット

中小企業再生支援協議会による事業再生には、次のデメリットがあります。

1人でも同意を得られなければ成立しない

中小企業再生支援協議会による事業再生では、全債権者のうち1人でも同意を得られなかった場合、再建計画が不成立になる可能性があります。事業再生計画の策定は、金融機関にとってもメリットがあるものですが、違法行為や不正融資を受けていた場合には心証が悪くなり、同意を得られなくなる恐れがあるのです。

その場合は、同意されなかった債権者の債権を除外して再建計画を策定し直す必要があります。しかし、除外した結果、事業再生計画が成り立たなくなり、計画そのものを断念せざるを得なくなるケースもあるでしょう。

あくまでも財政の再生にのみ注力している

中小企業再生支援協議会の事業再生は、事業そのものの再生というよりは、財政の再生に特化しています。そのため、事業の見直しが必要なケースには十分な対応ができません。財政が改善しても、事業の根本的な問題を解消できなければ、短期間のうちに再び窮地に立たされる恐れがあります。

中小企業再生支援協議会への相談の流れ

中小企業再生支援協議会に相談するときは、直近三期分の決算書や会社概要、その他必要な資料を用意しましょう。それでは、相談するときの流れをご紹介します。

1.窓口相談

面談や提出資料の分析を通じて経営の問題や課題などを抽出し、具体的なアドバイスを受けます。このとき、事業再生に向けて動き出すことが決まっている場合は、関係支援機関や支援施策を紹介してもらいましょう。

2.事業再生計画の策定支援

弁護士や公認会計士、税理士、中小企業診断士などの個別支援チームの支援を受けられます。また、金融期間との調整、定期的なフォローアップ、アドバイスなども行えます。

まとめ

中小企業再生支援協議会を活用することで、公認会計士や税理士、弁護士、中小企業診断士など複数の専門家による事業再生計画を策定できます。梅田パートナーズ法律事務所では、事業再生を検討中の方に的確で丁寧なアドバイスをしております。事業再生に関する不明点や疑問点などがある方は、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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弁護士ご紹介

代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

事務所概要

事務所

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