差し押さえの対象となる財産は?対象にならない財産や差し押さえを防ぐ方法を解説
税金や借金の滞納によって差し押さえが開始された場合、すべての財産を失うと考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。実は、差し押さえの対象となる財産とならない財産があります。今回は、差し押さえの対象となる財産とならない財産について紹介するとともに、差し押さえを防ぐ方法についても解説します。
差し押さえの対象となる財産・ならない財産
差し押さえの対象となる財産・ならない財産は以下のとおりです。
差し押さえの対象になる財産 | 差し押さえの対象にならない財産 |
---|---|
・預金 ・給与 ・退職金 ・不動産 ・現金 ・生命保険 ・貴金属 ・自動車 |
・66万円までの現金 ・退職金の手取り額の4分の3(例外あり) ・債務者の生活に欠かせないもの(衣類、家具、寝具、建具など) ・1ヶ月の生活に必要な食料と燃料 ・職業上、欠かせないもの ・実印 ・職業または生活上、欠かせない印鑑 ・物情、位牌など祭祀に欠かせないもの |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
差し押さえの対象となる財産
差し押さえの対象となる財産の中でも、差し押さえられやすいものと差し押さえられにくいものがあります。預金や現金、給与は価値がわかりやすいため、優先的に差し押さえられるでしょう。
また、預金は滞納分全額を差し押さえ可能なため、預金がゼロになる場合もあります。給与に関しては、毎月手取りの4分の1が差し押さえられます。ただし、手取り給与が44万円以上の場合は、33万円を超える部分が差し押さえの対象となります。なお、養育費の滞納などの例では、例外があります。
差し押さえの対象とならない財産
差し押さえることで生活できなくなるものは差し押さえの対象外です。また、家族名義の財産が差し押さえられることはありません。そのため、夫の財産が差し押さえられたとしても妻が十分な預貯金があれば、生活への影響を抑えることができるでしょう。
差し押さえを防ぐ方法
差し押さえを防ぐためには、債務整理をするか債権者と交渉して支払いの減額や猶予を受ける必要があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
債務整理をする
債務整理とは、債権者との交渉のもとで債務を減額・猶予したり、裁判所を介した手続きで債務を減額または免除したりすることです。例えば任意整理では、債権者との交渉のもとで利息をカットし、返済期間を猶予してもらいます。
返済期間が長くなれば、毎月5万円の返済が2万円ずつの返済で済むなどして、完済できる可能性が高まります。ただし、債権者は任意整理に応じる義務がないため、必ず交渉に成功するとは限りません。また、利息のカットや返済期間をどれだけ猶予するかなどはすべて話し合いで決めることになります。
また、裁判所を介した手続きとしては、個人再生と自己破産があります。個人再生は、複数の債権をまとめて大幅に減額し、原則3年で完済を目指す方法です。自己破産はすべての借金を免除する手続きです。いずれの方法も債務や債務者の状況、資産など、さまざまな要素を踏まえて実行の可否を裁判所が判断します。
債務整理は手続きが複雑なうえに相手方との交渉も難しいため、弁護士のサポートを受けることが大切です。
税金の場合は税務署に相談する
法人税をはじめとする税金を滞納している場合は、早めに税務署に相談しましょう。差し押さえか納税を1年間猶予してもらえる可能性があります。ただし、納税の猶予には生活が困難であるうえに滞納税と同等以上に換算できる財産を持っていたりといった条件を満たす必要があります。換価の猶予においても、納税と同じ条件に加え、滞納した税金の支払期日から半年以内の申請が必須です。
このように、救済措置には条件が定められているため、滞納が確定した時点で早めに税務署に相談しましょう。
借金や税金の支払いが難しいときは早めに弁護士に相談しよう
借金や税金の支払いが難しいときは、なるべく早く弁護士に相談することをおすすめです。借金の滞納を続けると遅延損害金が加算され、税金には延滞税が加算されます。また、滞納を続けるほどに債権者の心象が悪くなり、任意整理の交渉にも応じてもらいにくくなる可能性があります。
弁護士は債務額や現状を踏まえて、ベストと考えられる方法を提案してくれます。弁護士といっても得意分野があるため、債務整理に強い弁護士に相談することが大切です。
まとめ
預金や給与、退職金などは差し押さえの対象ですが、衣類や1ヶ月分の食料、燃料といった生活に欠かせないものなどは差し押さえられません。しかしながら生活に影響が出ることに違いはないため、早めに弁護士に相談することをおすすめします。
梅田パートナーズ法律事務所では、債務整理の全面的なサポートを行っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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