飲食店の閉店廃業の手続き・必要書類一覧 | 個人・法人に分けて詳しく解説

2021.9.27

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飲食店を閉店廃業する際は、法律で定められた手順で手続きする必要があります。事前準備が必要なものも大井野で、あらかじめチェックしておきましょう。また、個人と法人で閉店廃業の流れが異なる点にも注意が必要です。ここでは、飲食店の閉店廃業の手続きの流れと必須書類をご紹介します。

飲食店の廃業の事前準備

飲食店が閉店する際は、次の準備が必要です。

取引先・金融機関への連絡

廃業する旨を取引先に伝えましょう。例えば、材料や食器の仕入れ先、ホームページの管理を任せている取引先などがあります。また、取引のある金融機関にも廃業する旨を伝えましょう。追加融資で廃業を免れられる可能性がある場合は、廃業の準備に取りかかる前に相談することが大切です。

従業員へ通知する

従業員がいる場合は、廃業する旨と整理解雇する旨を30日以上前に伝えなければなりません。30日以上前に伝えられなくても、解雇予告手当を支給することで整理解雇できます。

関係各所への連絡・解約

テナントを借りている場合は、そのオーナーや管理会社などに解約したい旨を伝えましょう。1~2ヶ月前に通知することが契約書で定められているので、確認しておいてください。また、電気・ガス・水道といったライフラインを止める手続きも行います。その他、店舗総合保険の解約、原状回復工事の依頼などをしましょう。

また、廃業から5日後までに「雇用保険適用事業所廃止届」を公共職業安定所に、「健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届」を年金事務所に提出する必要があります。さらに、廃業から10日後までに雇用保険・健康保険関係の届出、雇用保険被保険者資格喪失届・離職証明書の提出も必要です。

税務署への連絡

廃業から1ヶ月以内に税務署へ「個人事業の開業・廃業等の届出書」を提出します。また、従業員や家族に給与を支払っていた場合は、同時に「給与支払い事務所廃止届出書」も提出しましょう。

その他、消費税の課税事業者の場合は、「事業廃止届出書」をできる限り早く提出します。さらに、青色申告の承認を受けていた場合は、廃業した翌年の3月15日(例外あり)までに税務署へ廃業した旨を届け出る必要があります。

労働基準監督署で手続きする

雇用保険か労災保険に加入している場合は、廃業から50日以内に「労働保険確定保険料申告書」を労働基準監督署へ提出する必要があります。

保健所に廃業届の提出と飲食店営業許可書の返納を行なう

飲食店を管轄する保健所へ廃業する旨を届け出る必要があります。同時に、「飲食店営業許可書」を返納します。

消防署に防火管理者解任届出書を提出する

防火管理者を設置していた場合は、「防火管理者解任届出書」を消防署に提出します。書類に記載する「防火管理者の解任日」は廃業日です。提出期限は設けられていませんが、速やかに提出した方がよいでしょう。

深夜酒類提供飲食店の場合は警察署に廃止届を提出する

「深夜酒類提供飲食店営業開始届出書」を提出していた場合は、「廃止届」を管轄の警察署に提出します。また、風俗営業許可を受けていた場合は、許可書と返納の理由書も管轄の警察署に提出しましょう。提出期限はいずれも廃業から10日以内です。

法人経営の飲食店の廃業手続き方法

法人経営の飲食店が廃業する際は、法人の解散と精算の手続きが必要です。その流れについて詳しく見ていきましょう。

1.解散手続き

廃業の準備が整ったら、株主総会の決議をもって解散し、清算人を選任します。決議後、2週間以内にその旨を登記する必要があります。手続きの際は、本店所在地を管轄する法務局へ法人の解散および清算人の選任登記の申請書やその他の必要書類の提出が必要です。

その後、債権者保護の観点から、解散する旨を官報に掲載する他、自らが把握している債権者に対して個別で催告手続きをします。そして、解散時の財産目録と貸借対照表を作成し、株主総会で承認を受けましょう。これらの手続きが完了したら、2ヶ月以内に解散確定申告をします。

清算手続き

続いて、精算手続きを行います。債権の取り立て・返済、保有財産の処分換価など、法人の権利関係を整理します。その後、残余財産を分配し、債権と債務がなくなれば精算手続きは完了です。

清算結了

精算が完了すれば、清算結了へと移行します。決算報告書を作成し、株主総会で承認を受けましょう。そして、承認後2週間以内に精算結了登記の手続きを本店所在地を管轄する法務局で行います。その後、都道府県税事務所と税務署、市区町村の役所へ清算結了が終わった旨を報告して終了です。

まとめ

飲食店の閉店廃業をスムーズに進めることで、人生の次のステップへ移行しやすくなります。手続きの方法がわからない、多忙で手続きができないといった場合は、梅田パートナーズ法律事務所までご相談ください。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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弁護士ご紹介

代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

事務所概要

事務所

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住所
〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満4-6-4 R-Ⅱビル2階
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(電話受付時間:土日祝日問わず 9:00~22:00)
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