セーフティネット保障制度とは？利用条件から手続きの流れ・必要書類まで解説

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事業活動の制限や災害などの影響で経営の安定に支障をきたしている中小企業は、セーフティネット保証制度を利用できる可能性があります。同制度を利用できれば、より手厚い保証を受けられるようになります。ここでは、セーフティネット保証制度の概要や利用条件、手続きの流れ、必要書類などについて詳しくご紹介します。

• 1 セーフティネット保証制度とは
• 2 保証料率
• 3 そもそも保証融資とは
• 4 セーフティネット保証制度を利用できる条件
  • 4.1 1号
  • 4.2 2号
  • 4.3 5号
• 5 セーフティネット保証制度の手続きの流れ
  • 5.1 1.認定申請
  • 5.2 2.保証付融資のお申込み
  • 5.3 3.保証審査
  • 5.4 4.保証融資の実行
• 6 まとめ

セーフティネット保証制度とは

セーフティネット保証制度とは、中小企業信用保険法で定められる要因により、安定した経営ができなくなっている中小企業者に対し、信用保証協会における保証に別枠を設けることで資金調達を円滑化する制度です。

保証料率

保証料率は信用保証協会および保証制度によって異なります。危機関連保証は0.8％以内、そのほかは1％以内で定められています。一般保証限度額は普通保証2億円以内、無担保保証8,000万円以内、無担保無保証人保証2,000万円以内であり、別枠の保証限度額も同額です。ただし、経営安定関連保証6号における普通保証の別枠保証限度額は3億円以内と定められています。

そもそも保証融資とは

保証融資とは、信用保証協会の保証のもとで利用する融資のことです。中小企業は大企業と比べて経営リスクが高いため、貸し倒れリスクを伴います。そこで、信用保証協会が債務保証をすることで、金融機関は中小企業や個人事業主に融資をしやすくなります。

返済が困難になった際は信用保証協会が金融機関に代位弁済するため、金融機関は債権回収が可能です。信用保証協会は47都道府県および横浜市・川崎市・名古屋市・岐阜市にあります。

セーフティネット保証制度を利用できる条件

セーフティネット保証制度を利用できる条件は、1～8号で異なります。複数の号を併用したり複数回利用したりはできません。

• 1号……大型倒産の影響を受けている
• 2号……取引先企業の事業活動の制限により影響を受けている
• 3号……特定地域の災害等で影響を受けている特定業種
• 4号……特定地域の災害等で影響を受けている
• 5号……全国的に業況が悪化している業種
• 6号……金融機関の破綻で資金繰りが悪化している
• 7号……金融機関の合理化（支店の削減等）により融資額が減少している
• 8号……整理回収機構または産業再生機構に貸付債権が譲渡された再生可能な中小企業者

上記の中でもよく聞くのが1号・2号・5号でしょう。それぞれの詳細を解説します。

1号

大型倒産が起きた際に、その業者と取引のあった中小企業者が売掛金を回収できないために連鎖倒産するのを防ぐことが目的です。売掛債権の金額や取引規模などに関する要件が定められています。

2号

生産量や販売量の縮小、店舗削減など、事業活動を制限している業者と直接的・間接的に取引がある中小企業者の支援を目的としています。取引依存度や売上高の減少割合などに関する要件が定められています。

5号

全国的に業況が悪化している業種の中小企業者の支援が目的です。平成22年2月15日から開始された景気対応緊急保障制度により、農林水産業や金融業など一部の業種を除き、全業種が対象となっています。売上高の減少割合や売上総利益率、営業利益率の減少などに関する要件が定められています。

セーフティネット保証制度の手続きの流れ

セーフティネット保証制度の利用の流れは次のとおりです。

1.認定申請

市町村の商工担当課などの窓口へ、必要書類を添えて申請します。法人は登記上の住所地、あるいは、事業を行っている事業所の所在地、個人事業主は事業を行っている事業所の所在地を管轄する役所窓口です。必要書類は市町村によって異なる場合があるため、事前に窓口へ確認を取りましょう。

2.保証付融資のお申込み

認定書を取得したら、所定の金融機関へ保証付融資を申し込みます。

3.保証審査

信用保証協会が申込内容に基づいて審査をします。

4.保証融資の実行

審査に通過できれば、保証融資が実行されます。

まとめ

セーフティネット保証制度を利用することで、より多くの保証融資を受けられます。利用には審査に通過する必要があるため、対象になっているかどうか確認のうえで申し込みましょう。また、セーフティネット保証制度をはじめとした各制度を利用しても事業の立て直しが難しい場合は、債務整理手続きも検討することが大切です。

あらゆる方法を組み合わせて、再起の道を見つけましょう。梅田パートナーズ法律事務所では、事業再建や破産手続きなどのサポートをしております。まずはお気軽にご相談ください。

この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所
大阪弁護士会【登録番号 49195】