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公正証書遺言に納得できない場合の対処法は?無効になるケースも解説

2024.3.11

この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

公正証書遺言は公証人のもとで作成することから、内容に不備が起きるリスクが低く、内容に納得できなくても無効には通常はできません。しかし、万一のこともあるため、諦めずに無効となる要件がないか確認することが大切です。本記事では、公正証書遺言に納得できない場合の対処法や無効になるケースなどについて詳しく解説します。

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公正証書遺言が無効になることを主張できないか確認する

以下に該当する場合は、公正証書遺言が無効になる可能性があります。

遺言者の遺言能力に疑問がある場合

遺言者が遺言を行うには、遺言能力が必要です。認知症や精神障害などの理由により、遺言者の判断能力に疑問がある場合、その遺言は無効となる可能性があります。例えば、遺言者が認知症の状態であったときに作成された遺言は、無効とされることがあります。

欠格事由を持つ者が証人だった場合

遺言書の証人には、一定の資格要件があります。例えば、遺言者の配偶者や直系の親族は証人として適格ではありません。もし欠格事由を持つ者が証人だった場合、その遺言書は無効とされることがあります。

遺言者が遺言趣旨を公証人に伝えていなかった

公正証書遺言は、公証人の前で遺言者が遺言の趣旨を述べる必要があります。もし遺言者が遺言の趣旨を口頭で公証人に伝えていなかった場合、その遺言は無効となる可能性があります。

遺言者の真意と遺言内容に錯誤があった

遺言の内容が遺言者の真意と異なる場合、または遺言書に誤りや書き漏れがある場合、その遺言は無効とされることがあります。例えば、遺言者が意図せずに誰かを除外した場合、その遺言は無効となる可能性があります。

遺言内容が公序良俗に反していた

遺言内容が公序良俗に反する場合、その遺言は無効とされることがあります。例えば、遺言によって他人に不当な財産を与えることが明らかな場合、その遺言は無効とされる可能性があるでしょう。

公正証書遺言を無効にする流れ

公正証書遺言を無効となる要件を満たしている場合、次の流れで無効にすることを目指します。

1.相続人全員で話し合う

他の相続人に遺言に従うべきか反応を確かめることが重要です。相続人全員が遺言に従うべきではないと感じている場合、裁判せずに遺言を無視して遺産の分割方法を協議できます。

例えば、父親が公正証書遺言を作成し、その内容に対して兄弟姉妹が不満を持っている場合を考えてみましょう。兄弟姉妹が遺言に同意しない場合、裁判所に公正証書遺言の無効を申し立てる必要があります。しかし、すべての相続人が遺言に同意すれば、裁判所に頼らずとも遺産の分配を決定することができます。

なお、相続人以外に遺産を譲られる人(受遺者)がいる場合は、受遺者の同意も必要です。受遺者も遺言に不満を持っている場合、その意見を考慮して遺産の分配方法を再度検討する必要があります。

2.合意しなかった場合は調停を行う

遺産分割協議において合意を得られない場合は、家庭裁判所で調停を行います。

調停は、調停委員会が第三者として仲介し、話し合いによって紛争を解決する手段です。調停委員会は、相続人全員の意見を聞き、公正かつ中立的な立場から解決策を提案します。この過程で、遺産分割に関する紛争を解決し、全員が納得できる合意が得られれば、公正証書遺言を無視して新たな遺産分割協議を行うことができます。

3.最終的に訴訟で決着をつける

調停でも合意が成立しない場合、遺言の無効を確認するためには訴訟を起こすことが必要です。この場合、「遺言無効確認訴訟」を提起し、裁判所で公正証書遺言が無効か有効かを裁判官に判断してもらいます。

訴訟を進めるには、訴訟手続きや法的な知識が必要となります。公正証書遺言の無効を主張するためには、適切な証拠や法的根拠が欠かせません。例えば、遺言者の遺言能力が疑わしい場合には、医師の診断書や精神鑑定結果などが重要な証拠となります。

訴訟を円滑に進めるためには、弁護士に依頼することが望ましいです。弁護士は専門知識を持ち、適切な法的戦略を立てて訴訟を進めることができます。また、弁護士は法廷での弁論や法的手続きを代行してくれるため、当事者はより安心して訴訟を進めることができます。

まとめ

相続手続きにおいては、公正証書遺言が無効であると主張する場合、慎重な対応が求められます。遺言の無効を確認するためには、相続人全員の合意や調停を経ても解決できない場合は、最終的には訴訟を起こすことが必要です。遺言無効確認訴訟を進める際には、専門知識を持つ弁護士の支援を得ることが重要です。

梅田パートナーズ法律事務所は、相続や遺言に関する法律問題に精通した専門家集団です。豊富な経験と専門知識を活かして、遺産分割や遺言の無効確認などの手続きをサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

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弁護士紹介

代表弁護士
西村 雄大Takahiro Nishimura

弁護士法人梅田パートナーズ法律事務所は、確かな実績を積む30代の若い弁護士2名と事務スタッフ数名が在籍しております。
相続・事業承継のご相談は長いおつきあいとなりますため、長く見届けることのできる私たちの「若さ」も強みとなっています。

個人・企業にかかわらず、遺言、遺産分割、登記、財産調査、相続税対策、事業承継などあらゆる相続問題について最善策をご提案します。
相続に欠かせない税理士や司法書士、弁理士との提携で、それぞれの専門家とチーム体制で取り組みます。

特に財産に会社株式のあるケースや経営権が絡む相続問題を得意としており、税金対策や経営についても多角的な視点を持って、何が一番いいのかを考え、相続計画と遺言書をつくる必要があります。

事業承継、企業法務、会社法の仕組みにも精通している当事務所だからこそ、安心しておまかせいただけます。

経 歴

2010京都大学 卒業
2012神戸大学法科大学院 卒業
2012司法研修所
2013弁護士 登録
2014中小企業診断士 登録
2014梅田法律事務所 設立
2015経営革新等支援機関 認定
2016梅田パートナーズ法律事務所 改称

事務所概要

所属弁護士会大阪弁護士会【登録番号 49195】
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所属団体大阪中小企業診断士協会
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全国倒産処理弁護士ネットワーク
大阪青年会議所
著書および論文名・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

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