会社への訪問・電話での取り立ては違法!認められるケースや対処法も解説
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借金を滞納すると、会社や職場に訪問や電話で取り立てがあるのではないかと不安に感じている方は多いのではないでしょうか。結論から言うと、貸金業法によって会社や職場への取り立ては原則禁止されています。ただし、適法となるケースもあるため注意が必要です。
この記事では、会社への訪問・電話での取り立てにおける違法性や認められるケース、対処法などについて詳しく解説します。
今回の記事で書かれている要点 (目次)
会社への訪問や電話での取り立ては貸金業法で禁止されている
貸金業法により、会社への訪問や電話による取り立ては禁止されています。
第二十一条 貸金業を営む者又は貸金業を営む者の貸付けの契約に基づく債権の取立てについて貸金業を営む者その他の者から委託を受けた者は、貸付けの契約に基づく債権の取立てをするに当たつて、人を威迫し、又は次に掲げる言動その他の人の私生活若しくは業務の平穏を害するような言動をしてはならない。
三 正当な理由がないのに、債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所に電話をかけ、電報を送達し、若しくはファクシミリ装置を用いて送信し、又は債務者等の勤務先その他の居宅以外の場所を訪問すること。
引用:e-gov法令検索「貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)」
このように、訪問や電話のみならずFAXによる取り立てについても禁止されています。つまり、どのような連絡手段をもってしても、会社への取り立てはできません。
正当な理由があれば会社への電話・訪問が認められる
会社への訪問や電話などでの取り立ては原則禁止ですが、「正当な理由」がある場合は認められます。例えば、電話番号や住所など債務者と連絡を取るために必要な情報が変更されており、それを債権者に伝えていないケースが該当します。
債権者としては、債務者に連絡を取りたいのに取れない状況となるため、会社への訪問や電話などでの取り立てが認められる可能性があるのです。
会社に訪問・電話での取り立てが来た際の対処法
会社に訪問や電話で借金の取り立てが来た場合、まずは相手が本当に債権者かどうかを確認したうえで対処しましょう。確認と対処の流れ、詳細について解説します。
相手の身元を確認する
取り立てに来た人物の身元を確認するために、氏名や所属する会社名、電話番号などを質問しましょう。回答できなかったり挙動不審になったりする場合は、詐欺を疑うことが大切です。借金を滞納しているとの情報を入手した人物が債権者を騙って金品を略取しようとしている可能性もあります。
取り立ての詳細を記録する
取り立てが来た場合、内容や日時、氏名、所属している会社などをメモに残しましょう。また、後から「会社に取り立てには行っていない」などと言われた場合に備えて、取り立ての具体的な内容も記録しておくことが大切です。
日本貸金業協会に相談する・苦情を申し立てる
日本貸金業協会には、貸金業法に関する自主規制機関として、貸金業相談・紛争解決センターが設けられています。貸金業法違反に関する相談や相手への苦情の申立てが可能です。取り立ての日時や相手の氏名、所属している会社などの記録を提出しましょう。
被害届の提出・刑事告訴を行う
貸金業法違反には、刑事罰が規定されています。
第四十七条の三 次の各号のいずれかに該当する者は、二年以下の懲役若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。情を知つて、第六号又は第七号に該当する者から信用情報の提供を受けた者も、同様とする。
三 第二十一条第一項(第二十四条第二項、第二十四条の二第二項、第二十四条の三第二項、第二十四条の四第二項、第二十四条の五第二項及び第二十四条の六において準用する場合を含む。)の規定に違反した者
引用:e-gov法令検索「貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)」
会社への訪問や電話での取り立てがあった場合は、警察への被害届の提出や刑事告訴を検討しましょう。ただし、証拠が不足している場合は「民事事件であるため警察が介入できない」と言われる恐れがあります。
そのため、違法な取り立てがあったことを説明できるように証拠を整理しておきましょう。また、脅迫や暴行などを受けた場合は、それらも主張することが大切です。脅迫罪や恐喝罪、暴行罪など複数の罪に問える可能性があります。
まとめ
会社への訪問や電話での取り立てがあった場合は、証拠収集や被害届の提出など行うことがいくつもあり、それぞれに法律の知識が必要です。違法な取り立てを受けた場合は、弁護士に相談することをおすすめします。これらの行為のアドバイスや代行などを依頼できるため、トラブルの早期解決が期待できます。
梅田パートナーズ法律事務所では、取り立て時のトラブルへの対応や借金を減らす方法のアドバイスなどを行っておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。
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この記事を監修した弁護士
弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所
大阪弁護士会【登録番号 49195】
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弁護士ご紹介
西村 雄大
弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。
弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。
経 歴
- 2010
- 京都大学 卒業
- 2012
- 神戸大学法科大学院 卒業
- 2012
- 司法研修所
- 2013
- 弁護士 登録
- 2014
- 中小企業診断士 登録
- 2014
- 梅田法律事務所 設立
- 2015
- 経営革新等支援機関 認定
- 2017
- 梅田パートナーズ法律事務所 改称
テレビ出演
・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。
・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。
著書および論文名
- ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
- ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
- ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載
事務所概要
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