清算型と再建型の違いは?倒産における知っておくべきポイント

2024.11.25

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企業が倒産した際には、「清算型」と「再建型」のどちらかの手続きを選択する必要があります。倒産とは、企業が債務を支払うことができなくなった状態を指し、この先の方針として会社をたたむか、再建を目指すかで手続きが異なります。それぞれの特徴や手続きの流れを理解することで、最適な選択をする助けとなるでしょう。

本記事では、清算型と再建型の違いに焦点を当て、倒産における知っておくべきポイントについて解説します。

法人の清算型の私的整理

清算型は、企業が経済的に破綻し、再建が難しい場合に選択される手続きで、最終的に会社を解散するものです。この中には法的整理としての「破産」と「特別清算」がありますが、私的整理という方法も存在します。

私的整理では、裁判所を通さずに債権者との話し合いで解決を図ります。債務の一部を個人資産や親族から支払い、残りの債務を債権者に放棄してもらうことで会社を清算します。この手続きは柔軟で迅速に進められる一方、債権者全員の同意が必要であり、債務免除益が発生するなどの税務上の注意点があります。

法人の再建型の法的整理

再建型は、倒産した企業が債務を整理しながら事業継続を目指す手続きです。法的整理には「民事再生」と「会社更生」があります。

民事再生

民事再生は、中小企業を対象にした再建手続きで、裁判所の関与のもと債務の免除や支払猶予を受けながら再建を進めます。この手続きのメリットは、経営者が継続して事業を運営できる点です。主に小規模な企業や経営陣の交代を避けたい場合に利用されます。

会社更生

会社更生は、大規模な企業を対象とし、経営陣の交代を前提とした再建手続きです。担保権者も手続きに参加し、重要資産を残すことができる点が特徴です。裁判所の厳格な管理下で進行し、透明性の高い手続きが求められます。

法人の再建型の私的整理

再建型の私的整理では、裁判所を利用せず、金融機関や取引先と直接交渉しながら債務整理を行います。これにより、柔軟かつ迅速に問題を解決できる利点があります。特に重要な取引先に対する支払いは継続しつつ、メインバンクと債権放棄の調整を進めることが一般的です。

私的整理は関係者間での交渉を中心に進むため、透明性に欠けるとの批判を受けることがあります。そのため、公平性を確保するために「私的整理ガイドライン」に従うなどの対応が重要です。

清算型と再建型の選び方のポイント

清算型と再建型の選び方のポイントについて詳しく見ていきましょう。

財務状況を見極める

清算型と再建型を選ぶ際には、まず自社の財務状況を正確に見極めることが重要です。貸借対照表や損益計算書を基に、資産が負債を上回る可能性があるのか、また再建の見込みがあるのかを検討します。資産が大幅に負債を下回り、回復の見込みが薄い場合は清算型を選ぶのが適切です。一方、資金繰りの問題が一時的なものであり、事業の回復の見通しが立つ場合には再建型を検討する余地があります。

事業の収益性と成長可能性を評価する

次に、自社の事業の収益性や成長可能性を評価することも重要です。製品やサービス、競争優位性、取引先との関係を考慮し、事業継続の価値を見極めます。主力事業が収益を生み出しておらず、改善が見込めない場合には清算型が現実的な選択肢となります。しかし、一部の事業に収益改善や成長の可能性があり、再構築で企業価値を高められる場合は、再建型を選択すべきです。

債権者や取引先との関係性を考慮する

債権者や取引先との信頼関係も選択に影響を与えます。債権者からの圧力が強く、信頼が著しく損なわれている場合には、清算型で迅速に対応することが求められるでしょう。一方で、債権者や取引先の支援を得られる可能性があり、関係が維持できる場合には再建型を選ぶことで企業存続を図る道が開けます。

最終的には、清算型と再建型のメリットとデメリットを比較し、自社の現状と将来像を総合的に判断して選択することが重要です。

まとめ

倒産手続きには、清算型と再建型の大きな違いがあります。清算型では会社をたたむ方向で進め、私的整理や法的整理(破産、特別清算)が選択されます。一方、再建型では会社を存続させるための手段として、民事再生や会社更生が用いられます。どちらの方法を選ぶにしても、迅速かつ適切な対応が求められます。

梅田パートナーズ法律事務所では、倒産手続きの専門知識を活かし、企業の清算や再建に向けた支援を行っています。法的手続きの代理や債権者との交渉を通じて、最適な解決策を提案します。お困りの際はお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

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