自分で遺言書を作成する手続き方法とは?流れや文例まで紹介
遺言書は弁護士のサポートを受け、適切な書式で作成することが重要です。
それでも、遺言書を作成する方法を確認し、なるべく自分だけで作成したいと思う方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、自分で遺言書を作成する方法をテーマに、手続き・作成の流れから文例まで詳しく紹介します。
遺言書には3種類ある
まず、遺言書には次の3種類があります。
- 自筆証書遺言:自分で作成する
- 公正証書遺言:公証人に内容を確認してもらう
- 秘密証書遺言:自分で作成し、2人以上に存在証明をしてもらうが内容は見せない
秘密証書遺言は内容にミスが起きても気づけないため、あまり行われていません。また、自筆証書遺言は紛失や隠匿、変造、内容の不備などのリスクがあります。公正証書遺言は公証人が作成するため、文字を書けなくても作成できます。また、紛失や変造などの心配がありません。そのため、自分で遺言書を作成する際は、公正証書遺言がおすすめです。
それでは、自筆証書遺言と公正証書遺言の作成の流れについて詳しくみていきましょう。
自筆証書遺言の作成の流れ・例文
自筆証書遺言は、次の流れで作成します。
1.財産の種類と金額の把握
まずは、所有している財産の種類と金額を把握します。現金や預金口座に預けているお金、車、不動産など、全て紙に書き出しましょう。また、不動産は登記簿謄本、預貯金は金融機関名・支店名・口座番号など、財産を証明する書類も用意します。
2.相続先・金額などを決める
誰にどの財産をどれだけ相続するのかを決めます。不動産は分けることが難しいため、1つ単位で相続先を決めた方がよいでしょう。共有財産にすると、売却時に所有者全員の同意が必要になり、トラブルにつながりやすくなります。
3.遺言書を作成する
自筆証書遺言では、すべて自筆で遺言書を作成します。複数人に財産の種類や割合を指定したい場合の遺言書の文例を紹介します。
遺言書
遺言者○○(自分の使命)は、次のとおり遺言する。
• 遺言者は次の不動産を長男○○(氏名)に相続させる
所在地 ○○
地目 宅地
地積100平方メートル
• 遺言者は次の預貯金を次男○○(氏名)にそれぞれ2分の1の割合で相続させる
○○銀行○○支店 普通預金 口座番号○○
○○銀行○○支店 定期預金 口座番号○○
• 遺言書が持つその他の財産はすべて妻○○(氏名)に相続させる。
• 遺言者は遺言執行者に次のものを指定する
住所○○
氏名○○
令和5年1月2日
住所(遺言者の住所)
遺言者○○(氏名)
なお、遺言執行者とは遺言書の内容に従って遺言者の意思を実現する人物のことです。遺言者が亡くなった時点で満20歳以上で、破産者でなければ選ぶことができます。
公正証書遺言の作成の流れ・例文
公正証書遺言は、次の流れで作成します。
1.必要書類を準備する
遺言の内容を確定した後、次の必要書類を用意しましょう。
- 本人の印鑑証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
- 本人の実印
- 本人の戸籍謄本(発行から3ヶ月以内のもの)
- 相続人との関係がわかる戸籍謄本(発行から3ヶ月以内のもの)
- 受贈者の住民票(相続人の資格がない人物に相続させるとき※発行から3ヶ月以内のもの)
- 登記事項証明書(不動産を相続させるとき)
- 固定資産税評価証明書または納税通知書の課税明細書(不動産を相続させるとき)/li>
- 金融機関名や口座番号がわかる資料(預貯金を相続させるとき)
- 証券会社名や証券番号がわかる資料(有価証券を相続させるとき)
- 証人2名の氏名、住所、生年月日、職業を記載したメモ(当日は認印や本人確認資料が必要)
2.公証人役場に連絡する
最寄りの公証人役場に連絡し、担当する公証人と打ち合わせます。遺言書は公証人役場で作成することが原則ですが、体調不良や歩行が難しいなどの事情がある場合は、自宅や病院への出張が可能です。
3.遺言書を作成する
遺言書は、次の流れで作成します。
- 1.公証人による遺言者、証人の本人確認
- 2.公証人による遺言書の原案の読み上げ
- 3.遺言者と証人による遺言の内容確認
- 4.遺言者、証人、公証人がそれぞれ遺言書原本に署名押印する
- 5.遺言者の正本、謄本を受け取る
- 6.公証人手数料を支払う
まとめ
自分で遺言書を作成することは可能ですが、その内容について公証人からアドバイスを受けることはできません。内容に問題があると、相続後に遺族間でトラブルになる恐れがあるため、やはり遺言書は弁護士のサポートを受けながら作成した方がよいでしょう。もちろん、弁護士のサポートのもとで遺言書を作成したうえで、公証人役場へ持ち込むことも可能です。
遺言書の作成やサポートについては、梅田パートナーズ法律事務所までお気軽にご相談ください。
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特に財産に会社株式のあるケースや経営権が絡む相続問題を得意としており、税金対策や経営についても多角的な視点を持って、何が一番いいのかを考え、相続計画と遺言書をつくる必要があります。
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2012 | 司法研修所 |
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2016 | 梅田パートナーズ法律事務所 改称 |
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