経営不振の際に立て直す方法は?原因と対処法について具体例付きで解説

2024.6.28

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経営不振に陥る企業は少なくありませんが、その原因を突き止め、適切な対策を講じることで立て直すことが可能です。本記事では、経営不振の主な原因とそれに対する具体的な対処法を、実際の事例を交えて解説します。

経営不振とは

経営不振とは、企業が持続的に健全な経営を行うために必要な収益を上げられず、財務状態や運営に問題が生じている状態を指します。この状態が続くと、企業の存続自体が危ぶまれることになります。

経営不振の原因

経営不振に陥る原因は多岐にわたります。以下に、代表的な原因を具体例とともに解説します。

市場の変化と需要の減少

市場の変化や消費者ニーズの変化に適応できないことが経営不振の一因となります。たとえば、新型コロナウイルスの感染拡大によって人々の生活スタイルが変わり、多くの業種で需要が急激に減少しました。特に飲食業や旅行業では売上が一時的に8割以上減少するケースも見られました​。

過剰な投資

企業が将来の成長を見越して過剰に投資を行うと、それが負担となり経営不振に陥ることがあります。たとえば、ある製造業の企業が新しい生産設備に多額の投資を行ったものの、予想していた売上が達成できず、資金繰りが厳しくなったケースがあります。過剰な設備投資が原因で累積損失が増加し、債務超過に陥ることも少なくありません​。

取引先の倒産

主要な取引先が倒産すると、その影響で資金繰りが悪化し、連鎖倒産のリスクが高まります。たとえば、特定の大口取引先に依存している企業が、その取引先の倒産により売掛金を回収できず、自社も資金繰りに行き詰まり経営不振に陥ることがあります。連鎖倒産を防ぐためには、取引先の多様化が重要です。

従業員不足によるサービス品質の低下

人手不足が原因でサービス品質が低下し、顧客離れが進むことで経営不振に陥ることもあります。特に運輸業や建設業では、求人難により必要な人材を確保できず、業務が滞るケースが多く見られます。

たとえば、物流企業ではドライバーの確保が困難になり、納期遅延が頻発して顧客の信頼を失い、売上が減少した事例があります。

放漫経営

経営者の放漫な経営も経営不振の一因です。経営者が適切な経営判断をせず、無駄な支出を続けることで財務状況が悪化することがあります。たとえば、ある中小企業の経営者が個人的な浪費や不適切な投資を続けた結果、利益が上がらず経営不振に陥ったケースがあります。このような場合、経営者の意識改革が必要です​。

経営不振の際の立て直し策

経営不振に直面した際には、以下の具体的な立て直し策を実行することで、企業の健全化を図ることができます。

コスト削減

経営不振の一因として、過剰な支出や運営コストの増加が挙げられます。まずはコスト削減を実施し、収支のバランスを整えることが重要です。

たとえば、広告宣伝費や役員報酬の削減、人件費の見直しなどが考えられます。

資金繰りの改善

資金繰りの悪化は経営不振の大きな要因となります。資金繰りを改善するための施策を講じることが重要です。

たとえば、経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)を活用する、金融機関からの融資を受ける、政府や自治体の補助金・助成金を活用するなどの方法があります。

売上高の向上

売上高の向上は、経営不振からの脱却に欠かせません。新規顧客の獲得や既存顧客のリピート率を向上させる施策を実行します。

たとえば、マーケティング戦略の見直しや、デジタルマーケティングの強化、新規事業への参入などが挙げられます。ある飲食店では、デジタルマーケティングを強化し、オンライン予約システムを導入することで新規顧客を増やし、売上を劇的に回復させた例があります​。

組織の再編

組織構造の再編を行い、適材適所の人材配置を見直すことが重要です。これにより、業務の効率化と生産性の向上を図ります。

たとえば、部門ごとの業務内容を精査し、不必要な重複業務を廃止する、外部の専門家を活用するなどが有効です。あるIT企業では、内部の業務を見直し、非効率なプロセスを排除することで、業務効率を大幅に改善し、経営を立て直した事例があります​。

新規事業の展開

既存事業の見直しとともに、新規事業の展開も検討することで、新たな収益源を確保します。

たとえば、既存の強みを活かして関連する新しい市場に参入する、既存製品を改良して新しいニーズに対応するなどの戦略があります。あるメーカーでは、主力商品の市場が縮小する中、新たに環境に優しい製品ラインを開発し、新市場での成功を収めた事例があります。

再建型の法的整理を行う

再建型の法的整理とは、企業が経営不振に陥った際に、債務整理を通じて経営を立て直すための法的手続きです。「民事再生」と「会社更生」の2つの方法があります。

民事再生は、中小企業や個人事業主向けの手続きであり、再建計画を裁判所に提出し、債権者の同意を得て、債務の一部を免除または猶予してもらいながら、事業を継続します。これにより、経営者は現職に留まり、経営を続けることができます​。

会社更生は、大企業向けの手続きで、裁判所が選任する更生管財人が経営権を掌握し、経営の再建を図ります。再建計画に基づいて、債務の削減や事業の再構築を行います。これにより、企業は債務を整理しながら事業を継続し、再建を目指します​。

まとめ

経営不振は、企業が持続的に健全な経営を行うための収益をあげられず、財務状態や運営に問題が生じる状態です。経営不振に陥る原因は、市場の変化や過剰な投資、取引先の倒産、従業員不足、放漫経営など多岐にわたります。これらの問題に対処するためには、コスト削減や資金繰りの改善、売上高の向上、組織の再編、新規事業の展開などの具体的な立て直し策が必要です。

梅田パートナーズ法律事務所では、経営不振からの立て直し策として再建型の法的整理のご提案とサポートをしておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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弁護士ご紹介

代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

事務所概要

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