贈与契約書の書き方は?作成の流れから記載例まで詳しく解説
生前贈与を行う際は、口頭でも契約は成立します。しかし、後から「言った・言ってない」の水掛け論になったり、金額や贈与対象などでトラブルになったりする恐れがあるため、贈与契約書を作成することが大切です。しかし、贈与契約書の書き方に誤りがあれば無効となるリスクがあります。
そこで今回は、贈与契約書の作成の流れから書き方、記載例についてまで詳しく解説します。
贈与契約書を作成する流れ
贈与契約書は次の流れで作成します。
1.贈与側・贈与を受ける側による内容確認
贈与する側を「贈与者」、贈与を受ける側を「受贈者」といいます。贈与契約書で定める内容を双方で確認し、認識の相違がないように作成していきましょう。贈与契約書では、贈与する対象や金額などを定める必要があります。
具体的に、現金ならば何円を贈与するのか、どの不動産を贈与するのかなどを定めます。また、贈与の内容によっては、贈与税や不動産取得税といった税金が発生しますが、これらを誰がどれだけ負担するのかも定めなければなりません。さらに、贈与税の特例を適用できるかどうかなども確認し、適用の可否まで記載しておくとリスクを軽減できます。
2.内容に合意する
贈与の詳細が決まったら、贈与者と受贈者の間で合意を交わします。また、贈与契約書を締結する日や実際に贈与する日についても確認し、ミスがないようにしてください。
3.贈与契約書を作成する
贈与契約書を2通作成し、それぞれに署名押印をします。また、これらの契約書がセットであることを証明するように割印もしましょう。
4.贈与契約書を双方が保管する
贈与契約書を贈与者と受贈者で1通ずつ保管します。
贈与契約書の書き方のポイント
贈与契約書を作成する際は、次のポイントを押さえましょう。
必須項目を漏れなく記載する
贈与契約書には、次の項目が必須です。
- 贈与契約締結日と贈与履行日……贈与契約をする日と贈与を実行する日
- 贈与者の住所と氏名……贈与する人を明確化する
- 贈与財産……何をどれだけ贈与するのか
- 贈与する方法……どのように贈与するのか
書式や様式は問われない
贈与契約書の書式や様式にルールはありません。また、手書きやWordといった作成方法の指定もありませんが、署名と日付だけは信ぴょう性を与えるために手書きで記入します。
ただし、手書きの場合は改ざんのリスクが比較的高いため、金額は金壱百萬円也のように漢字で記載しましょう。
契約書の内容は細かなところまで正確に記載する
贈与契約書には法的効力があり、その内容に従って贈与しなければなりません。数字を一桁間違えるようなミスは大きなトラブルにつながる恐れがあります。数字の細かな単位まで間違いがないか入念に確認しましょう。
約○○万円のようにあいまいな書き方だと、認識の相違によってトラブルになる可能性があります。
なるべく実印を押す
贈与契約書に押す印鑑は、認印と実印のいずれかです。契約書に信ぴょう性を持たせる意味で、実印を押すことも検討しましょう。その際は、印鑑証明書も添付すれば信ぴょう性がさらに高まります。
不動産を贈与する場合は収入印紙を貼る
不動産を贈与する場合は、収入印紙を貼りましょう。不動産の譲渡契約書には印紙税がかかるため、取引金額に応じて収入印紙を貼る必要があります。なお、贈与は無償で行われるものですが、収入印紙は200円と定められています。
貼る場所にルールはありませんが、書面の左上に貼るとよいでしょう。そして、収入印紙と契約書をまたぐ形で消印を押します。
贈与の度に譲渡契約書を作成する
生前贈与は、1月1日~12月31日までに贈与した額が110万円以下であれば、贈与税はかかりません。しかし、長期にわたり同額の贈与を行うと、一括で贈与するつもりだったとみなされて、高額な贈与税が課税される恐れがあります。
そのため、一括で贈与するつもりではなかったことを証明するために、毎年の贈与の度に贈与契約書を作成することが重要です。
贈与契約書は弁護士に作成を依頼するのがおすすめ
贈与契約書は書式や様式にルールはないものの、記載が必要な事項が多いうえに、割印や収入印紙、印鑑などの細かな取り決めがあります。内容にミスがあれば、受贈者との間でトラブルになる恐れがあるため、完璧な譲渡契約書を作成するために弁護士に依頼することをおすすめします。
まとめ
贈与契約書は、贈与者と受贈者の間で取り交わす贈与契約を書面化したものです。契約書には、贈与契約の全てを記載し、その内容に従って贈与を実行する必要があります。贈与契約書の作成や相続税まで考慮した生前贈与については、梅田パートナーズ法律事務所までご相談ください。贈与契約書の作成だけではなく、目的に応じた最適な方法の提案、サポートにも対応しております。
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