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遺産を横領されたら取り返せない?取り戻す方法やポイントを解説

2024.6.19

この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

遺産を横領された場合、取り返せないと感じるかもしれませんが、適切な手続きを踏むことで取り戻すことが可能です。遺産横領は法的な問題であり、迅速かつ的確な対応が求められます。本記事では、遺産横領が疑われる際の具体的な対処方法や、取り戻すためのポイントについて詳しく解説します。

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遺産横領とは?

遺産横領とは、相続人の一部が他の相続人の同意なくして遺産を勝手に処分したり、隠したりする行為を指します。これは法律に違反する行為であり、適切な手続きを経ることで取り戻すことが可能です。例えば、兄弟の一人が被相続人の銀行口座から無断でお金を引き出した場合や、不動産の権利証を隠して独占しようとする行為が該当します。

なお、遺産管理を委任されている人物が財産を使い込んだ場合は「横領」、権限なく無断で盗んだ場合は「窃盗」です。

遺産横領が疑われる場合の対処法

遺産横領が疑われる場合、次のように対処しましょう。

証拠収集

遺産横領が疑われる場合、まずは証拠を集めることが重要です。例えば、銀行の取引履歴や不動産の登記記録、相続人間のやり取りなどが有力な証拠となります。これらの書類を揃えることで、横領行為の具体的な内容を明らかにできます。特に、金融機関からの取引明細書や不動産の名寄帳などは確実な証拠として有効です。

相続人間での話し合い

証拠を揃えた後、まずは相続人間で話し合いを持つことが推奨されます。話し合いによって、問題が解決できる場合も少なくありません。ここでは、集めた証拠を基に相手に具体的な疑念を伝え、公正な遺産分割を求めます。話し合いで解決しない場合は、次のステップに進むことが必要です。

家庭裁判所への調停申立て

話し合いで解決しない場合、家庭裁判所に調停を申立てます。調停では、中立的な第三者である調停委員が間に入り、問題解決を図ります。調停は訴訟よりも費用と時間を抑えて解決を目指せるため、まずはこの方法を検討することが望ましいです。

弁護士への相談・依頼

調停でも解決しない場合や、事案が複雑な場合には、弁護士に相談することが重要です。弁護士は法的手続きを代行し、迅速に問題解決を図ります。また、証拠の収集や調停の準備など、初期段階からのサポートも受けられます。例えば、弁護士が証拠の有効性を確認し、法的な戦略を立ててくれることで、スムーズに問題を解決することが可能です。

遺産を取り戻すためのポイント

遺産を取り戻すために、次のポイントを押さえましょう。

早期の対応

遺産横領が疑われる場合、早期に対応することが重要です。証拠が散逸する前に行動を起こすことで、取り戻せる可能性が高まります。例えば、被相続人の銀行口座から不正に引き出された場合、その取引履歴を早急に確認し、証拠として保全することが必要です。また、速やかに専門家に相談し、適切な手続きを開始することが重要です。

専門家の活用

弁護士や司法書士などの専門家に相談することで、法的な手続きをスムーズに進めることができます。専門家は、遺産横領の証拠収集から調停、訴訟までをサポートしてくれます(司法書士は制限あり)。

例えば、弁護士は法的知識を活用して証拠の有効性を確認し、適切な法的戦略を立ててくれます。さらに、遺産分割協議の場での代理交渉や、調停・訴訟手続きの代行も行ってくれるため、安心して手続きを進めることができます。

法的手続きを活用

家庭裁判所での調停や訴訟手続きを活用することで、公正な解決を図ることができます。調停では、中立的な第三者である調停委員が介入し、相続人間の意見を調整します。調停で解決しない場合には、訴訟に進むことも検討します。さらに、明らかな横領行為があった場合には、刑事告訴も検討することが可能です。

例えば、無断で遺産を引き出した行為が確認された場合、警察に被害届を提出し、横領罪または窃盗罪として刑事告訴することができます。

早期の対応と専門家の活用が、遺産を取り戻すための鍵となります。迅速に証拠を集め、適切な法的手続きを進めることで、早期解決を目指しましょう。

まとめ

遺産横領が発生した場合でも、適切な手続きを踏むことで遺産を取り戻すことは可能です。まず、早期に対応し、証拠を迅速に収集することが重要です。専門家である弁護士や司法書士に相談し、法的なサポートを受けることで、証拠収集から調停、訴訟までスムーズに進めることができます。迅速な対応と専門家の活用が、遺産を取り戻すための鍵となります。

梅田パートナーズ法律事務所では、遺産横領への対応、予防策のアドバイスなどを行っておりますので、お気軽にご相談ください。

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STAFF
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西村 雄大Takahiro Nishimura

弁護士法人梅田パートナーズ法律事務所は、確かな実績を積む30代の若い弁護士2名と事務スタッフ数名が在籍しております。
相続・事業承継のご相談は長いおつきあいとなりますため、長く見届けることのできる私たちの「若さ」も強みとなっています。

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相続に欠かせない税理士や司法書士、弁理士との提携で、それぞれの専門家とチーム体制で取り組みます。

特に財産に会社株式のあるケースや経営権が絡む相続問題を得意としており、税金対策や経営についても多角的な視点を持って、何が一番いいのかを考え、相続計画と遺言書をつくる必要があります。

事業承継、企業法務、会社法の仕組みにも精通している当事務所だからこそ、安心しておまかせいただけます。

経 歴

2010京都大学 卒業
2012神戸大学法科大学院 卒業
2012司法研修所
2013弁護士 登録
2014中小企業診断士 登録
2014梅田法律事務所 設立
2015経営革新等支援機関 認定
2016梅田パートナーズ法律事務所 改称

事務所概要

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所属団体大阪中小企業診断士協会
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全国倒産処理弁護士ネットワーク
大阪青年会議所
著書および論文名・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

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