倒産の危機のベンチャー企業が事業を継続する方法とは?給付金・融資・任意整理などを解説

2022.4.14

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ベンチャー企業は、独自のアイデアや技術で新ジャンルを開拓することから、トレンドの変化や時代背景の変化などに弱く、またたく間に事業継続が困難になる場合があります。ベンチャー企業を倒産せずに事業を継続させるには、どのような方法があるのでしょうか。ここでは、ベンチャー企業を再建するために知っておきたい対策法について解説します。

そもそも倒産とは

倒産に法的な定義はありません。倒産は経営破綻とも呼ばれ、債務を弁済できなくなったりできなく恐れが生じたりすることです。倒産を回避するには、支出よりも収益を増やすしかありません。

倒産せずに事業を継続する方法

収益以上の支出がある状況を改善するには、給付金や助成金を活用したり融資を受けたりする必要があります。ただし、一時しのぎにしかならないため、会社の縮小やビジネスモデルの転換などの決断も必要でしょう。ベンチャー企業が事業を継続するために知っておきたい対策を紹介します。

給付金・助成金

国の給付金や助成金を活用することで、事業を立て直せる可能性があります。主な給付金・助成金は次のとおりです。

名称 内容
持続化給付金 昨年1年間からの売上減少分を上限に、200万円の支給を受けられる給付金
雇用調整助成金 雇用保険適用事業所が労働者への休業手当の支払いを女性する制度
支給額=平均賃金額×休業手当等の支払率×助成率(1人1日につき1.5万円が上限)
小規模事業持続化補助金 小規模事業者による販路開拓をはじめとした取り組みや業務効率化の取り組みを支援する制度
家賃支援給付金 地代・家賃の負担を軽減するための制度
支給額は直近1ヶ月の賃料から算定(最大600万円)

それぞれの詳しい要件については、各自治体の窓口に確認しましょう。特に、持続化給付金は要件が変更される可能性があるため、利用する際は必ず問い合わせることをおすすめします。

融資

日本政策金融公庫では、事業の再建を図る場合において企業再建資金を融資しています。融資限度額は別枠7,200万円(うち運転資金4,800万円)で、返済期間は設備資金が20年以内(据置期間2年以内)、運転資金が15年以内(据置期間2年以内)です。

利率は満たしている要件に応じて異なります。

「新型コロナウイルス感染症特別貸付」では、以下の条件に当てはまる企業は、無担保で2億円を限度として融資を受けることが可能です。

さらに、新型コロナウイルス感染症特別貸付もあります。売上の減少や将来的な回復見込みなどの要件を満たした場合に、最大で別枠8,000万円の融資を受けられます。

猶予・減免

支出を減らすために、税金の納付猶予や減免を受けるのも1つの方法です。国税は、特定の事情がある場合において、最大1年間の納付猶予を受けられます。地方税は前年度の収入から20%減少している場合に、最大1年間の徴収猶予を受けられます。固定資産税や都市計画税、厚生年金保険料なども納付猶予や減免の制度があるため、こちらも年金事務所や自治体などに問い合わせましょう。

ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルとは、ベンチャー企業やスタートアップ企業など、将来的に大きく成長することが見込まれる企業に出資する投資会社です。資金調達によって起死回生の一手を打てることを証明できれば、資金を得られる可能性があります。

M&A

M&Aは「合併と買収」を指します。事業の売却、株式の移動による経営権の譲渡などを行い、対価を受け取ります。複数の事業を展開している場合は、赤字事業を他社へ売却するのも1つの方法でしょう。

私的整理

借金の返済ができない状態に陥りそう、または陥っている場合は私的整理も視野に入れましょう。私的整理には、「精算型」と「再生型」があります。清算型は、裁判所を介さずに債権者と交渉し、会社の財産や債務の精算処理について取り決める手続きです。再建型は、債権者と交渉し、借金の減額や利息のカットなどを行い、事業の再建を目指します。ただし、いずれも債権者の合意を得られなければ行えません。

私的整理は、裁判所を介して行う法的整理とは異なり、倒産状態にあることが公告されません。そのため、一般事業債権者からの信用低下を防ぐことができます。ただし、何らかの形で一般事業債権者へ倒産状態にあることが伝わるリスクもあるため、情報漏えいには十分に注意が必要です。

まとめ

倒産の危機に陥ったベンチャー企業を立て直すには、収益を増やしつつ支出を減らす必要があります。給付金や助成金を活用しつつ、納付猶予や減免で支出を減らしましょう。私的整理を行う際は、信頼できる弁護士に相談することをおすすめします。梅田パートナーズ法律事務所では、私的整理を含め事業再建のサポートをしております。まずはお気軽にご相談ください。

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この記事を監修した弁護士

弁護士 西村 雄大
梅田パートナーズ法律事務所

大阪弁護士会【登録番号 49195】

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弁護士ご紹介

代表弁護士

西村 雄大

弁護士の西村 雄大と申します。これまで「弁護士」という職業は、一般的にどこか取っ付き難い職業として認知されていたのではないかと思います。
今はインターネットなどを通じて、ある程度の知識は誰でも取得できるようになりました。法律に関しても同じです。
このような時代だからこそ、弁護士に頼んでよかったと思っていただけるよう、プラスアルファの情報・一つ上のサービスを心掛けて対応します。

法人破産申立て実践マニュアル〔第2版〕

弊所代表弁護士の西村雄大が「法人破産」に関する書籍に著書(共著)として参加し出版しております。

経 歴

2010
京都大学 卒業
2012
神戸大学法科大学院 卒業
2012
司法研修所
2013
弁護士 登録
2014
中小企業診断士 登録
2014
梅田法律事務所 設立
2015
経営革新等支援機関 認定
2017
梅田パートナーズ法律事務所 改称

資格・登録等

所属団体

テレビ出演

・2024年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「船井電機 突然の破産」についてコメント出演しました。

・2022年 MBS 毎日放送様の「よんチャンTV」にて、「スーパーマーケット ツジトミの倒産」についてコメント出演しました。

著書および論文名

  • ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院)
  • ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」
  • ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載

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