経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)の解約手当金の受け取り方法

2021.4.6

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経営セーフティ共済は、取引先事業が倒産して債権の回収が困難になった際に、有利な条件で貸し付けを受けられる共済制度です。また、解約時に条件を満たしていれば解約手当金を受け取れます。解約手当金の額は、納付月数と掛金で異なるため、解約前に確認しておきましょう。ここでは、経営セーフティ共済の解約手当金の受け取り方法や計算方法などについて詳しくご紹介します。

そもそも経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)とは

経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)とは、取引先の事業者が倒産したことで債権の回収が困難になった際に貸し付けを受けられる制度です。給付ではなく貸し付けのため返済が必要ですが、利用することで当面の資金繰りをバックアップできます。

運営元は国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構で、46万社以上もの企業が加入しています。これまでの貸し付け累計件数は約27万件、貸付累計額は約1兆9,000億円です。貸付額は、「回収困難となった債権の額」と「掛金総額の10倍(最高8,000万円)」のいずれか少ない額です。

貸し付けは無担保・無保証人・無利子で、貸付金額に応じて5~7年かけて毎月均等償還します。

経営 セーフティ共済の解約手当金とは

経営セーフティ共済は、解約時に解約手当金を受け取れる場合があります。解約手当金を受け取るための条件は、掛金を12ヶ月以上納付することです。条件を満たせば、自己都合の任意解約であっても掛金総額の80%以上の解約手当金を受け取れます。

解約手当金の額は次のとおりです。

掛金納付月数 任意解約 機構解約 みなし解約
1~11ヶ月 0% 0% 0%
12~23ヶ月 80% 75% 85%
24~29ヶ月 85% 80% 90%
30ヶ月~35ヶ月 90% 85% 95%
36ヶ月~39ヶ月 95% 90% 100%
40ヶ月以上 100% 95% 100%

※任意解約……契約者の都合で任意に解約すること。
※機構解約……掛金を12ヶ月以上延滞した、あるいは不正行為で共済金の貸付を受けようとした場合に行われる強制解約のこと。ただし、不正行為による機構解約では解約手当金は受け取れません。
みなし解約……個人事業における契約者の死亡、法人における会社解散・会社分割(事業全てを承継させる場合)・事業全部譲渡をした際に、経営セーフティ共済を解約したものとみなすこと。

経営セーフティ共済の解約手当金を受け取るまでの流れ

経営セーフティ共済の解約手当金を受け取るまでの流れをご紹介します。

1.必要書類を準備する

解約手当金請求書を「経営セーフティ共済のホームページからダウンロード・印刷する」、「ホームページの専用フォームを利用する」、「資料送付請求表をダウンロード・FAXする」、「コールセンターで申し込む」のいずれかの方法で入手します。

また、加入時に受け取った共済契約締結証書も必要です。紛失した場合は、発行後3ヶ月以内の印鑑証明書の原本を提出してください。

2.必要書類を窓口に提出する

解約手当金の振込先口座の金融機関で、解約手当金請求書に確認印を押印してもらい、登録取扱機関に提出しましょう。

登録取扱機関は経営セーフティ共済への加入申し込みをした金融機関あるいは委託団体のことです。

3.解約手当金を受け取る

手続き完了後、解約手当金が指定の講座を振り込まれます。振込完了後、振込通知書が自宅に届きます。

解約手当金に関するよくある質問

解約手当金に関して、よくある質問とその回答をまとめました。

Q.いつでも解約できますか?

いつでも解約できますが、納付月数が12ヶ月未満の場合は解約手当金を受け取れません。また、掛金の全額に相当する解約手当金を受け取れるのは、納付月数が40ヶ月以上の場合に限ります。

Q.解約手当金の税法上の取り扱いは?

解約手当金の税法上の取り扱いは、法人は益金、個人は事業所得です。

Q.解約手当金を受け取れないケースはあるのでしょうか?

共済金の貸し付けを不正に受けようとした場合、強制的に解約されます。この場合は、解約手当金は受け取れません。また、解約手当金を受け取るための条件である「12ヶ月以上にわたる掛金の納付」を満たしていない場合も、解約手当金は受け取れません。

まとめ

経営セーフティ共済は、取引先の事業者が倒産した際の連鎖倒産を防ぐための制度です。40ヶ月以上納付することで掛金全額に相当する解約手当金を受け取れます。貸付金は無担保・無保証人・無利子とメリットが大きいため、加入しておくことをおすすめします。経営セーフティ共済の加入や解約手続きの代行、不明点の質問・相談などをお求めの方は、梅田パートナーズ法律事務所までご連絡ください。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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弁護士ご紹介

代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

事務所概要

事務所

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〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満4-6-4 R-Ⅱビル2階
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