銀行から借金の一括返済を求められた場合の対応は?対策と備えについても解説

2022.4.20

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銀行から融資を受けている場合、毎月少しずつ返済しながら事業を継続します。この場合、銀行から借金の一括返済を求められると、事業継続ができなくなる恐れがあります。

そもそも、銀行から借金の一括請求を求められるのはどのようなケースなのでしょうか。

銀行から借金の一括返済を求められるケースと対策、備えておきたいことなどについて詳しくご紹介します。

この記事をわかりやすく解説
  • 借金の一括返済ができない場合は担保の資産を没収される可能性がある
  • 借金の一括返済を求められるのは企業の業績が悪化したときや経営者が交代したとき
  • 銀行から借金の一括返済を求められたときの対処法を解説
  • 事業継続ができなくなったり倒産したりといった影響を抑える方法

借金の一括返済を求められることの問題点

借金の一括返済を求められると、一時的に多額の資金が必要になります。その資金は、他の金融機関からの融資や事業の運転資金などから捻出することになるでしょう。

そうなれば、他の金融機関への返済に支障をきたしたり、事業継続ができなくなったりする恐れがあります。

一括返済ができない場合は、担保となっている資産を没収される可能性があります。また、担保がない場合は最終的に資産を差し押さえられ、結果的に事業継続ができなくなるかもしれません。

銀行から借金の一括返済を求められるケース

銀行から借金の一括返済を求められるのは、企業の業績が悪化したときや経営者が交代したときです。

ころがし手形貸付を更新せず、返済期限までに一括返済を求められる場合があります。ころがし手形貸付とは、返済期限を1年以内と定め、期限が到来したら借換する手形貸付です。

また、専用当座貸越の場合、極度の更新をせずに一括返済を求められるケースがあります。専用当座貸越とは、極度額の範囲内でいつでも借り入れたり返済したりできる方法です。

銀行から借金の一括返済を求められたときの対処法

銀行から借金の一括返済を求められた場合、返済できなかったり、返済できたとしても事業継続ができなくなったりする恐れがあります。このような事態を避けるための対処法について詳しく見ていきましょう。

担保や保全の確認

担保や信用保証協会など、借金を返済できなくなった際の保険的なものを利用している場合は、銀行との交渉次第で窮地を脱することができるかもしれません。

例えば、不動産を担保として提供している場合は、その旨を伝えたうえで一括返済の取り下げを交渉します。

経営改善計画書の作成

業績悪化を理由に借金の一括返済を求められた場合は、経営改善計画昭和を提出することで一括返済の猶予を得られる可能性があります。

経営改善計画書には、業績を回復させる具体的な方法を記載しなければなりません。納得感のある内容でなければ一括返済の猶予は認められないでしょう。

正常な運転資金であることを主張

正常債権は貸倒引当金が少額で済むというルールがあります。返済見込みのない売掛金、在庫がない棚卸資産などを除く正常な運転資金であることを主張すれば、一括返済を取り下げられるかもしれません。

銀行から借金の一括返済を求められた場合の影響を抑える方法

経営者に万一のことがあり、経営者を交代した際に銀行から借金の一括返済を求められると、事業継続ができなくなったり倒産したりする恐れがあります。

このような影響を抑える方法について詳しく見ていきましょう。

事業保障資金の備えとして利用できる保険に加入する

経営者向けの保険に加入しておくことで、経営者に万一のことがあった際に借金の一括返済を求められても、その影響を抑えられる可能性があります。

事業保証資金の備えとして利用できる保険は次のとおりです。

定期保険

保険期間中に経営者が死亡した場合に保険金を受け取れる保険です。掛け捨てのため保険料が比較的安く抑えられています。少額で比較的大きな保障を受けられるため、加入は積極的に検討した方がよいでしょう。

また、定期保険の中でも長期の保険期間を定める「長期平準定期保険」もあります。

逓増定期保険

保険期間が前期と後期に分かれており、一定期間が経過後に保険金額が契約したときの金額から5倍を上限に増加します。

終身保険

掛け捨てではなく、保険料が比較的高い一方で、保険期間の定めがないため必ず保険金を受け取ることができます。

弁護士に相談する

銀行との交渉の代理人になれるのは弁護士のみです。一括返済を求められた際に交渉を希望する場合は、信頼できる弁護士に相談しましょう。

まとめ

銀行から借金の一括返済を求められると、倒産したり事業継続に大きな支障をきたしたりする恐れがあります。一括返済を求められた際は、銀行と粘り強く交渉しましょう。
交渉をスムーズに進めたい場合は、信頼できる弁護士に依頼することをおすすめします。

梅田パートナーズ法律事務所では、銀行との交渉や再建に向けての対処など、あらゆるサポートを行っておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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弁護士ご紹介

代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

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