破産すると何もかも没収される?破産時に残せるもの(自由財産)と注意点

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自己破産をした場合、価値があるものは何もかも没収されると思っている方が多いのではないでしょうか。自己破産をしても、生活に必要と判断されるものをある程度残すことが可能です。
破産は債務者を追い詰めるための制度ではなく、生活を立て直すチャンスを与える制度です。遺せるものと残せないものを知って、破産するかどうか慎重に検討しましょう。
ここでは、破産時に残せるものと残せないものについて詳しくご紹介します。
この記事の監修者
弁護士法人 梅田パートナーズ法律事務所
代表弁護士 西村 雄大
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今回の記事で書かれている要点 (目次)
破産手続きのときに財産の換価が必要になる理由
破産手続きで免責を受けると、債権者は貸付金が返済されなくなることで被害を受けます。そこで、債務者の財産をお金に換えて債権者に分配するために、破産管財人や裁判所が債務者の財産を協議しながら換価する仕組みになっています。
破産したときに残せるもの
それでは、破産したときに残せるものについて、「基本的に残せるもの」と「条件によっては残せないもの」にわけて詳しくみていきましょう。
基本的に残せるもの
破産手続きをしても下記のものは基本的に残せます。
■冷暖房機
エアコンやファンヒーター、こたつなど(複数台を所持しており、財産価値が高いものは換価対象)
■電子機器
テレビやパソコン、ノートパソコンなど(高価かつ複数台所持の場合は換価対象になる可能性あり)
■その他の電子機器
ファックス、プリンター、コピー機など(高価かつ複数台所持の場合は換価対象になる可能性あり)
■通信機器
携帯電話、スマホ、タブレットなど
■映像、音響機器
CDラジカセ、DVDプレイヤー、コンポ、スピーカーなど
■乗り物
自転車や電動機付自転車、車いすなど
■キッチン器具
電子レンジやオーブン、ガスコンロなど(高価かつ複数台所持の場合は換価対象になる可能性あり)
■掃除機
サイクロン掃除機など
■子供のおもちゃ
■趣味のもの
ゴルフクラブやプラモデルなど(最新モデルなど財産的価値が高いものは除く)
■衣類全般
スーツ、普段着、パジャマ、下着など
■一般家具
タンス、ベッド、マットレス、椅子など
■同居親族の預金(債務者が引き出して利用しているなど実質的に債務者のものである場合は除く)
■同居配偶者の預金(債務者が引き出して利用しているなど実質的に債務者のものである場合は除く)
上記のように、財産価値があると判断されたものは残せない可能性があるため、事前に確認しておきましょう。
条件によっては残せないもの
下記のものは条件によっては残せません。
・自宅(住宅ローンの抵当権に入っている場合は競売にかけられるため、結果的に失うことになる。ローンを完済済みでも一定の財産価値があるため失う可能性が高い。)
・自動車(99万円以上のものは除く)
・バイク(99万円以上のものは除く)
・時計(ブランド時計などは除く)
・指輪(金・プラチナなどは除く)
・ネックレス(金・プラチナなどは除く)
・ブレスレット(金・プラチナなどは除く)
・金
・プラチナ
・現金(99万円以上のものは除く)
・預貯金(99万円以上のものは除く)
・積立金(99万円以上のものは除く)
・タンス預金(99万円以上のものは除く)
・生命保険(99万円以上のものは除く)
・生命保険解約返戻金(99万円以上のものは除く)
・敷金・保証金(99万円以上のものは除く)
・退職金(99万円以上のものは除く。また、原則的に支給見込み額の8分の1で評価する)
上記のように、素材そのものに財産価値があるものや99万円以上の価値があるものは対象外です。
隠し財産が発覚した場合の問題点
財産を隠した場合、本来換価されるべきものが換価されなくなり、債権者の損失が大きくなります。意図的に隠したわけではなくても、後日に財産の存在が発覚した場合には、本来では残せるはずのものも残せなくなる可能性があるでしょう。そのため、破産手続きを開始する前に財産を徹底的に調べることが大切です。
また、故意的に財産を隠した場合は、詐欺破産剤に問われる可能性があります。結果的に、より多くの財産を失う恐れがあるため、財産は正直に申告してください。
破産で残せるものについてよくある質問
それでは、破産で残せるものについて、よくある質問にお答えしていきます。
残せないものは無理やり没収される?
残せないものは、破産管財人によって換価されますが、無理に募集されるわけではありません。1つずつ、適正な評価額などを協議します。しかしながら、自己都合のみで換価を逃れることは難しいでしょう。
破産申し立て前に財産の名義を親族に変更すれば没収を免れられる?
確かに、親族名義の財産は換価対象にはなりません。しかし、隠し財産と同様に、結果的に没収される可能性が高いうえに破産手続きが否認される恐れもあるため、絶対にやめましょう。
結婚指輪も換価対象になりますか?
結婚指輪であっても、金やプラチナが多く使用されているものについては、換価対象になります。ただし、配偶者の結婚指輪は対象になりません。一般的に、結婚指輪に使用されている金やプラチナは少量のため、換価対象になるケースは限られます。
まとめ
破産時には、残せるものと残せないものがあります。自己判断せず、弁護士に確認をとることが大切です。
「梅田パートナーズ法律事務所」は、スムーズかつ適正な破産手続きをサポートしております。親身に寄り添い、生活の立て直しへと繋がる破産手続きができるようサポートしますのでお気軽にご相談ください。
破産時の自由財産(残せるもの)に関するFAQ
- Q自己破産をすると、家財道具や服まで全て没収されるのですか?
-
いいえ、生活に必要な家財道具は原則として全て残せます。 破産法および民事執行法により、「差押禁止動産」が定められています。 冷蔵庫、洗濯機、テレビ、ベッド、タンス、衣類、調理器具などの一般的な家財道具は、これに該当するため処分されません。ドラマで見るような「赤紙(赤札)」を家具に貼られるようなことは、現代の破産実務ではまずあり得ませんのでご安心ください。
- Q現金はいくらまで手元に残せますか?
-
法律上、「99万円以下の現金」は残すことができます。 破産法第34条により、99万円までの現金は自由財産(本得財産)として認められています。 これを超えた分については没収され、債権者への配当に回されます。なお、ここで言う現金とは「手持ちの紙幣・硬貨」のことであり、銀行預金とは区別されます。
- Q銀行預金も99万円まで残せますか?
-
いいえ、預金は「現金」とは別枠で判断されます。一般的には「20万円」が基準です。 多くの裁判所の運用基準(東京地裁など)では、預貯金は「評価額20万円以下」であれば処分しなくてよいとされています。 20万円を超える預金がある場合、それは「資産」とみなされ、管財人に引き渡す必要があります。ただし、Q8で解説する「自由財産の拡張」という申立てを行えば、現金と預金を合わせて99万円まで残せるケースもあります。
- Q車を持っていますが、処分されますか?
-
「ローンが残っているか」と「現在の価値」によります。
1.ローンが残っている場合:所有権留保特約により、ローン会社に引き上げ(没収)られます。
2.ローンがない場合:車の現在の査定額(市場価値)が20万円以下であれば、原則として処分されず、手元に残せます。 20万円を超える価値がある車は資産とみなされ、売却処分の対象になります。古い軽自動車や、走行距離の多い車であれば残せる可能性が高いです。
- Q生命保険や学資保険は解約しなければなりませんか?
-
「解約返戻金(かいやくへんれいきん)」の額によります。 いま解約したらいくら戻ってくるか、という金額が「20万円以下」であれば、解約せずに契約を継続できます。 20万円を超える場合は、原則として解約してそのお金を債権者に配る必要があります。どうしても契約を残したい場合は、その返戻金相当額を親族などに援助してもらい、現金で管財人に納めることで、保険契約自体を維持する方法もあります。
- Qスマホやパソコンは没収されますか?
-
原則として残せます。 スマホやパソコンは、現代生活において不可欠な道具とみなされており、よほど高価なもの(一度に何台も持っている、未開封の新品など)でない限り、20万円以下の価値として自由財産扱いにされることがほとんどです。 ただし、スマホ本体の分割払いが残っている場合、通信会社との契約上の問題で、利用停止になるリスクは別途あります。
- Q将来もらう予定の「退職金」も没収対象ですか?
-
退職までまだ期間がある場合、「見込額の8分の1」が資産とみなされます。 現時点で自己都合退職した場合の退職金計算書を取り寄せ、その金額の8分の1が20万円を超える場合、その超過分を破産管財人に支払う必要があります。 多くの会社員の方にとって、8分の1が20万円を超える(つまり退職金見込額が160万円を超える)ケースはそれなりにありますが、実際に退職する必要はなく、積立金として現金を納めることで解決するのが一般的です。
- Q「自由財産の拡張」とは何ですか?
-
本来なら没収される財産を、裁判所の許可を得て手元に残す手続きです。 例えば、現金は30万円しかないけれど、解約返戻金が40万円ある保険を残したい場合などです。 「生活再建のためにどうしても必要」という事情を説明し、保有財産の総額が99万円の枠内に収まっていれば、裁判所の裁量で特別に残すことを認めてもらえる制度です。これにより、20万円を超える預金や保険も救済される可能性があります。
- Q破産直前に、預金をおろして現金にすれば「99万円」まで残せるのですか?
-
形式上はそうですが、露骨な引き出しは「財産隠し」と疑われます。 預金(20万円基準)を現金(99万円基準)に変えれば枠は広がりますが、破産直前の多額の現金化は、管財人による否認権行使の対象となったり、最悪の場合は免責不許可事由(意図的な資産隠し)とみなされるリスクがあります。 弁護士の指示に基づかない勝手な資金移動は絶対に避けてください。
- Q管轄の裁判所によって基準が違うというのは本当ですか?
-
本当です。運用ルール(換価基準)は地域によって異なります。 例えば、東京地裁では「現金99万円+その他の財産(20万円以下)」という運用が明確ですが、大阪地裁では「現金を含む財産総額で99万円まで」という包括的な運用をするなど、微妙な違いがあります。 ネットの情報だけで判断せず、地元の裁判所の運用に詳しい弁護士に確認することが不可欠です。
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弁護士ご紹介


西村 雄大
弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。
経 歴
- 2010
- 京都大学 卒業
- 2012
- 神戸大学法科大学院 卒業
- 2012
- 司法研修所
- 2013
- 弁護士 登録
- 2014
- 中小企業診断士 登録
- 2014
- 梅田法律事務所 設立
- 2015
- 経営革新等支援機関 認定
- 2017
- 梅田パートナーズ法律事務所 改称
著書および論文名
- ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
- ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
- ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載
テレビ出演
・2025年 日本テレビ様のnews zeroにて「脱毛サロン“ミュゼ”「解散を決定」」についてリモート出演しました。
・2025年 日本テレビ様のnews zeroにて「脱毛サロン“ミュゼ”休業「給料未払い」」についてリモート出演しました。

提供元:日テレNEWS NNN
・2025年 関西テレビ様の「newsランナー」にて、「ミュゼプラチナム従業員が破産申し立て」についてコメント出演しました。
・2024年 関西テレビ様の「ドっとコネクト」にて、「アリシアクリニックの破産」についてリモート出演しました。
・2024年 日本テレビ様の「news zero」にて、「アリシアクリニックの破産 利用者への返金」についてコメント出演しました。
・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。
・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。
事務所概要


- 住所
- 〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満4-6-4 R-Ⅱビル2階
- 最寄駅
-
・京阪電鉄「北浜駅」「なにわ橋駅」より徒歩5分
・大阪メトロ「淀屋橋駅」より徒歩10分 - 電話番号
- 0120-074-013
(電話受付時間:土日祝日問わず 9:00~22:00) - 営業時間
- 平日:9:30~18:30
※土日祝日は事前にお電話いただくことで対応可能 - 備考
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