小規模企業共済の貸付制度とは?種類ごとに限度額・借入期間・返済方法を解説!

2021.4.10

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小規模企業共済には、低金利で借り入れできる貸付制度があります。事業資金や廃業資金などの問題に悩んでいる方は、貸付制度の概要をチェックしましょう。ここでは、小規模企業共済の貸付制度の種類と、それぞれの限度額・借入期間・返済方法を詳しくご紹介します。

小規模企業共済の貸付制度とは

小規模企業共済とは、小規模企業の経営者・役員、個人事業主などが掛金を積み立てることで、退職時に退職金を受け取れる制度です。掛金は全額所得控除の対象になるため、節税対策としても役立ちます。

また、掛金の納付期間に応じた範囲内で、事業資金などの貸し付けを受けることができます。

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小規模企業共済の貸付制度の種類

小規模企業共済の貸付制度は、全部で7種類あります。それぞれの限度額と借入期間、返済方法について詳しくみていきましょう。

一般貸付制度

一般貸付制度とは、事業資金が足りなくなったときに借り入れできる制度です。掛金の納付月数に応じて、掛金の7~9割に相当する金額を10万~2,000万円の範囲内で借り入れできます。

貸付限度額は、毎年4月と10月時点の掛金残高と納付月数に応じて設定されます。また、借入期間は次のように借入金額に応じて異なります。

  • ~100万円……6ヶ月・12ヶ月
  • 105万~300万円……6ヶ月・12ヶ月・24ヶ月
  • 305万~500万円……6ヶ月・12ヶ月・24ヶ月・36ヶ月
  • 505万円以上……6ヶ月・12ヶ月・24ヶ月・36ヶ月・60ヶ月

返済方法は、借入期間が6ヶ月あるいは12ヶ月の場合は一括償還、24ヶ月以上の場合は6ヶ月ごとの元金均等割賦償還(元金のみ均等になるように返済する方法)です。

緊急経営安定貸付け

緊急経営安定貸付けとは、経済環境の変化が原因で売上が一時的に減少し、資金繰りが厳しくなった際に事業資金を借り入れできる制度です。借入限度額は、50万~1,000万円のうち、掛金総額の7~9割に相当する額で、掛金納付月数に応じて異なります。

借入限度額が決まるのは、毎年4月と10月です。借入期間は、借入金額500万円以下で36ヶ月、505万円以上で60ヶ月です。いずれの場合も、6ヶ月ごとの元金均等割賦償還で返済します。

傷病災害時貸付け

傷病災害時貸付けは、病気やケガが原因で一時的に入院した、あるいは災害救助法の対象となる災害で被害を受けた際に、経営を安定化させることを目的に事業資金を借り入れできる制度です。借入限度額は掛金の7~9割、かつ50万~1,000万円で、掛金納付月数に応じて決まります。1,000万円を超えるときは、下記の計算式で借入限度額を算出します。

(流動負債-当座資金)+1/2(給与 + 賃金 + その他経費)

借入限度額の算定基準日は毎年4月と10月です。また、借入期間は借入金額によって異なり、500万円以下の場合は36ヶ月、505万円以上の場合は60ヶ月です。借入金は、6か月ごとの元金均等割賦償還で返済します。

福祉対応貸付け

福祉対応貸付けは、共有契約者あるいは同居親族の福祉向上を目的に住宅改造・福祉機器などを行う場合に、その資金を借り入れできる制度です。借入限度額は掛金納付月数に応じて掛金の7~9割(50万~1,000万円)で決まります。借入限度額が設定されるのは毎年4月と10月です。借入期間は借入金額が500万円以下で36ヶ月、505万円で60ヶ月です。借入金は、6ヶ月ごとの元金均等割賦償還で返済します。

創業転業時・新規事業展開等貸付け

創業転業時・新規事業展開等貸付けは、新規開業や転業、事業の多角化の際に必要な資金を借り入れできる制度です。借入限度額は納付月数に応じて掛金の7~9割で決まり、50万~1,000万円の範囲で借り入れできます。借入限度額が決まるのは毎年4月と10月の年2回です。借入期間は借入金額に応じて決まり、500万円以下は36ヶ月、505万円以上は60ヶ月です。

返済方法は6ヶ月ごとの元金均等割賦償還で、返済が進むにつれて利子が少なくなります。

事業承継貸付け

事業資金貸し付けは、事業承継に必要な資金を借り入れできる制度です。借入限度額は掛金納付月数に応じて掛金の7~9割となり、50万~1,000万円の範囲で決まります。借入限度額が決まるのは4月と10月の年2回です。

借入期間は借入金額500万円以下が36ヶ月、505万円以上が60ヶ月です。返済方法は他の貸付制度と同じく6ヶ月ごとの元金均等割賦償還を採用しています。

廃業準備貸付け

廃業準備貸付けは、個人事業の廃業または会社の解散に必要な設備の処分費用や精算の諸費用など借り入れできる制度です。借入限度額は掛金納付月数に応じて掛金の7~9割となり、50万~1,000万円の範囲で決定します。また、借入限度額は4月と10月に掛金納付月数と掛金から算定されます。借入期間は12ヶ月で、返済方法は期限一括償還です。

まとめ

小規模企業共済の貸付制度を活用すれば、事業資金や廃業資金の問題を解決できる可能性があります。資金繰りにお悩みの方や手続きの代行をお求めの方は、梅田パートナーズ法律事務所にお任せください。豊富な知識に基づいた的確な対応で皆さまをサポートいたします。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

事務所概要

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