債務超過の会社が廃業するには
会社の事業をやめて会社を解散させる、つまり廃業をする理由は様々です。会社の経営状態がよくなかったり、後継者がいないという理由がよく挙げられるところです。
廃業をする際には債権の取り立てと税金を含む債務を弁済する必要があります(会社法481条1号)。このときに、会社が持っている財産を以って債務をすべて弁済することができない、いわゆる債務超過の状態が生じることがあります。一般的に、会社を含む法人が債務超過をした場合は破産手続をしなければならないことになります(破産法16条1項。ただし合名会社及び合資会社には適用されません(2項))。場合によっては経営者個人に対しても破産手続をしなければならない可能性も生じます。
債務超過の会社を破産手続によらずに廃業させる方法があります。それは、任意整理という方法です。これは、弁護士の監督の元に、債権者と債権の支払い期間・方法を交渉しながら、頑張って債務を弁済するという方法です。要するに交渉ということになります。これには会社の財産のみならず、経営者・社長の個人の財産を売却し、それを会社の債務に当てることも考えられます。
また、弁護士の監督の元で、公正公平な手続きで、各債権者に対して債権の種類の優劣関係に従って適当に売却代金を配当し、残りの債務を諦めてもらうという方法もあります。この方法は、破産手続そのものです。しかし破産手続と異なり、裁判所が介入しないため、公的な制限がかけられることはないです(例えば官報に載る、など)。そのために有意義です。
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