後継者難倒産とは?経営者が今すぐ取り組むべき対策
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経営者の高齢化が進む中、多くの中小企業が後継者不足に直面し、事業の存続が危ぶまれています。これまで親族内での承継が一般的だったものの、少子高齢化の影響で適切な後継者を見つけることが難しくなり、結果として事業承継の準備が不十分なまま経営の継続が困難になるケースが増えています。
本記事では、後継者難倒産について、背景や原因、経営者が今すぐ取り組むべき対策について解説します。
今回の記事で書かれている要点 (目次)
後継者難倒産とは
後継者難倒産とは、企業の経営者が高齢化し、後継者が見つからないまま事業を継続できずに倒産してしまう現象を指します。
日本では中小企業の多くが家族経営であり、従来は親族内での承継が一般的でした。しかし、近年では少子高齢化や事業の将来性に対する不安などが影響し、親族内承継が困難になっています。
後継者不在が企業経営に与える影響
後継者不在の企業は、長期的な経営戦略を描くことが難しくなり、次のようなリスクを抱えます。
経営者の高齢化による意思決定の遅れ
経営者が高齢化しながらも引退時期を決められず、経営の方向性が曖昧になるケースが多く見られます。また、長年の経営スタイルを変えられず、時代の変化に対応できなくなることもあります。
突然の病気や事故による経営の停滞
経営者が急病や事故に遭った場合、事業の指揮を執る人物がいなければ、業務が滞り取引先への影響が広がります。特に小規模事業では、経営者が業務の中枢を担っているケースが多く、経営者不在が致命傷になりかねません。
従業員の不安や取引先の信用低下
事業の存続が不透明になると、従業員の士気が下がり、優秀な人材の流出につながります。また、取引先からの信用低下により新規取引が難しくなり、金融機関からの融資も受けにくくなるため、資金繰りが悪化し倒産のリスクが高まります。
後継者不足による倒産はなぜ増えているのか
後継者不在による倒産は年々増加傾向にあります。2022年には422件に達し、前年比10.7%増となりました。特に2020年以降は後継者難による倒産が増加し続けており、建設業や製造業を中心に事業承継が進まずに経営破綻するケースが多くなっています。これらの業種は設備投資や専門技術が必要とされるため、後継者の確保がより困難になりがちです。
出典:株式会社東京商工リサーチ「2022年は過去最多の422件、初の400件超 ~『後継者難』倒産の状況 ~20」
なぜ後継者が見つからないのか?
後継者が見つからない理由について、下記が考えられます。
事業承継の常識が変化している
かつては親族内承継が一般的でしたが、近年では外部継承やM&Aが増えています。しかし、親族内承継が難しくなった一方で、第三者への承継には企業の魅力を高める経営改善が必要であり、十分な準備が求められます。特に、事業の将来性を感じにくい業界では、後継者がなかなか見つからないという課題があります。
少子高齢化が影響を及ぼす
日本の労働人口は減少傾向にあり、事業を継ぐ候補者の絶対数が減っています。さらに、経営者の高齢化が進むことで、引退のタイミングを見極められず、突然のリスクに対応できないまま事業を続けるケースが増えています。
後継者が事業を引き継ぐ不安を抱える理由
後継者が見つからない背景には、経営を引き継ぐことに対する不安が大きいことも挙げられます。事業の将来性が不透明でリスクが高いと感じる場合、特に伝統産業や地域密着型の中小企業では、業界の衰退や市場環境の変化により、継続性への不安が強まり、後継者がなかなか決まらない傾向があります。
加えて、会社の財務状況が悪く、負債を引き継ぐプレッシャーが大きいと、事業承継には資金が必要であるにもかかわらず、経営リスクを負うことを避けるために後継者が躊躇するケースが多くなります。
後継者不足を解決するための対策
後継者不足を解決するための対策は次のとおりです。
早めの後継者育成と選定
突発的な経営者交代に備え、後継者候補を早期に確保し、長期的な育成計画を立てることが重要です。段階的に業務を引き継ぎ、経営経験を積ませることで、スムーズな事業承継を実現できます。
企業の魅力を高める経営改善
企業の財務の透明化を進め、負債を圧縮することで後継者が引き継ぎやすい環境を整えることが求められます。また、IT化やDX導入により業務を効率化し、競争力を高めることも重要です。
外部リソースを活用した承継プランの検討
後継者が見つからない場合は、M&Aを活用し、企業価値を高めた上で第三者に経営を引き継ぐ選択肢を検討することも有効です。また、事業承継支援機関への相談や外部経営者の招聘を視野に入れることで、円滑な承継が可能になります。
まとめ
後継者難倒産を防ぐためには、計画的な事業承継が不可欠です。財務の健全化や経営の透明性を確保し、後継者が安心して引き継げる環境を整えることが重要です。
事業承継を検討される際は、専門家のアドバイスが欠かせません。事業承継の準備や対策についてお悩みの方は、梅田パートナーズ法律事務所にご相談ください。
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この記事を監修した弁護士
弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所
大阪弁護士会【登録番号 49195】
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弁護士ご紹介


西村 雄大
弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。
経 歴
- 2010
- 京都大学 卒業
- 2012
- 神戸大学法科大学院 卒業
- 2012
- 司法研修所
- 2013
- 弁護士 登録
- 2014
- 中小企業診断士 登録
- 2014
- 梅田法律事務所 設立
- 2015
- 経営革新等支援機関 認定
- 2017
- 梅田パートナーズ法律事務所 改称
テレビ出演
・2024年 関西テレビ様の「ドっとコネクト」にて、「アリシアクリニックの破産」についてリモート出演しました。
・2024年 日本テレビ様の「news zero」にて、「アリシアクリニックの破産 利用者への返金」についてコメント出演しました。
・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。
・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。
著書および論文名
- ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
- ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
- ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載
事務所概要
- 住所
- 〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満4-6-4 R-Ⅱビル2階
- 最寄駅
-
・京阪電鉄「北浜駅」「なにわ橋駅」より徒歩5分
・大阪メトロ「淀屋橋駅」より徒歩10分 - 電話番号
- 0120-074-013
(電話受付時間:土日祝日問わず 9:00~22:00) - 営業時間
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