特別清算とは?流れやメリット・デメリット、破産との違いを解説

2026.2.8

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会社が債務超過に陥った場合は、会社を清算するか再建を目指すかを決める必要があります。このうち、清算型の手続きが特別清算や破産です。

本記事では、特別精算の基礎知識や破産との違い、メリット・デメリット、手続きの流れなどについて詳しく解説します。

この記事の監修者

弁護士法人 梅田パートナーズ法律事務所
代表弁護士 西村 雄大

資格・登録機関
所属団体

特別清算とは

特別精算とは、債務超過に陥った会社を精算する手続きの1つです。会社を廃業する際は、解散して資産や負債の精算が必要になります。処分した資産を換価して債務を完済できる場合は、通常清算を行います。

一方、会社の資産だけでは負債を完済できない場合には、裁判所の監督のもとで精算する特別計算が必要になります。

法人破産(会社破産)との違い

会社を解散・精算する手続きには、法人破産(会社破産)もあります。特別清算の対象は株式会社のみですが、法人破産はすべての法人が対象です。
また、破産手続きに債権者の同意は不要ですが、特別清算は同意が必要となります。このように、破産よりも特別清算の方が行うハードルが高いのです。

特別清算のメリット

それでは、特別清算を選択することにはどのようなメリットがあるのか詳しく解説します。

速やかに精算できる

特別清算は破産と比べて手続きが複雑ではないため、速やかに精算できます。

会社が選任した清算人が財産の管理処分できる

法人破産のほとんどは管財事件に該当し、裁判所が選任する管財人が財産の管理・処分をします。
一方、特別清算は会社が選任した清算人が財産の管理・処分を行います。

予納金が比較的安い

手続きの際は、裁判所に予納金を納める必要があります。破産よりも特別清算の方が予納金が低額な点もメリットです。

特別清算のデメリット

特別清算のデメリットは、利用できるケースが限定的であることです。
前述したとおり、特別清算を行えるのは株式会社のみであり、なおかつ株主総会で解散の決議がされなければなりません。議決権を持つ株主の過半数の出席かつ議決権数の3分の2以上の賛成が必要です。

また、債権者集会において、債権者の過半数が出席かつ総額の3分の2以上の議決権を持つ者の同意が必要です。このように、経営者の意思1つで手続きを進めることができないため、行えるケースが限定されています。

特別清算の流れ

それでは、特別清算手続きの流れについて詳しくみていきましょう。

1.会社解散の決議

まずは、株主総会で解散決議を行います。議決権を持つ株主の過半数の出席かつ議決権数の3分の2以上の賛成が必要です。

2.清算人を選任する

同時に、清算事務を行う清算人を選任します。代表取締役を選任することもありますが、法務実務が関わるため、専門家である弁護士を選任することも検討しましょう。

3.清算人の選出

清算人は、株式会社の財産目録と賃借対照表を作成し、株式総会で承認を得ます。債権届出を一定期間に行う旨を官報へ公告するとともに、把握している債権者に個別で催告します。

4.特別清算の申立

裁判所に特別清算を申し立てます。特別清算するための次のいずれかの要件を満たしていることを確認できれば、特別精算開始命令が出されます。

  • 精算の遂行に著しい支障をきたす事情がある
  • 債務超過の疑いがある

特別清算開始命令が出されると、会社の財産に対する保全処分や強制執行などの効力は失われます。また、株式総会で選任された人物が清算人に就任します。

5.協定案の作成

清算人は、必要に応じて協定案を作成します。株式会社が債務超過に陥った場合、債務の一部または全額が免除されたうえで、残額の弁済が必要です。この弁済には、協定を用いた方法と和解があります。

協定による方法を選ぶ場合は、清算人が下記の情報を記載した協定案を作成し、裁判所へ提出します。

  • 返済金額
  • 弁済期限
  • 免除額 など

弁済期限や免除額などについては、債権者間で平等な立場で話し合いを行い、決定する必要があります。

6.債権者集会の開催

協定案の提出後、裁判所の許可を得たうえで債権者集会を行います。協定が可決されるのは、債権者の過半数が出席かつ総額の3分の2以上の議決権を持つ者の同意があった場合です。

なお、和解の場合は債権者集会を開くのではなく、裁判所の許可を得たうえで債権者と個別に和解します。

7. 特別清算終結登記

協定または和解の内容に従い、債権者への弁済を完了すると、特別清算は終了となります。裁判所によって特別清算終結登記がされて、会社が消滅します。

なお、債権者からの同意を得られなかった場合は、特別清算手続きが終了し、法人破産へ移行します。

まとめ

特別清算や破産手続きを行う際は、法的なサポートを行える弁護士に相談しましょう。
梅田パートナーズ法律事務所では、特別清算・破産のどちらを選んだ方がよいかのアドバイスや全面的なサポートを行っております。まずはお気軽にご相談ください。

特別清算に関するFAQ

Q「特別清算」と普通の「破産」は何が違うのですか?
最大の違いは、経営者自身が主導権を握れる点と、倒産のイメージ(レッテル)が柔らかい点です。 通常の破産(自己破産)は、裁判所が選んだ見ず知らずの弁護士(破産管財人)が会社を管理・処分しますが、特別清算では、もとの経営者が「清算人」となって手続きを進めることができます。 また、「破産」という言葉を使わないため、対外的な信用毀損を多少抑えることができ、親会社が子会社を整理する場合などによく利用されます。
Qどのような会社でも特別清算を利用できますか?
いいえ、株式会社(特例有限会社含む)に限られます。 合同会社や合資会社は利用できません。また、最も重要な条件として、大口債権者(銀行など)の同意・協力が不可欠です。 債権者が強く反対している場合や、粉飾決算などの不正が疑われて厳格な調査が必要な場合は、特別清算は認められず、通常の破産手続きへ移行することになります。
Q債権者の同意はどれくらい必要ですか? 全員の同意が必要ですか?
協定型の手続きの場合、債権額の「3分の2以上」の同意が必要です。 法律上、債権者集会に出席した債権者の過半数かつ、議決権総額の3分の2以上の同意があれば、反対する少数の債権者も拘束する「協定」を成立させることができます。 実務上は、金融機関などの大口債権者と事前に綿密な根回し(事前調整)を行い、同意を取り付けてから申し立てるのが一般的です。
Q費用は破産と比べて安くなりますか?
裁判所に納める予納金が安くなるケースが多いです。 通常の破産(管財事件)の場合、予納金は最低20万円から、負債額に応じて数百万円になります。一方、特別清算の予納金は数万円〜十数万円程度で済むことが一般的です。 ただし、弁護士費用については、債権者との交渉という高度な業務が発生するため、破産と同等か、事案によっては高くなることもあります。トータルコストとメリットを比較する必要があります。
Q第二会社方式(事業譲渡)とセットで使われると聞きました。どういう仕組みですか?
事業再生の王道的な手法の一つです。 まず、良い事業(資産や従業員)を、新しく作ったきれいな会社(第二会社)に譲渡します。 その後、古い会社には「借金」と「不要な資産」だけを残し、この古い会社を「特別清算」で消滅させます。 これにより、事業自体は借金のない状態で存続させ、従業員の雇用も守ることができるため、中小企業の再生実務で非常に有効な手段です。
Q社長である私が「清算人」になれるというのは本当ですか?
はい、本当です。これが特別清算の大きな特徴です。 通常の破産では社長は経営権を失いますが、特別清算では原則として、これまでの取締役(社長)がそのまま「清算人」に就任し、財産の処分や弁済の実務を行います。 自ら会社の幕引きを行えるため、心情的な納得感が高く、事情を知っている社長が動くことで手続きがスムーズに進むメリットがあります。
Q親会社が子会社を整理する場合、なぜ破産ではなく特別清算を選ぶのですか?
親会社の税務上のメリットと、信用の維持が目的です。 親会社が子会社に対する債権を放棄し、特別清算で損失を確定させることで、その損失を「損金(税金上の経費)」として処理しやすくなります(貸倒損失の計上)。 また、「子会社が破産した」というニュースは親会社の株価や信用に悪影響を与えますが、特別清算であれば「グループ再編の一環」という前向きな説明がしやすいためです。
Q裁判所による調査や監督は厳しいですか?
通常の破産に比べると、裁判所の関与は緩やかです。 破産手続きでは、破産管財人による厳格な財産調査や、郵便物の転送(中身のチェック)、居住制限などが行われます。 一方、特別清算はあくまで「債権者と会社の話し合い」をベースにした手続きであるため、不正の疑いがない限り、裁判所や監督委員による厳しい生活介入はありません。
Qもし途中で債権者が反対したらどうなりますか?
通常の「破産手続き」へ移行します。 特別清算の申立て後、協定案が否決されたり、手続きを進めることが困難であると裁判所が判断した場合、職権で通常の破産手続きに切り替わります(牽連破産といいます)。 こうなると、当初予定していた「社長が清算人になる」プランは崩れ、裁判所が選任した破産管財人が乗り込んでくることになるため、事前の根回しが何より重要です。
Q代表者の個人保証(連帯保証)はどうなりますか?
特別清算をしても、個人の保証債務は消えません。 会社の手続きとは別に、代表者個人の借金整理が必要です。 ただし、特別清算が成功するということは、債権者(銀行)と良好な話し合いができている証拠です。そのため、個人の保証債務についても「経営者保証ガイドライン」を利用し、破産せずに自宅を残すなどの柔軟な解決ができる可能性が、通常の破産よりも高まると言えます。

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弁護士ご紹介

代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

テレビ出演

・2025年 日本テレビ様のnews zeroにて脱毛サロン“ミュゼ”「解散を決定」」についてリモート出演しました。

・2025年 日本テレビ様のnews zeroにて脱毛サロン“ミュゼ”休業「給料未払い」」についてリモート出演しました。

提供元:日テレNEWS NNN

・2025年 関西テレビ様の「newsランナー」にて、ミュゼプラチナム従業員が破産申し立て」についてコメント出演しました。

・2024年 関西テレビ様の「ドっとコネクト」にて、「アリシアクリニックの破産」についてリモート出演しました。

・2024年 日本テレビ様の「news zero」にて、「アリシアクリニックの破産 利用者への返金」についてコメント出演しました。

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

事務所概要

事務所

事務所

住所
〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満4-6-4 R-Ⅱビル2階
最寄駅
・京阪電鉄「北浜駅」「なにわ橋駅」より徒歩5分
・大阪メトロ「淀屋橋駅」より徒歩10分
電話番号
0120-074-013
(電話受付時間:土日祝日問わず 9:00~22:00)
営業時間
平日:9:30~18:30
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