遺産分割協議書に押印しない相続人がいる場合はどうする?対処法を解説
遺産分割協議に押印しない相続人がいる場合、遺産分割協議が成立せず、いつまでも財産を相続できない事態に陥る可能性があります。このような場合、どう対処すれば財産を問題なく相続できるのでしょうか。本記事では、遺産分割協議書に押印しない相続人がいる場合の対処法について詳しく解説します。
遺産分割協議書に押印は必要?
遺産分割協議書に関して、全相続人の署名がある場合でも、1人だけが実印を押さない場合、どうなるか疑問に思うことがあります。このようなケースは実際に存在し、その結末は遺産分割協議書の真正性や登記の有効性に関わる問題となります。
登記先例に基づくと、遺産分割協議書や印鑑証明書は、相続登記の真正性を担保するための書類として提出されます。そのため、これらの書類に代わって、相続登記の真正性を示す他の書類を提出できれば、登記を受理される可能性があります。例えば、遺産分割協議書に関連する訴訟で勝訴した場合、その判決書を添付して相続登記を申請することができます。
したがって、遺産分割協議書に全員の押印がない場合でも、適切な法的手続きを経て、登記申請に関連する書類を提出すれば、相続登記は受理される可能性があります。
押印がなくても問題がないかどうかはケースバイケース
遺産分割協議書における押印の有無は、その成立や登記の有効性に影響を与える重要な要素です。しかし、押印がない場合でも、問題がないかどうかは具体的な事案によって異なります。
登記先例によれば、遺産分割協議書や印鑑証明書は、相続登記の真正性を担保するための書類として提出されます。そのため、押印がない場合でも、適切な法的手続きを経て、他の書類を提出すれば相続登記は受理される可能性があります。
しかし、具体的な事案においては、押印の有無が問題となる場合もあります。例えば、相続人の中で一部が押印を拒否した場合や、遺産分割協議の成立が疑われる場合などは、押印の有無が重要なポイントとなります。
遺産分割協議の結果に納得しない相続人がいる場合
遺産分割協議の結果に、全ての相続人がその結果に納得しない場合があります。このような場合は、押印の代替手段を相続人が用意するとは考えにくいでしょう。遺産分割協議が成立しない場合は、裁判所へ遺産分割調停を申し立てましょう。
調停員が双方の意見を聴取し、全員が納得できる落としどころが見つかるようにサポートしてくれます。しかし、調停が成立しない場合は自動的に裁判に移行します。
裁判所が紛争を解決し、遺産分割の取り決めを行います。訴訟手続きには時間がかかることもあり、費用もかさむ可能性がありますが、ときには不可避な道です。
遺産分割協議書に署名がない場合はどうなる?
遺産分割協議書に署名がない場合、遺産分割協議の成立を裁判所に認定してもらうことは難しいでしょう。遺産分割協議書は真正に成立したことが推定されないため、遺産分割の取り決めを争う際に立証が困難です。
例えば、「認めた」と主張する際は、録音やメール、LINEのやり取りなどを証拠として提出することが必要です。しかし、これらの証拠がなければ、「認めた」という主張を客観的に立証することは困難です。
印鑑証明を交付されない場合はどうなる?
相続手続を進めるためには、遺産分割協議書を作成し、全員分の署名押印と、それに対応した印鑑証明書を用意する必要があります。
遺産分割協議が成立したものの、相続人が印鑑証明書を交付してくれないというケースが少なくありません。
このような場合、印鑑証明書を交付しない相続人に対して、遺産分割協議書が成立したことの確認を求める訴訟を提起し、勝訴判決を添付することで、印鑑証明書の代替にすることができます。
遺産分割協議が進まないときは弁護士に相談しよう
遺産分割協議が進まない場合、相続人間の意見の相違や対立が原因であることがあります。このような場合、専門家である弁護士に相談することが重要です。
弁護士は遺産相続に関する法律や手続きに精通しており、遺産分割協議の円滑な進行や問題の解決に助言を提供します。具体的には、遺産分割協議の進行方法や交渉の戦略をアドバイスし、必要に応じて法的手続きを代行してくれます。
まとめ
遺産分割協議書に押印しない相続人がいる場合は、代替手段を選択するか、押印するように説得しましょう。梅田パートナーズ法律事務所は、相続トラブルへの対処だけではなく、手続きの代行、遺産分割協議書に押印しない相続人の説得など、全面的にサポートしております。まずはお気軽にご相談ください。
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西村 雄大Takahiro Nishimura
弁護士法人梅田パートナーズ法律事務所は、確かな実績を積む30代の若い弁護士2名と事務スタッフ数名が在籍しております。
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特に財産に会社株式のあるケースや経営権が絡む相続問題を得意としており、税金対策や経営についても多角的な視点を持って、何が一番いいのかを考え、相続計画と遺言書をつくる必要があります。
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経 歴
2010 | 京都大学 卒業 |
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2012 | 神戸大学法科大学院 卒業 |
2012 | 司法研修所 |
2013 | 弁護士 登録 |
2014 | 中小企業診断士 登録 |
2014 | 梅田法律事務所 設立 |
2015 | 経営革新等支援機関 認定 |
2016 | 梅田パートナーズ法律事務所 改称 |
事務所概要
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著書および論文名 | ・著書(共著):法人破産申立て実践マニュアル(野村剛司 編著/青林書院) ・法学セミナー平成26年10月号「倒産法の魅力と倒産法の学修」 ・物流業界の未来を創る雑誌「物流新時代」にて「西村弁護士の法律相談室」を連載 |
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