孫に財産を相続させる方法とは?デメリットについても解説
孫に財産を相続させたいものの、法定相続人の順位が低いために相続できず悩んでいる方は多いのではないでしょうか。また、孫への相続では親族とのトラブルになるリスクがあるため、慎重に方法を検討する必要があります。そこで今回は、孫にトラブルなく財産を相続させる方法やデメリットなどについて詳しく解説します。
孫に財産を相続させる方法
孫に財産を相続させる方法はいくつもあります。次の方法の中から選択しましょう。
遺言書を作成する
孫のように本来は相続権のない人に財産を譲りたい場合、遺言書を作成することが1つの方法です。遺言書で相続する人や相続割合などを指定すると、相続人以外の人に財産を遺すことができます。遺言書には、特定の財産を孫に譲る内容を記載しましょう。
養子縁組する
相続権は実子だけでなく、養子も含まれます。したがって、孫を養子にすることで、孫も相続権を取得できるようになります。例えば、孫が養子に入った場合、その孫は実質的に「子」として相続人となり、遺産を相続できます。
暦年贈与
暦年贈与は、年間110万円の基礎控除を利用して贈与する方法です。この金額以下であれば贈与税はかかりません。ただし、一定の条件を満たす場合に定期贈与と見なされ、110万円以下の贈与でも贈与税が発生する可能性があります。これを避けるための対策として、入金する金額やタイミングをバラバラにするとよいでしょう。
なお、相続開始前3年以内の贈与は相続財産に組み入れられてしまいます。2024年1月1日以降の相続の場合、最長7年間へ延長されます。
教育資金や結婚資金の贈与
直系尊属(祖父母など)から直系卑属(孫など)へ教育資金や結婚・子育て資金を一括で渡す場合、一定額が非課税になる特例制度を利用できます。教育資金の一括贈与における特例適用の条件は以下のとおりです。
- 非課税限度額:最大1,500万円(学校以外:500万円)
- 受贈者が満30歳未満であり、前年の合計所得が1,000万円以下
結婚・子育て資金の一括贈与における特例適用の条件は次のとおりです。
- 非課税限度額:最大1,000万円(結婚資金:300万円)
- 受贈者が満18歳以上50歳未満であり、前年の合計所得が1,000万円以下
生命保険金の受取人指定
生前に、生命保険の受取人を孫に指定することで、相続税対策を行うことができます。生命保険金は遺産分割の対象外であり、相続税の課税対象になりません。特に、代襲相続人や養子といった法定相続人の場合、非課税限度額が適用されることで、一定額までは非課税となります。ただし、非課税限度額を超える部分は相続税の対象となるため、事前の計画が重要です。
代襲相続が発生することもある
代襲相続とは、親が先に亡くなり、その子どもである孫が代わって相続することを指します。親が亡くなって子が相続権を持っていた場合、その子が先に亡くなった場合には、その子の子である孫が自動的に相続人となります。
孫に遺産を相続させるための対策を行うメリット
何の対策もしないまま亡くなってしまうと、法定相続人ではない孫は遺産を相続できません。また、遺産分割の話し合いに参加する権利もないため、多くの場合は孫への相続は叶わないでしょう。
遺贈や遺言書などの方法を活用することで、孫を受遺者にすることが可能となります。相続における自身の希望を叶えられることが何よりもメリットと言えるでしょう。
孫に遺産を相続させるデメリット
孫に遺産を相続させることには次のようなデメリットがあります。
親族との関係が悪化する可能性がある
高額な遺産を孫に残すことで、他の親族からは「孫がいなければもっと多く遺産を分けられたかもしれない」という不満や嫉妬が生じる可能性があります。遺産の配分が不公平に感じられることで、親族間の関係が悪化することが考えられます。遺産相続においては、遺族の良好な関係を保つために慎重な判断が必要です。
孫の相続税が高くなる
養子縁組や遺贈によって孫が遺産を相続する場合、相続税が2割加算されます。また、孫は非課税枠の対象外であるため、死亡保険金に含まれる非課税枠も適用されません。つまり、相続税が発生する可能性が高く、孫の税負担が増加します。
ただし、代襲相続の場合は2割加算税が適用されないため、相続税の負担は軽減されます。
まとめ
孫に遺産を相続させたい場合は、遺言書で指定したり養子に迎えたりするとよいでしょう。最適な方法については、家族関係や家族構成、遺産額などによって異なります。まずは、弁護士に相談のうえで、最適な方法を知ることが先決です。梅田パートナーズ法律事務所では、相続に関してトータル的にサポートしておりますので、まずはお気軽にご相談ください。
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特に財産に会社株式のあるケースや経営権が絡む相続問題を得意としており、税金対策や経営についても多角的な視点を持って、何が一番いいのかを考え、相続計画と遺言書をつくる必要があります。
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経 歴
2010 | 京都大学 卒業 |
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2012 | 神戸大学法科大学院 卒業 |
2012 | 司法研修所 |
2013 | 弁護士 登録 |
2014 | 中小企業診断士 登録 |
2014 | 梅田法律事務所 設立 |
2015 | 経営革新等支援機関 認定 |
2016 | 梅田パートナーズ法律事務所 改称 |
事務所概要
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著書および論文名 | ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院) ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」 ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載 |
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