養子縁組でも相続は可能!相続税の節税効果や注意点も解説
養子縁組を利用することで、相続税を節税できることをご存じでしょうか。ここで気になるのが、「養子縁組でも相続人になれるのか」でしょう。養子縁組でも相続人になれるうえに相続税の節税効果を得られるため、検討したい対策の1つです。この記事では、養子縁組と相続をテーマに、相続税の節税効果や注意点などについて詳しく解説します。
養子縁組とは
養子縁組とは、血縁関係がない人物と親子関係を生じさせることです。他人同士でも、養子縁組によって法律上の親子になることができます。養子縁組には、普通養子縁組と特別養子縁組があり、それぞれ次のような特徴を持ちます。
普通養子縁組
普通養子縁組とは、親・子の双方に養子縁組で法律上の親子になる意思があれば認められるものです。相続対策のために孫を養子にしたり、再婚相手の子どもを養子にしたりするケースがあります。
普通養子縁組を結ぶと法律上の親子関係が生じるため、実子と区別なく法定相続人になります。
特別養子縁組
特別養子縁組とは、子どもの福祉の増進を目的に養子縁組を結ぶことです。例えば、経済的に困窮した子どもを救うために養子にする、身寄りのない子どもを施設から引き取って育てるために養子にするケースがあります。
特別養子縁組の場合も法律上の親になるため、相続権が発生します。ただし、元の親子関係は解消されるため、特別養子縁組を結んだ親からのみ遺産を相続できる点に注意が必要です。
また、特別養子縁組の成立には、実の親の同意や年齢、養子縁組成立前に半年間の監護をするなど、さまざまな条件を満たす必要があります。
養子縁組のメリット
前述したとおり、養子縁組は普通養子縁組と特別養子縁組のどちらにおいても相続権があります。それでは、養子縁組を組む相続上のメリットについて詳しくみていきましょう。
相続税の基礎控除の増額
相続税計算では、遺産の評価額から「3000万円+(600万円×法定相続人の数)」の基礎控除を差し引きます。法定相続人の数が多くなればなるほどに基礎控除が増えるため、養子縁組で法律上の子どもが増えると相続税を節税できます。
生命保険の非課税枠の拡大
被相続人が生命保険に加入しており、死亡したことで保険金が支給される場合は、みなし相続財産として扱われます。みなし相続財産は、被相続人が保有していた財産ではないものの、死亡が原因で発生した財産を指し、相続税の課税対象になります。
ただし、死亡保険金は残された遺族の生活を支える資金のため、非課税枠が定められています。非課税枠は「500万円×法定相続人の数」です。そのため、養子縁組で法定相続人が増えると非課税枠が拡大し、より多くの死亡保険金を得ることができます。
死亡退職金の非課税枠の拡大
死亡退職金とは、被相続人が退職時に受け取る予定だった退職金のことです。退職前に死亡した場合は、死亡退職金として会社から遺族に支払われます。これも生命保険金と同じくみなし相続財産として扱われ、相続税の課税対象です。
死亡退職金の非課税枠は「500万円×法定相続人の数」のため、養子縁組で法定相続人が増えることで相続税を軽減できる可能性があります。
遺贈と比べて相続税率が低い
法定相続人以外の人物に遺産を譲渡することを「遺贈」といい、遺言書への明記が必要です。遺贈を受けた人も相続税の納税義務が発生するのですが、法定相続人が支払う相続税よりも20%も多くなります。
養子縁組を結び、法定相続人になることで、相続税の加算を回避できます。
養子縁組の相続の注意点
相続税の節税だけを目的に養子縁組を結ぶケースでは、さまざまなトラブルが懸念されます。養子縁組の相続における注意点について詳しくみていきましょう。
子どもや親族とトラブルになる恐れがある
養子縁組を結ぶと法定相続人が増えるため、1人あたりの取り分が減ります。そのため、実子や親族が不満に感じ、養子縁組に反対される可能性があります。普通養子縁組は親子になる2人の同意があれば成立するため、周りの反対を押し切ることもできるでしょう。しかし、自分が死亡した後に法定相続人同士でトラブルになる可能性があるため、なるべく許可を得たうえで養子縁組を結ぶことが大切です。
養子縁組の解消ができない場合がある
養子縁組の解消には、親子双方の同意が必要です。もし、養子縁組を結んでから親が亡くなるまでの間に関係が悪化し、遺産を渡したくないと思うようになっても、子が同意しなければ養子縁組は解消できません。
まとめ
養子縁組は、明らかな節税目的だと法定相続人の数から除外される恐れがあるため、まずは弁護士にアドバイスやサポートを受けることが大切です。梅田パートナーズ法律事務所では、相続の基本的なサポートだけではなく、養子縁組に関する情報提供やアドバイスも行っております。まずはお気軽にご相談ください。
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