会社の固定資産を売却する際のポイントは?注意点や方法を解説

2026.2.8

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会社の固定資産を売却する際には、会計処理や税務上の注意点を理解し、適切な手続きを行うことが重要です。本記事では、固定資産の売却に関する基本的な知識から、会計処理の方法、税務上の留意点までを解説します。

この記事の監修者

弁護士法人 梅田パートナーズ法律事務所
代表弁護士 西村 雄大

資格・登録機関
所属団体

固定資産売却の基本的な考え方

固定資産とは、企業が長期にわたり使用する目的で保有する資産であり、建物、土地、機械装置、車両、備品などが該当します。

これらの資産を売却する際には、帳簿価額と売却価額の差額に応じて、売却益または売却損が発生します。売却益は「固定資産売却益」として収益に計上され、売却損は「固定資産売却損」として費用に計上されます。

帳簿価額の算出方法

帳簿価額は、固定資産の取得原価から減価償却累計額を差し引いた金額です。例えば、取得原価が1,000万円で減価償却累計額が400万円の場合、帳簿価額は600万円となります。

売却価額が帳簿価額を上回る場合、その差額を「固定資産売却益」として収益に計上します。逆に、売却価額が帳簿価額を下回る場合、その差額を「固定資産売却損」として費用に計上します。

消費税の取り扱い

固定資産の売却に際しては、消費税の課税対象となる場合があります。売却益が発生していない場合でも、売却価額に対して消費税が課税される点に注意が必要です。

消費税の課税対象

固定資産の売却は、消費税法上の課税取引に該当するため、売却価額に対して消費税が課税されます。ただし、土地の譲渡は非課税取引となります。

仕訳時の消費税処理

消費税を含む売却の場合、仮受消費税として処理し、適切に消費税申告を行う必要があります。会計ソフトを使用する場合でも、消費税の設定を確認し、正確な仕訳を行うことが重要です。

親子会社間での固定資産取引の注意点

親子会社間で固定資産の売却を行う場合、税務上の特別な規定が適用されることがあります。

グループ法人税制の適用

100%の資本関係にある内国法人間での固定資産の譲渡は、グループ法人税制の適用対象となり、譲渡損益が繰延べられる場合があります。これにより、売却益や売却損が発生しないものとして扱われるため、税務申告時には注意が必要です。

時価での取引の重要性

親子会社間で固定資産を売却する場合でも、適正な「時価」で取引を行うことが原則です。実勢価格とかけ離れた価格で売買すると、税務署から寄附金や受贈益として認定され、追徴課税を受けるおそれがあります。特に、低価格で売却した場合は注意が必要です。

適正な時価は、不動産鑑定評価や第三者による査定をもとに設定することで、税務リスクの回避につながります。関係会社間だからこそ、より客観性・透明性が求められます。

固定資産売却時の損益への影響

固定資産を売却すると、その売却益または売却損が「特別利益」「特別損失」として計上され、会社の決算に影響を与えます。

損益計算書へのインパクト

固定資産の売却によって一時的な利益が出ると、当期の利益が大きく跳ね上がる場合があります。逆に、大きな売却損が発生した場合には、当期の純利益を大きく押し下げることになります。投資家や金融機関に対する印象にもつながるため、売却時期の見極めが重要です。

資金繰りの改善とリスクの両立

固定資産の売却により即時の資金確保が可能になりますが、事業に不可欠な設備を売却してしまうと、将来的な利益の源泉を失うことにもなりかねません。特に、工場設備や店舗などを売却する場合は、資金調達以外の手段(例:リースバックなど)との比較検討も必要です。

固定資産売却を進めるための実務フロー

固定資産の売却をスムーズに進めるためには、社内手続き・法務・税務の各側面から準備が必要です。以下に代表的なフローを紹介します。

社内決裁と承認手続

まず、取締役会や経営会議などで売却方針を決定し、必要に応じて株主総会の承認を得ます。特に、資産の重要性が高い場合や、売却価格が高額な場合には、社内規程に基づく正式な承認手続が求められます。

資産の評価と価格の決定

売却資産が不動産である場合には、不動産鑑定士による評価、もしくは不動産業者による査定を活用することで、適正な価格を算出します。その他の設備なども、簿価や減価償却累計額を踏まえたうえで価格を設定しましょう。

買主との契約締結

価格と条件に合意できたら、売買契約を締結します。契約書には、売却対象・代金・支払条件・所有権移転時期などを明記します。不動産であれば、登記移転手続も必要になります。

売却後の会計処理と税務申告

実際に売却が完了したら、会計上は仕訳を行い、損益を計上します。また、消費税の課税処理や法人税の申告において、売却益・売却損を正しく申告する必要があります。

まとめ

固定資産の売却は、資金調達や資産の見直しという面で企業経営にとって重要な選択肢です。売却による一時的なキャッシュの確保は魅力的ですが、損益計算や税務リスクを見落とすと、思わぬ損失やペナルティにつながる可能性もあります。

会社の資産整理や固定資産売却は、事業再構築や資金繰りの重要な局面であると同時に、税務・法務の複雑な知識が求められます。

梅田パートナーズ法律事務所では、企業法務や事業再編に精通した弁護士が、貴社の固定資産売却に伴うリスクや最適な手続きを丁寧にサポートいたします。

まずはお気軽にご相談ください。

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弁護士ご紹介

代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

テレビ出演

・2025年 日本テレビ様のnews zeroにて脱毛サロン“ミュゼ”「解散を決定」」についてリモート出演しました。

・2025年 日本テレビ様のnews zeroにて脱毛サロン“ミュゼ”休業「給料未払い」」についてリモート出演しました。

提供元:日テレNEWS NNN

・2025年 関西テレビ様の「newsランナー」にて、ミュゼプラチナム従業員が破産申し立て」についてコメント出演しました。

・2024年 関西テレビ様の「ドっとコネクト」にて、「アリシアクリニックの破産」についてリモート出演しました。

・2024年 日本テレビ様の「news zero」にて、「アリシアクリニックの破産 利用者への返金」についてコメント出演しました。

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

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