民事再生におけるスポンサーの探し方は?見つからないときの対処法も解説

2024.9.14

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民事再生には複数の手法があります。その1つがスポンサーの支援を受けて事業再建を目指す「スポンサー型」です。スポンサー型は、当然ながらスポンサーが見つからなければ行うことができないため、探し方について理解しておく必要があります。そこで本記事では、民事再生におけるスポンサーの探し方や見つからないときの対処法について詳しく解説します。

この記事をわかりやすく解説
  • 民事再生におけるスポンサー型はスポンサーからの資金援助で再建を目指す手法
  • スポンサー型の民事再生ではスポンサーの存在を公表でき企業の信頼回復につながる
  • 自力再建型とは第三者に関わらず自社の事業によって得た収益だけで事業の再建を図る手法
  • 民事再生のスポンサー型の種類とスポンサーの探し方を解説

民事再生における「スポンサー型」とは

民事再生におけるスポンサー型とは、スポンサーから貸付や出資といった資金援助を受けて事業再建を目指す手法です。なお、スポンサーに事業譲渡して会社を清算する方法もスポンサー型に分類されます。

民事再生におけるスポンサー型を選ぶケースや他の手法との違いについて詳しくみていきましょう。

スポンサー型を選ぶケース

事業再建には資金が必要ですが、手形の不渡りや借金の滞納、買掛金の未入金などがあると、金融機関や取引先との信頼関係が失われています。この場合、自力や関係者との協力による事業再建が難しいため、スポンサー型を選択することになるでしょう。

スポンサー型の民事再生ではスポンサーの存在を公表できるため、企業の信頼回復につながるというメリットがあります。また、スポンサーが持つ資金力に加えて、ノウハウや実績、取引先なども活用可能なため、再建のみならずその後の成長も期待できます。

自力再建型との違い

民事再生は、スポンサー型のほかに「自力再建型」もあります。自力再建型とは、スポンサーをはじめとする第三者に関わることなく、自社の事業によって得た収益だけで事業の再建を図る手法です。債務を減らすことで事業継続できるうえに、十分な利益が出ている場合に選択します。

ただし、民事再生手続きを行うと金融機関からは新規融資を受けることができなくなったり、当座取引が停止されたりするため、資金繰りが厳しくなって事業継続が不可能になる可能性があります。

民事再生のスポンサー型の種類

民事再生のスポンサー型には、いくつかの手法があります。それぞれの特徴について詳しくみていきましょう。

事業譲渡

複数の事業を経営している場合は、その一部をスポンサーに譲渡し、現状の会社を清算する方法があります。

会社分割

会社分割を行い、スポンサーに新設分割会社の株式を譲渡したり、スポンサーに対して吸収分割を行ったりする方法があります。

株式譲渡・募集株式の引き受け

スポンサーへの株式譲渡や、株主が保有する全株式をゼロにして新しいスポンサーに株式を割り当て、出資を受ける方法があります。

プレパッケージ型民事再生

プレパッケージ型民事再生とは、スポンサーを決定し、支援を受けることが決まった状態で民事再生を申し立てる手法です。民事再生前にスポンサーを確保しておくと、企業の信頼性の低下や社員・取引先などの不安を軽減できます。

ただし、民事再生の申し立ての前段階では経営状況に問題があるため、スポンサー選定の時間を確保できないケースも多いでしょう。

民事再生におけるスポンサーの探し方

それでは、民事再生におけるスポンサーはどのように探せばよいのか詳しく解説します。

よく知る会社に直接交渉する

会社に直接交渉することで情報漏えいのリスクを軽減できます。ただし、会社再建に成功するかどうかが不確定な状況で、スポンサーになってくれる企業を探すことは困難です。普段からよく知る会社に直接交渉してみてもよいでしょう。また、債権者である金融機関に相談すると、取引企業を紹介してくれる場合があります。

入札

複数のスポンサー候補を見つけたうえで、入札を行う方法があります。複数の会社に自社の状況を開示することになるため情報漏えいのリスクが高まりますが、うまくいけば有利な条件でスポンサーを確保できます。

スポンサーが見つからないときの対処法

スポンサーが見つからないときは、自力再建型に切り替える必要があります。債権者との交渉や調整などには専門知識が必要なため、弁護士のサポートを受けることが大切です。

また、スポンサー探しにつまづきそうな場合は、あらかじめ弁護士に相談しておくことでスポンサー探しや選定などのアドバイスを得られ、会社の不利益を最小限に抑えられるでしょう。

まとめ

民事再生におけるスポンサー型は、スポンサーからの資金援助によって再建を目指す手法です。状況が悪い会社のスポンサーになってくれる企業を探すのは難しく、また不利な条件を承諾せざるを得なくなる場合があります。民事再生を検討している方は、自力再建型かスポンサー型かを問わず、弁護士のサポートを受けることが大切です。

民事再生について自社の不利益を最小限に抑えつつ再建を目指したい方は、梅田パートナーズ法律事務所までお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
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このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

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