法人税を滞納したら代表の財産は失う?滞納の問題点や差し押さえの流れ・対処法を解説

2026.2.8

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法人税は、企業が支払う税金の中でも大きな割合を占める税金です。会社の業績によっては法人税を支払うことができないケースもあります。
もし、法人税を滞納したら代表取締役社長の財産はすぐに差し押さえられてしまうのか。。。

会社の経営は続けられるのかなど、さまざまな疑問や不安が思い浮かぶのではないでしょうか。

そこで今回は、法人税を滞納したらどうなるのか、滞納の問題点や差し押さえの流れ、対処法などについて詳しく解説します。

この記事をわかりやすく解説
  • 法人税を納税できない理由は金額ではなく納税時期が問題
  • 法人税を滞納すると延滞税が発生し財産が差し押さえられる
  • 滞納した法人税の差し押さえを防ぐ方法を解説

この記事の監修者

弁護士法人 梅田パートナーズ法律事務所
代表弁護士 西村 雄大

資格・登録機関
所属団体

法人税を滞納するケース

法人税は所得に対して一定の税金を支払うもののため、通常は支払えない事態に陥ることはありません。それでは、法人税をなぜ滞納してしまうのかというと、売掛金や在庫の状態となっている利益を税金の支払いに充てることができないためです。

つまり、法人税を納税できない理由は金額ではなく納税時期にあります。

法人税を滞納する問題点

法人税はなるべく支払いたくないため、滞納しても見逃してもらえないか、長く滞納しても問題ないのではないかと考える方もいらっしゃいます。
法人税を滞納する問題点について詳しく見ていきましょう。

法人税や消費税などの税金を納めない・払えないとどうなる?納税が難しい場合の対応方法も解説

延滞税が発生する

延滞税とは、期限通りに法人税を支払わなかった場合にかかる税金のことです。
滞納している法人税額に対し、一定の割合をかけた金額が加算されます。
納付期限の翌日から2ヶ月を経過する日までは、原則として年7.3%です。
ただし、令和3年1月1日以降は、年7.3%と延滞税特例基準割合+1%のいずれか低い方の割合です。

また、2ヶ月を経過した日以降は原則として年14.6%となり、こちらも令和3年1月1日以降は年14.6%と延滞税特例基準割合+7.3%のいずれか低い割合となります。
延滞税特例基準割合は財務大臣が各年の前年の11月30日までに告示します。

延滞税が発生すると、納めるべき住民税額が高くなるため、なるべく早く納税することが大切です。

財産が差し押さえられる

法人税を一度滞納しただけでは、財産は差し押さえられません。督促状が何通も届き、無視し続けると税務署が国税滞納処分の方法によって、財産を差し押さえます。
会社経営に必要な財産が差し押さえられると事業継続が不可能となり、倒産する可能性も否定できません。

法人税の滞納から差し押さえまでの流れ

法人税を滞納してから会社の財産が差し押さえられるまでの流れについて詳しく見ていきましょう。

1.延滞税が発生して督促状が送られてくる

延滞税は1日単位で発生します。そして、税務署から督促状が送られてきて、財産の差し押さえに向けて1歩ずつ着実に進んでいきます。
督促状の送付は、税務署が差し押さえを行うための前段階として必要な手続きであり、通常は滞納から数週間から1ヶ月程度で送られてきます。

2.催告が何度も行われる

督促状の送付だけではなく、電話や訪問などによる催告が再三行われます。ただし、回数や方法については明確なルールがありません。
そのため、催告がほとんど行われないケースもあるでしょう。

だからといって法人税の滞納が許されたわけではなく、放置すると差し押さえに向かって進んでしまいます。

3.財産調査

税務署は、独自の情報網を駆使して法人の財産を調べます。
これは、差し押さえによって法人税の回収が可能かどうかを判断するためです。

4.差し押さえの実行

法人が滞納分の法人税を納付しない状態が長く続くと、実際に差し押さえが行われます。
督促状を送った日から数えて10日を経過した日までに滞納分が完納されない場合は、差し押さえを行うことができます。

対象となる財産は法人が持つすべての財産です。
例えば、預貯金が差し押さえられた場合は取引先に支払いができなくなり、関係悪化によって取引が終了し、事業継続が不可能となる恐れがあります。

5.財産をお金に換えて滞納分の支払いに充てる

差し押さえられた財産はお金に換えたうえで滞納分の支払いに充てられます。
余った金額は法人に返還されますが、財産の再取得は法人自身が行う必要があります。

滞納した法人税の差し押さえを防ぐ方法

法人税の滞納によって財産が差し押さえられると、事業に多大な影響が出る恐れがあります。
そのため、滞納状態を速やかに解消すべく、資金を支払いに充てることが大切です。しかし、資金繰りが悪化している場合は滞納分の支払いは難しくなるでしょう。

まずは、早い段階で税務署に相談し、「換価の猶予」と「納税の猶予」のいずれかの措置を受けることが重要です。
いずれも最大1年間の猶予期間を与えられます。

また、法人税の支払いが困難になった場合は、特例もありますのでご確認ください。
出典元:納税に関する総合案内|国税庁

まとめ

法人税の滞納による差し押さえによって会社経営に影響が出ないように、まずは担当税理士に相談しましょう。
しかし、法人税だけではなく借金の滞納もしている場合は、法人税の滞納の解消は困難です。その場合は、弁護士に債務整理のサポートを依頼することをおすすめします。

任意整理や民事再生など、会社経営を継続しながら債務を圧縮する方法を選べば、現状を打開できる可能性があります。
梅田パートナーズ法律事務所では、債務整理を全面的にサポートしておりますのでお気軽にご相談ください。

法人税滞納に関するFAQ

Q税務署からの督促状を無視するとどうなりますか?
法律上、予告なしにいつでも財産を差し押さえられる状態になります。 国税通則法や国税徴収法に基づき、督促状を発した日から10日が経過すると、税務署は裁判所の判決なしに、自力で会社の財産(預金、売掛金、不動産など)を差し押さえることができます。 実際には電話や訪問などの催告が行われることが多いですが、督促状を無視することは「意思疎通ができない悪質な滞納者」と認定され、早期の差押えを招く最も危険な行為です。
Q資金繰りが苦しく一括で払えません。分割払いは認められますか?
正式な手続きを踏めば、「換価の猶予(かんかのゆうよ)」として認められる可能性があります。 単に口頭で「待ってほしい」と頼むのではなく、法律(国税通則法第46条等)に基づく申請を行います。

1.財産目録や資金繰り表を提出する

2.1年以内に完納する計画を示す

3.原則として担保を提供する これらの要件を満たせば、1年以内の分割納付が許可され、その間の差押えが猶予されます。

Q法人税を滞納していると、銀行からの融資は受けられませんか?
ほぼ100%不可能です。 銀行が融資(特に保証協会付き融資)を行う際、必ず「納税証明書(その1・その2・その3)」の提出を求められます。ここに未納の記載がある場合、公的な義務すら果たせていない企業に返済能力はないと判断され、審査は通りません。 リスケジュール(返済条件変更)の交渉においても、税金滞納は拒絶の理由となります。
Q社長の私個人の財産から法人税を払う義務はありますか?
原則としてありませんが、例外的な「第二次納税義務」に注意が必要です。 株式会社の場合、会社と社長は別個の法人格であるため、社長個人が納税保証人になっていない限り、個人の預金から会社の税金を払う法的義務はありません。 しかし、会社が財産を社長個人に不当に安く譲渡していた場合や、同族会社で会社と個人の財布が混同されているような場合は、税務署から「第二次納税義務者」として指定され、個人の財産から徴収されるリスクがあります。
Q赤字決算なら法人税は払わなくていいので、滞納の心配はないですよね?
法人税(所得にかかる税)はゼロでも、「法人住民税の均等割」や「消費税」の支払いは残ります。 たとえ大赤字でも、法人が存在しているだけでかかる「均等割(年間約7万円〜)」や、預り金である「消費税」は納付しなければなりません。 特に消費税は赤字黒字に関係なく発生するため、赤字企業が消費税を滞納して差押えを受けるケースが非常に多いです。
Q税務署が取引先に連絡して、売掛金を差し押さえるというのは本当ですか?
本当です。そしてこれが最も恐れるべき事態です。 税務署は預金口座にお金がないと判断すると、次に「売掛金(取引先からの入金)」を狙います。取引先に「差押通知書」が届き、取引先は貴社ではなく税務署にお金を払うよう命じられます。 これにより、取引先に「税金を滞納している会社」であることが露見し、信用が失墜して取引停止(口座凍結のような状態)になり、倒産に至るケースが後を絶ちません。
Q延滞税が高くて元金が減りません。まけてもらえますか?
延滞税自体の免除は、災害等の特殊事情がない限り困難です。 延滞税は年利約9%〜14.6%(変動あり)と非常に高利ですが、これを交渉で安くすることはできません。 ただし、Q2で解説した「換価の猶予」が認められれば、その期間中の延滞税が一部免除(軽減)される措置があります。延滞税を抑えるためにも、早めの猶予申請が不可欠です。
Qいよいよ払えなくなって会社を破産させたら、滞納した税金はどうなりますか?
法人が消滅すれば、納税義務も消滅します。 法人の破産手続きにおいて、税金は「財団債権」として優先的に回収されますが、会社の全財産を換金しても足りない場合、残りの税金は切り捨てられます。 個人の借金と違い、法人の税金義務は法人の消滅と共になくなるため、代表者個人に請求が回ることは(Q4の例外を除き)ありません。
Q税金を滞納したまま会社を休眠させて、新しい会社を作ってもいいですか?
法的には可能ですが、税務署による追及のリスクがあります。 旧会社の資産(在庫や顧客リストなど)を新会社に無償または格安で移して事業を継続する場合、新会社が「第二次納税義務」を負わされる可能性があります。 単なる「逃げ得」を許さないよう、税務署は法人格の濫用に対して厳しい調査を行います。安易な別会社設立は推奨できません。
Q弁護士に依頼すれば、税務署との交渉や差押えの回避ができますか?
「法的に正しい猶予申請」を行うことで、差押えを回避・保留させることは可能です。 弁護士は税金を減額させることはできませんが、税務署に対して「換価の猶予」の要件を満たしていることを法的に主張し、適正な分割納付の合意を取り付ける交渉を行います。 特に、理不尽な差押えや、法令を無視した取り立てに対しては、弁護士名義で抗議し、納税者の権利を守る防波堤となります。

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弁護士ご紹介

代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

テレビ出演

・2025年 日本テレビ様のnews zeroにて脱毛サロン“ミュゼ”「解散を決定」」についてリモート出演しました。

・2025年 日本テレビ様のnews zeroにて脱毛サロン“ミュゼ”休業「給料未払い」」についてリモート出演しました。

提供元:日テレNEWS NNN

・2025年 関西テレビ様の「newsランナー」にて、ミュゼプラチナム従業員が破産申し立て」についてコメント出演しました。

・2024年 関西テレビ様の「ドっとコネクト」にて、「アリシアクリニックの破産」についてリモート出演しました。

・2024年 日本テレビ様の「news zero」にて、「アリシアクリニックの破産 利用者への返金」についてコメント出演しました。

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

事務所概要

事務所

事務所

住所
〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満4-6-4 R-Ⅱビル2階
最寄駅
・京阪電鉄「北浜駅」「なにわ橋駅」より徒歩5分
・大阪メトロ「淀屋橋駅」より徒歩10分
電話番号
0120-074-013
(電話受付時間:土日祝日問わず 9:00~22:00)
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