運送会社の倒産の種類は?倒産の原因や手続き・注意点について解説
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運送会社は、燃料費の高騰、物流需要の減少など、さまざまな要因で倒産に追い込まれることがあります。倒産が必要になった際は、自身にとって最良の方法を選択できるよう知識を身につけることが大切です。この記事では、運送会社の倒産の種類、原因、注意すべき点について詳しく解説します。
今回の記事で書かれている要点 (目次)
運送会社の倒産の原因
運送会社の倒産にはいくつかの原因があります。以下に、代表的な原因を挙げて詳しく説明します。
燃料費の高騰
運送業界において、燃料費は運営コストの大部分を占めています。近年の原油価格の上昇により、燃料費が急騰し、多くの運送会社がそのコストを転嫁しきれずに経営が圧迫されています。2023年の倒産件数では、燃料費の高騰が直接的な原因となったケースが多く見られました(東京商工リサーチ)。
人手不足
運送業界は慢性的な人手不足に悩まされています。特にトラックドライバーの不足は深刻で、求人倍率が高い状態が続いています。労働時間の長さや低賃金といった厳しい労働環境が若年層の就業意欲を削いでおり、ドライバーの高齢化も進んでいます。このような人手不足が、企業の業務遂行能力を低下させ、倒産につながるケースが増えています。
景気変動
運送業界は景気の変動に敏感で、特に依頼数の増減が業績に直結します。経済の停滞や消費の低迷が続くと、運送業者の売上が安定しにくくなり、資金繰りが悪化します。
運送会社の倒産の種類
運送会社の倒産にはいくつかの種類があり、それぞれ内容が異なります。倒産の種類について詳しく見ていきましょう。
通常清算
通常清算は、会社が解散を決議し、会社の資産を整理して債権者に配当する手続きです。通常、経営者や株主が自主的に解散を決定し、清算人を選任して債務を整理します。
特別清算
特別清算は、会社が清算の過程で債務超過に陥る場合や、債権者との協議が難航する場合に裁判所の監督下で行われる手続きです。通常清算よりも手続きが複雑で、債権者の同意が必要となるため、裁判所の関与が不可欠です。
民事再生
民事再生は、経営難に陥った会社が、再建計画を立てて事業を継続しながら債務を整理するための法的手続きです。債権者の協力を得ながら、事業の再建を目指します。民事再生は、会社の存続を図るための手続きであり、再建の可能性がある場合に行います。
会社更生
会社更生は、経営破綻した企業が、裁判所の管理下で再建計画を進めるための手続きです。債権者の保護を図りながら、企業の再建を目指すものであり、特に大企業や重要な社会的役割を担う企業に適用されることが多いです。
運送会社のM&Aも方法の1つ
運送会社が経営難に直面した場合、M&A(合併・買収)も選択肢の1つです。M&Aにより、経営資源を効率的に再配置し、財務状況を改善することが可能です。また、他企業との合併により、人材不足や燃料費高騰などの問題を共有し、経営効率を高めることができます。
さらに、M&Aは市場シェアの拡大や新しい事業分野への進出を容易にし、競争力の向上と収益の安定化を図る手段でもあります。このように、現状を打開し得る方法のため、なるべく倒産させたくないと思う場合はM&Aも視野に入れましょう。
運送会社の倒産時の注意点
運送会社が倒産する際には、次の注意点を押さえましょう。
残業代を精算する
倒産時には、従業員に対して未払いの残業代を精算する必要があります。従業員の給与や残業代は優先的に支払われるべき債務となっているため、倒産処理の際に早急に対応することが大切です。
労働契約の社員への対応
倒産に伴い、従業員との労働契約の解除や再就職支援についても考慮する必要があります。労働基準法に基づき、解雇予告手当の支払いが求められる場合があり、解雇手続きを適切に進めることが重要です。また、従業員の再就職支援や、可能な限りの情報提供を行うことで、従業員の生活への影響を最小限に抑える努力が求められます。
トラックのリース契約の処理
運送会社が利用しているトラックがリース契約の場合、倒産時にはリース契約の処理が必要です。リース契約は基本的に途中解約が難しく、契約終了時にリース物件を返還する必要があります。返却方法や契約内容によっては違約金が発生するため、リース会社と早めに協議し、解決策を模索することが重要です。
まとめ
運送会社が経営危機に陥った際は、通常清算、特別清算、民事再生、会社更生などの倒産手続きに加え、M&Aも1つの選択肢として考慮しましょう。場合によっては再建を目指すことも可能です。しかし、契約関連の処理、手続きなどは時間と手間がかかるうえに煩雑な面もあるため、弁護士にサポートを依頼することをおすすめします。
梅田パートナーズ法律事務所では、倒産とM&Aのいずれもサポートしております。まずはお気軽にご相談ください。
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この記事を監修した弁護士
弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所
大阪弁護士会【登録番号 49195】
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弁護士ご紹介
西村 雄大
弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。
弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。
経 歴
- 2010
- 京都大学 卒業
- 2012
- 神戸大学法科大学院 卒業
- 2012
- 司法研修所
- 2013
- 弁護士 登録
- 2014
- 中小企業診断士 登録
- 2014
- 梅田法律事務所 設立
- 2015
- 経営革新等支援機関 認定
- 2017
- 梅田パートナーズ法律事務所 改称
テレビ出演
・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。
・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。
著書および論文名
- ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
- ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
- ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載
事務所概要
- 住所
- 〒530-0047 大阪府大阪市北区西天満4-6-4 R-Ⅱビル2階
- 最寄駅
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・京阪電鉄「北浜駅」「なにわ橋駅」より徒歩5分
・大阪メトロ「淀屋橋駅」より徒歩10分 - 電話番号
- 0120-074-013
(電話受付時間:土日祝日問わず 9:00~22:00) - 営業時間
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