信用保証協会は返済不能で債務免除に応じることはある?実情や対応方法について解説

2024.9.1

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信用保証協会の借入金を返済できない場合、債務免除は可能なのか気になる方は多いのではないでしょうか。信用保証協会は日本政策金融公庫を資金源としているため、その財源は国民の税金です。そのため、債務免除は難しいと考えている方は少なくありません。

この記事では、信用保証協会からの借入金の債務免除について、実情や対応方法を詳しく解説します。
(出典:全国信用保証協会連合会)

この記事をわかりやすく解説
  • 信用保証協会の借入金の債務免除がが合理的な選択なら認められるかも
  • 一部弁済による債務免除制度について解説
  • ある程度の返済実績を積み上げてから遅延損害金の減額交渉へ
  • 信用保証協会を利用したい場合のポイントを紹介

信用保証協会の借入金の債務免除は可能

信用保証協会による債務免除は可能です。元々の財源が国民の税金だからといって債務免除を認めない場合は破産せざるを得なくなり、利害関係者にとってもプラスになりません。債務免除が合理的な選択と考えられる場合は、認められる可能性があります。

一部弁済による債務免除制度

信用保証協会の保証による借入金を返済できない場合、保証協会が代位返済し、その後に企業に請求します。

代位弁済とは、信用保証協会が代わりに弁済する制度のことです。債務者は信用保証協会に借入金を返済することになります。代位返済となるのは、3回以上の支払いの延滞、または90日以上の支払いの延滞が生じた場合です。

債務者である企業ではなく、連帯保証人が返済することになった場合、金額によっては生活に大きな支障をきたすことになりかねません。

連帯保証人が債務の返済が難しい場合、自己破産のような債務整理手続を行うことになるでしょう。その場合、まずは信用保証協会の「一部弁済による債務免除制度」を確認してください。

これは、連帯保証人が預金や生命保険といった財産を証明する書類、所得証明書、給与証明書などを提出し、信用保証協会が独自の観点から承認した金額のみを支払うことで、債務の一部が免除される制度です。

なお、平成18年4月以降は、事業に関係がない第三者が連帯保証人になることは禁止されています。

遅延損害金の減額交渉も可能

連帯保証人が請求を受けた場合、一括返済できないのであれば分割返済を希望することになります。この場合、遅延損害金が発生し、より多額の債務の返済が必要になりますが、減額交渉の余地があります。ただし、返済開始から間もなく減額交渉をしても、承諾されることは通常はありません。

ある程度の返済実績を積み上げてから遅延損害金の減額交渉をしましょう。

求償権消滅保証制度を利用できる

信用保証協会が代位弁済を行った場合、企業が求償債務を負担します。この間は新規の借り入れができないため、事業再生がうまく進まない事態に陥りかねません。

このような場合に利用できる可能性があるのが「求償権消滅保証制度」です。自力での事業再生の見込みがあり、なおかつ合理的な経営改善計画を策定し、外部の専門家や再生審査会などで承認されている場合に利用できます。

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債務の一部または全部が免除され、新たな借り入れが可能になります。

信用保証協会を利用したい場合のポイント

信用保証協会は、誰もが利用できるわけではありません。信用保証協会を利用しなければ事業資金を調達できないケースに備え、以下のポイントを意識しておくことが大切です。

窓口となる金融機関と信頼関係を築く

信用保証協会における融資取引の実務は、窓口となる金融機関が行うことが通常です。
金融機関が信用保証協会に融資希望者の情報や評価を提供し、最終的な融資の判断に至ります。

そのため、窓口となる金融機関と信頼関係を築くことが重要です。

財務状況を自主的に伝える

信用保証協会の信頼を得るために、自主的に財務状況を伝えることが有効です。財務資料を提出し、企業の透明性を保つことで金融機関や信用保証協会から信頼を得やすくなります。

事業計画書を提出する

事業計画書には、融資の必要性や返済計画などの情報を含めます。事業計画書を提出することで、融資の可否を適切に判断できるようになります。また、事業再生に向けた具体的な取組も盛り込むことで、融資成功の可能性が高まるでしょう。

信用保証協会の債務免除では弁護士のサポートが必須

信用保証協会の借入金の債務免除を希望する場合は、弁護士のサポートが必須です。弁護士は法的な専門知識と実務経験を持っており、信用保証協会との交渉や債務免除に関するアドバイスができます。

債務免除の申請には多くの書類の提出はもとより、適切な交渉が必要です。交渉の失敗は事業再生の失敗につながり得るため、信頼できる弁護士に任せましょう。

まとめ

信用保証協会の財源は国民の税金であるものの、債務免除の交渉に応じることが通常です。ただし、日頃から信頼関係を築きつつ、求められた書類の提出や適切なコミュニケーションを取ることが欠かせません。債務超過に陥り、信用保証協会の債務免除を希望する方は梅田パートナーズ法律事務所までお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

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