建設業･建築業の資金調達の方法とは？資金繰りについて知っておくべきことも解説

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建設業･建築業は、労働の対価となるお金が数ヶ月後に入ることが一般的です。もし、取引先の資金繰りが厳しくて支払いができないことになれば、自身が外注先や資材の仕入れ先に支払うお金も確保できません。このような特殊な事態があることは覚えておくべきでしょう。

本記事では、建設業･建築業の資金調達の方法や資金繰りについて知っておくべきことについて解説します。

• 1 建設業･建築業の資金繰りの特徴
• 2 建設業･建築業が資金繰りで悩まないようにするには？
  • 2.1 得意先の経営状況の確認
  • 2.2 入金・出金のサイクルの最適化
  • 2.3 支払いと入金のタイミングの調整
  • 2.4 お金がたまる仕組みの構築
  • 2.5 儲ける（利益を出す）仕組みの構築
• 3 建設業･建築業の資金調達のポイント
  • 3.1 短期間で借りて短期間で返済する
  • 3.2 長期間の融資で基盤を作る
• 4 まとめ

建設業･建築業の資金繰りの特徴

建設業や建築業における資金繰りは、独自の特徴があり、効果的な資金計画と管理が求められます。建設プロジェクトが始まる前に、必要な建材や資材を調達する必要があります。大規模で高額な資材調達が先行し、事前の支払いが不可避です。これにはクレジットの活用や前払い契約が一般的です。

労働力や特定の作業を外部業者に委託する場合、外注費の支払いが発生します。同時に、従業員への給与支払いも大きなコストです。これらの支払いはプロジェクトが進行する中で継続的に発生し、現金の流出を伴います。

工事が完了してからクライアントからの入金までには、確認や手続きにかかる期間があります。この遅延により、資金が事前に発生した支出を補填する必要が生じます。プロジェクトの規模やクライアントとの契約条件により、入金までの期間は1～2ヶ月かかることが一般的です。

建設業･建築業が資金繰りで悩まないようにするには？

建設業･建築業が資金繰りで倒産しないようにするために、次のように対応しましょう。

得意先の経営状況の確認

信頼性の高い情報源や信用調査機関を利用して、得意先の財務状況や支払履歴を確認します。また、過去の取引実績や口コミを調査することで、信頼性の評価を行います。顧客の経営状況に問題が見られる場合は、クレジット条件の見直しや入金スケジュールの調整を検討します。

入金・出金のサイクルの最適化

大規模工事では契約時に前金を取るなど、入金サイクルを早める交渉を行います。同時に、支払いサイクルは材料や外注費の支払いを作業後の2ヶ月後にするなど、出金を遅らせる工夫をします。これにより、現金を確保しやすくなります。

支払いと入金のタイミングの調整

入金サイクルの早期化に加えて、支払いサイクルも調整します。具体的には、工事進捗に応じて前金交渉を行うことで、収入を早めに確保します。同時に、支払いはプロジェクトの進捗に合わせて調整し、資金の流れをスムーズにします。

お金がたまる仕組みの構築

安定した資金繰りを確保するために、プロジェクトごとに予算を立て、収入と支出を適切に調整します。また、緊急時に備えて予備資金を確保することも検討します。これにより、資金不足に陥るリスクを軽減します。

儲ける（利益を出す）仕組みの構築

資金繰りが安定したら、次に収益の最大化を図ります。コスト管理を強化し、無駄な経費を削減します。プロジェクト管理を効率的に行い、スケジュールの遵守や品質向上を図ります。また、新たな収益源を見つけるための市場調査も重要です

建設業･建築業の資金調達のポイント

建設業・建築業が資金繰りに困らないために、次の資金調達のポイントを押さえておきましょう。

短期間で借りて短期間で返済する

工事受注後の半年から1年間の短期間に資金調達する方法です。必要なタイミングで借り入れて、なるべく短期間で返済します。金利は比較的高く、得意先の財務状態や請負契約書の提出が条件となります。銀行は貸し倒れリスクを抑えるために、条件に応じてさまざまな資料の提出を求めます。なるべく多くの資料を用意して、信用力を高めましょう。

長期間の融資で基盤を作る

短期融資を繰り返すことで企業に利益が蓄積し、返済実績が積まれると、融資枠が増加し長期融資の検討が可能になります。この取引を繰り返すことで、企業は安定した融資環境を築けます。

急な仕事にも柔軟に対応でき、経営の選択肢が増えます。金融機関は融資期間が長くなるほどリスクが上がるため、融資額は小さくなりがちですが、効果的に活用できる手段です。

まとめ

建設業・建築業では、信頼性のあるお客様を選定し、「黒字倒産」を防ぐための基盤を築くことが不可欠です。また、入金・出金のサイクルの設定も重要で、「入りは早く、出は遅く」なるような資金繰りサイクルを確立しましょう。これにより、資金の安定供給が図れます。

さらに、銀行借入や融資の活用が必要です。短期の資金調達を行い、必要なタイミングで調達できるようにします。同時に、長期の銀行借入や融資も検討し、経営基盤を安定化させます。資金繰り表の活用も欠かせず、支払いと入金のタイミングを管理し、リスクを最小限に抑えましょう。

もし、資金繰りが厳しくなった場合は、影響を抑えるために弁護士に相談することが大切です。梅田パートナーズ法律事務所では、債務整理をはじめとした企業の再建・精算手続きをサポートしておりますのでお気軽にご相談ください。

この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所
大阪弁護士会【登録番号 49195】