歯科医院の廃業はコロナで増えた?歯科医業界の動向と知っておきたい破産手続きの流れ
新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴い、さまざまな業界が大きな打撃を受けています。それでは、歯科医業界はコロナの影響をどれぐらい受けたのでしょうか。ここでは、歯科医院の廃業はコロナで増えたのかどうかをお伝えすると共に、知っておきたい破産手続きの流れをご紹介します。
歯科医業界の動向
歯科医業界は以前から激戦であり、1医院あたりの売上は低下傾向にあるとされていました。帝国データバンクの資料によると、2019年に廃業した歯科医院は15件で、これは2018年の23件に次ぐ水準です※。2020年以降のデータはありませんが、コロナの最初の感染者が現れたのは2019年12月初旬です。また、2020年1月23日に東京都内で初めての感染者が確認されました。
コロナで歯科医院の廃業が増えたかどうかは現時点では不明ですが、コロナ禍になる前からすでに歯科医院の廃業件数の水準が高くなり始めていました。
※出典元:帝国データバンク「医療機関の倒産動向調査(2019年)」
歯科医院の廃業が増えると考えられる要因
歯科医院はコロナの影響の煽りを受け、一時的に廃業が増えると考えられます。実際に、コロナ禍において休診日を増やし、予防対策の検討を重ねてきたものの、再開の目途が立たずに閉院した歯科医院があります。
ワクチン接種や治療薬の開発が進んでいることから、このような事態に陥るケースは減ることが予想されていますが、コロナの影響で大きな打撃を受け、立て直すことができずに廃業に至るケースも出てくるでしょう。
また、近年は女性の歯科医師が続々と登場しており、結婚や出産を機に廃業するケースも増えてくることが予想されています。
歯科医院の廃業を検討する際のポイント
歯科医院の廃業を検討する際は、次のポイントを確認しましょう。
黒字化が期待できるか
営業利益を黒字化できるかどうかを見極めましょう。コロナの影響で営業利益が赤字になっても、黒字化の見込みがある場合は廃業する必要はありません。
緊急時に使える資金がある
営業利益が赤字でも、しばらくの間は耐えられる程度の資金がある場合は、歯科医院を続けてもよいでしょう。ただし、資金はいずれ底をつくので、やはり黒字化できるかどうかが重要なポイントです。
金融機関から借り入れできるか
金融機関から借り入れできるのであれば、しばらくは持ちこたえられるでしょう。ただし、借入金はいずれ完済しなければなりません。黒字化の見込みがないのに借り入れると、借金が増えてしまう一方です。
苦しい状況でも歯科医院を続ける意味はあるのか
赤字に落ち込んでいるものの、努力で黒字化してまで歯科医院を続けたいと思うのかを考えましょう。今後も歯科医院を継続したいのであれば、債務整理や経費削減など可能な限りの対策をしてみてはいかがでしょうか。
歯科医院の破産手続きの流れと必要書類
医療法人の場合は、医療法人だけではなくその理事長なども破産手続きが必要です。歯科医院の破産手続きの流れについて、詳しく見ていきましょう。
1.必要書類を準備する
歯科医院が破産手続きをする際は、次の書類が必要です。
- 破産手続開始・免責許可申立書
- 資産目録
- 住民票
- 債権者の一覧
- 報告書(陳述書)
- すべての疎明資料
- 確定申告書(法人の場合)
破産手続きを申し立てる
裁判所へ破産手続きの申し立てを行い、必要書類を提出します。その後、破産管財人が選任されます。債務状況の確認、債権者集会などの手続きが進み、裁判所の許可が下りれば全ての債務が免責となり、返済の義務がなくなります。
歯科医院の破産手続きにかかる費用
歯科医院んお破産手続きの際は、弁護士に代理人を依頼することが一般的です。費用相場は個人と医療法人で異なります。個人は40~60万円、医療法人は80~110万円程度が相場です。ただし、弁護士によって費用が大きく異なるため、十分に確認する必要があります。また、交通費や相談料などが別途かかる場合もあるので、あわせて確認しましょう。
まとめ
歯科医院の廃業はコロナの影響で増えることが見込まれています。もし、すでに大きな打撃を受けており、廃業を検討しているのであれば、弁護士に相談してみるのがおすすめです。梅田パートナーズ法律事務所では、廃業した方がよいかどうかを含め、破産手続きや廃業に関する法的サポートを行っております。まずはお気軽にご相談ください。
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